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竜の軌跡  作者: 糸田シエン
ウイマール公国・公都編
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スニーキングミッション

 さて、転移したきたはいいが、どう攻めようか。スキルをフルで使って完全に姿を隠してしまってもいいが、それでは面白くない。

 うーむ、どうしよう。よし、ここは某蛇の如くスニーキングしよう。使うのは気配遮断と魔力遮断のみ。見つからないように着地し、屋敷に接近する。


 赤竜の卵は最上階にあるみたい。でも不正の証拠も集めたいしなぁ。資料室的な場所か、書斎か、地下か。

 まずは地下から行こうかな。


 窓を壊して中に入る。音は立ててない。

 潜入成功。巡回は十三人。それを背後から近付いて一撃で昏倒させる。一応隠しておいて探索を続ける。


 地下の入り口は……ここか。床扉を開くと、階段が現れる。暗視スキルを発動し、階段を降りていく。スキル縛り? ハテ、ナンノコトヤラ。

 足音が鳴らないように階段を降りる。着いた。どうやらここで当たりのようだ。

 資料を片っ端から空間魔法で作り出した別空間に放り込んでいく。アイテムボックスにはなんとなく入れたくなかった。


 む、誰か降りてくるな……この私が気付かれるとは、不覚。

 降りてきたのは……蛇男? もしかして熱探知でバレたのかな。というか完全に邪神軍の人じゃないですかやだー。

 とりあえず気付いてないフリをして資料を突っ込み続ける。

「貴様、何をしている」

 おぉふ、後頭部に剣が。

「何って……強制捜査?」

「捜査だと? 仕方ない、死んでもらう」


 剣が後頭部から離れた。引き絞ってる感じから、武器はレイピア当たりかと思う。

 とりあえず喰らう気もないので混沌魔法で影を操って拘束する。いや、当たっても無傷なんだけどね?

「なっ……!?」

「フハハ! レベル300代を殺すことなど赤子を捻るより楽な作業よ!」

 影で首を引きちぎる。噴水のように血が噴き出す。濡れたくないので死体ごと火で包み、塵も残さず焼き払う。


「うーん、邪神軍手応えなさすぎて面白くない……」

 レベル差がありすぎるのだ。仕方がないと言えば仕方がないが、やはり面白くない。戦闘狂ではないが、面白くない。

「卵んとこ行こ」

 卵が発する魔力目指して進む。場所は……屋敷の主の私室ですね、はい。しかも中にいるよ。

「ウィンドバースト!」

 風で扉を吹き飛ばす。轟音がしたが、もう黒幕が目の前にいるのだから気にしなくてもいい気がした。


「な、何事だっ!」

「おやおや。それは自分が一番分かってるんじゃないのか?」

 演技を再開する。

「いやしかし、有り得ん! ゲョムェル殿はどうした!?」

「ゲョムェル? あぁ、蛇男の彼か。塵も残さず焼いてやったよ」

 鯉みたいに口をパクパクさせている。

「いやはや、数多の不正を働いただけでなく、世界を滅ぼさんとする邪神軍とも繋がっているとなると……その首、確実に落とされるだろうなw」

 やば、笑っちゃった。

「な、何故だ……どうしてこうなった……計画に不備はなかった……そうだ、これは夢だ。ただの夢なんだよぉぉぉぉぉっ!」


 ありゃ、発狂したか。踞って頭を抱えて叫びながら呟いている。

 よし、今のうちに卵を回収してっと。

 ついでにこの貴族を土魔法で拘束して床に転がしておく。

 もうここにいる必要はない。結果の報告に行くため、赤竜達のいる場所に転移をした。

もうそろそろ公国編は終わります。

次は王国編になります。

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