リアvsリア(ドッペルゲンガー)
なんか、前話の投稿から結構時間がたった気がするのは気のせい?
その日、公都を赤竜率いるワイバーンの群れが襲撃した。
迎撃に出たのは騎士団と冒険者。どちらもレベル70以上の精鋭だ。最高レベルはギルドマスターのレベル532。
誰もが勝ちを疑わなかった。事実、赤竜以外はことごとく討ち取った。
誤算があるとすれば、ただ一つ。赤竜が、レベル800代のエンシェントドラゴンだったことだけだ。
*
今日もいい天気だ。草原で横になって昼寝とかすれば、さぞ心地いいことだろう。アサヒはダンジョンに挑むんだー、とか言って近くの町に移動してしまった。その内クリアして戻って来るか、レベルの高い魔物を求めて移動するのかは分からないが、楽しそうなのでよしとする。
私は楽しいよ? ユーとスニィにサンドイッチされた時なんか気絶しちゃったし。……あ、思い出したら興奮してきた。
いつかはユーとスニィの赤ちゃん産みたいし、産ませたいな。でもタイミングがなぁ……。旅に連れてくわけにもいかないし、やっぱり落ち着いてからだよね。
さて、今日は久々にアミリーに登場してもらってます。アミリーさ~ん?
「どうかしたの?」
「何もないよ」
「お姉さま」
「ん?」
「何もないぞ」
ユーが真似をしてしまった。気付いたんだけど、ラブラブのカップルとかよくしてるよね。
「あれ、アミリーその制服は?」
「今日で長期休暇も終わりだから、学校に行くんだよ」
アミリーによると、学校では一般知識から武器の扱い、魔法まで幅広く学べるらしい。
さらに、授業の一環としてダンジョンにも潜るとか。自衛が目的らしい。
「今日は昼前には終わるよ」
「じゃあさ、どこかで昼食べようよ。迎えに行くからさ」
「分かった。また後でね」
アミリーを見送る。
「……にしても、街の外の魔力が荒れてるなぁ。何も起きなきゃいいけど」
こういうの、フラグって言うんですよね分かります。
まぁ、何か起きてもなんとかできるだろう。……力で解決できることなら。
さて、昼まで暇になるな。というか最近暇が多すぎる。こうなったら近いうちに公国を出て、王国に向かうか……。移動は馬車にしようかな。魔改造しまくって、スレイプニル(レベル932)に引かせるんだ。
馬車の中は空間魔法で拡張して、内装もいじり倒せば宿要らずってね。むしろ宿なんかより快適な空間にしてやろう。
才能の無駄使い? 何を言うか。自分が満足できる空間を創り出す。それは、美味しいものが食べたいから自分で作る、というのと同じことだ。
「んー、久々に模擬戦でもしてみようかな」
思えば、私の全力に耐えられる相手がいなくなって久しい。魔神軍とかいう奴も、大したことなかった。師匠と戦って以来だね。
まずは私が全力を出しても壊れない空間作りから始める。
「お姉さま、何をしているんだ?」
「あぁ、体を動かしたくなったから、そのための空間作り。全力で動きたいから、生半可な空間じゃすぐに崩壊するからね」
「リアちゃんの本気、見てみたいなー」
「ワタシも見てみたい!」
「んもう、仕方ないなぁ」
割と満更でもなく、ユーとスニィの観戦スペースを作り上げた。
荒野ステージにて、私は自らの分身……もとい、ドッペルゲンガーを作る。スペックや所持武器の性能は全く同じ。ドッペルゲンガーに成長機能は付いていないので、本人に成長の余地があるならば、戦いの最中にドッペルゲンガーを越えることはある。
しかし、私はもう、成長はほぼない。現在で既に完成しているからだ。故に、永遠に平行線のまま。
……まぁ、現在唯一全力を出せる相手としては重宝するが。
まずは神剣ミストレス、神剣セレンディアの二刀流だ。それぞれに空間魔法を付与し、肉薄する。
向こうも空間魔法を付与したようで、剣と剣が交わる度に余波で空間が裂ける。剣戟を交わしながら、土魔法でドッペルゲンガーの足元に魔法陣を描く。
ドッペルゲンガーが混沌を合成した火柱に飲み込まれる。
火柱の中で白い光が瞬き、次の瞬間には聖炎を纏う槍に火柱が振り祓われる。私に投げられた槍を神鎌ソウルリーパーで絡めとり、勢いそのまま方向転換させてドッペルゲンガーに返す。
ドッペルゲンガーは軽々とそれを掴み、互いに武器を構えたまま睨み合う。
ちなみに、ここまで約三秒。
ユーとスニィは何が起きたか認識出来なかったのか、呆然としている。
ふっふっふ、今日の私は一味も二味も違うぜ? ドッペルゲンガーさんよ。何故なら……愛する彼女達が私を見ていてくれてるからね!
この日、私は初めて完成版ドッペルゲンガーを倒した。……倒したのはいいんだけど、作った空間が耐えきれずに影響が外まで及んでしまった。
簡潔に言えば、アーガメント邸で私が泊まっている部屋のソファが無惨な姿になっていた。
時間逆行で直したけどね。
リアに出来ないことってあるんでしょうか?




