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竜の軌跡  作者: 糸田シエン
ウイマール公国・公都編
44/81

ドラゴンが来るらしいですよ?

 対ドッペルゲンガー戦を終えた私は、ユーとスニィと共にアミリーを迎えに行く。

 いや、ドッペルゲンガー強かった。最後のKA☆MI☆KA☆ZEが特にやばかった。……しかもあいつ、完全に殺す気できやがったし。

 今回勝てたのも紙一重、かな。


 歩いて学校に着くと、校門の辺りでアミリーが待っていた。

「アミリー、待った?」

「少し。でも少しだから、気にしないで」

 ならよかった。四人で移動を開始しようとしたときだった。

「おい、役立たずがいるぜ?」


 少年が四人引き連れていた。貴族の身分にふんぞり返ってるバカか?


「役立たずって、どういう意味?」

 なんとなく気に入らなかったので、聞いてみた。

「あたしの得意な魔法が支援系だから……」

 アミリーが消えるような声量で呟く。

 なるほど、なんとなく事情は掴めた。


「その通り。支援系なんて、誰かがいなきゃ役に立たない魔法なんていらねーんだよ」

 む。ありとあらゆる武器スキルと魔法を持ち、数多の敵と戦ってきた私にとってその言葉は見逃せない。と、いうわけで口撃を開始する。


「確かに支援系は一人じゃ弱い。けど、パーティに一人いるだけで戦況が大きく変えることも出来る」

「……あ? どういう意味だ?」

「例えば、いつもより少ない手数で敵を倒せれば、怪我が浅くなれば、素早く動ければ、魔法の威力が上がれば、戦闘時間を短く出来れば……それだけでリスクが減ると思わない? しかも、それは相手が強くなるほど顕著になるわ。威力が高くても、当たらなければどうってことないし、掠り傷しか与えられなかったのが深い傷を与えられるようになる。つまり、強い者ほど支援系の大切さを分かってる。単純にステータスを一時的に上げるものなら、その大切さはあなたにも分かるハズ」


 さて、言いたいことは全て……ではないけど、あらかた言った。少年は今の話を聞いてどう判断するのか。


「……そうだな。役立たずとか言って悪かった」

 以外に素直。まぁ、矯正出来てよかったと言うべきか。


 この時は知らなかったけど、少年はスルベスバーグという公爵家の人間だったとはアミリー情報。


 少年らと別れ、四人で昼食を摂った。パスタ美味しい。

 そのまま優雅にティーブレイクに突入。そう、常に余裕を持って優雅たれ。


 ……うへぇ、なんかこっち来てる。

「リアちゃん、どうかしたのー?」

「あ……うん。ワイバーンが26体、それからエンシェントドラゴンクラスの赤竜(レッドドラゴン)が一体、こっちに向かってきてる」

「えぇっ!? それって大変じゃ……!?」

「落ち着いてアミリー。問題は『どうして向かってきてるのか』だよ。まぁ、殺気立ってるようだから通り過ぎるってのはなしで」

「襲いたくなっただけじゃないのか?」

「お腹空いてるんですかねー」

「どうだろう。やっぱり本人に聞くのが一番早いか。……あ、戦闘始まっちゃった。でも勝てないだろうなぁ……」

 千里眼で様子を眺めていたら、冒険者の集団らしきものが戦闘を開始。さすが冒険者ギルド、先に情報を手に入れていたとは。後方から騎士団も合流。

 ワイバーンは割と余裕そうだ。でも赤竜がなぁ。公都を破壊されるのもなんだし、少しO☆HA☆NA☆SHIしようか。

 とりあえず、まずお休み、アミリー。


 アミリーを魔法で寝かせ、私は介入する準備を進める。この姿がばれると、旅をするのに不便になるだろうし、個人を特定されてしまうだろうし、変装するか。


「ユー、スニィ。アミリーをお願いね」

 私は戦闘現場に向かった。

昨日、祖父が逝っちまったZE

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