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竜の軌跡  作者: 糸田シエン
修行編
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魔法と気功術

「今日から魔法と気功術の訓練を始めるぞ」

 朝食の最中、師匠が言った。あ、食事担当ことリアーシュです。前世でも自炊してたから余裕なのですよ! フハハ、参ったか! はい、参りました。だって食材初めて見るのばっかだし! しかも師匠が持ってくるモノだから元がどんな魔物かも分からない。魔物確定なのはこの霊峰に獣の類いは弱すぎて存在出来ないからだ。同様に植物も生半可なレベルでは逆に食われてしまう。まぁ、師匠がその頂点なのだが。


「魔法はともかく、気功術ってなんですか?」

「そうだな……闘気やオーラといった呼び方もあるものだな。魔力とは異なる体内エネルギー活用方と言ったところか。例えば筋力強化や皮膚の硬質化、治癒能力の促進、気配の遮断などが出来る」

 結構便利だな。ハドーケン! とか出来るんだろうか。あと気配の遮断ってのが気になる。

「なるほど。それって飛ばしたり出来ます? それとどうやって気配の遮断が出来るんですか?」

「『気』を飛ばしたりは出来ない。肉体から離れると一瞬で霧散するからな。気配の遮断は、周囲と一体化するようにすれば出来る」


 えーっと、つまりは圏境ってやつ? 確か中国武術の達人には気を限りなく周囲と同化させることによって他人から認識出来なくさせるとかそんなんだった気がする。


「気功術は難易度が高めだから、先に魔法から訓練しようか」

「はい師匠!」

 朝食が食べ終わり、そのまま魔法の訓練に移行する。


 待ってました、魔法!

 派手に魔法をぶっ放して無双とか男のロマンだよね!


「まずはこの棒に魔力を流してみよ」

 渡されたのはただの金属の棒だった。魔力操作の基礎はもう教わってるから、一気に流すべし!


 次の瞬間、棒が粉々に爆発した。


「し、師匠!? なんですかこれは!」

 口の中に入った欠片を吐き出しながら、叫んだ。

「まずは魔力操作からに決まっている。この棒はな、特殊な製法で出来ており、適量の魔力を流した場合のみこのように光る」

 師匠の持つ棒は、淡い光を放っている。

「まずはこれを一発で出来るようになれ。ちなみに棒はそれぞれ適切な魔力量は異なるからな。五本連続で出来るようになれば合格だ」

「……あのー、師匠。これって必要ですか? あうっ!?」

 デコピンを喰らった。


「いいか、これをすることによって無駄な魔力消費を抑え、効率的な魔力運用が出来るようになるのだ。それに、お前はやがて強大な力を手に入れる。街一つを跡形もなく消し飛ばすことも可能になるだろう。つまり、リアの場合は手加減するための意味が強い」

「な、なるほど……師匠の言う通りですね!」

 気を取り直して、棒を握り、魔力を流すと爆発した。


「ハハハ、そう簡単には行かんよ。普通は数ヵ月かける訓練だが、リアなら一週間もあれば十分だろう」

 根拠もないのによく言える。

「だって我、神だし」

 ですよねー。


 午前中繰り返し続け、少しコツは掴んだものの爆発だらけ。たまに運良く成功する程度。でも、まぐれでも初日で成功するのはスゴい事らしく、師匠が誉めてくれた。頭を撫でられるのがあんなに気持ちいいとは知らなかった。


 さて、午後は気功術と同時に短剣の訓練だ。気功術は、精神統一スキルがあると使いやすくなるらしい。やったね、持ってるよ。


 武器スキルは、師匠曰く古代武芸スキルを教えるらしい。

 古代武芸スキルとは、二千年以上前に滅びた、師匠以外使い手がいないスキルらしい。

 曰く、戦場で武器を失っても、死体などから武器を奪い、例えそれがどんな種類武器であろうと達人級に扱うためのスキルらしい。ようはウェポンマスターだね!

 今は短剣だが、その内長剣、大剣、槍、斧、鎚、棒、鎌、弓などにいくらしい。無手もあるよ!


 そんなわけで短剣を素振り中。気での身体強化も弱いが使えるようになった。師匠も驚いていた。


 そして、最近他にも修行しているものがある。それが裁縫だ。初めは麻のワンピースだったが、今は自作のフェンリルの革で作ったワンピースだ。色は黒に染めた。かっこいいし。

 ズボンにしようと思ったのだが、師匠に止められた。なんでも、女の子らしさに研きをかけるためにスカートでいろという師匠のお言葉が。しかもミニ。現在進行形で精神がガリガリと音を立てて削れている。早く解放されたい。


 ちなみにその一ヶ月後、スカート以外が許可された。といってもキュロットスカートかホットパンツのみだが。

 どうやら足は露出が一定以上ないと認めてくれないらしい。エロジジイめ。たぶん、このままいってもソックスの方を伸ばすしか許してくれなさそうだ。

修行編、長くなりそう

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