番外:リアの決意
リアのターン!
アサヒ達の修行を始めてから四ヶ月がたったころのことだった。
いや、実際は時間の流れを速くした隔離空間だからそんなに時間はたっていないんだけども。
私はログハウスのバルコニーで、夜空を眺めながらアサヒと談笑していた。そんな時、ふと家族の話題になった。
私は答えた。家族と呼べるのは今のところ師匠しかいないこと、その師匠はもう死んでいること。さすがに私が殺したとは言わなかった。
ユーとスニィは、恋人以上家族未満といったところだろうか。
アサヒは、両親と妹の四人家族。それと、会ったことのない兄がいた。そう、「いた」なのだ。
詳しく聞くと、その兄は無理矢理でできてしまったらしく、まだ学生だったアサヒの母親には育てられず、孤児院に預けたらしい。そして、同じ孤児院の友人に刺されて死んだ。兄の名前は南鱈麻人。
何を隠そう、私ことリアーシュ・アルヴレイムの前世である。
初めはあり得ないと心の中で否定した。こんな巡り合わせがあるハズがないと。
だが、アサヒが眠り、一人考えながら時間がたつにつれ、むしろ幸運に感謝すべきなのではと思い始めた。
これなら、安心して神剣を託せるし、可能な限り手助けもしてやりたいと思った。
個人に手を貸す神なんて、いいのだろうか。いや、神とは気紛れに物事を成すものだと相場で決まっている。
ギリシャ神話の主神ゼウスは、時折下界に降りては女性を孕ませたりしてたし、日本神話のスサノオはやんちゃ過ぎて高天原を追放されたりしている。
全ての神がそうであるというわけではないが、やりたいようにやっている。神は機械のようにただ単々と作業をこなす存在ではなく、人間と同じく感情もあれば知性もある。誰かに恋だってする。神話にも神々の痴話喧嘩とか多い。
だから、私はアサヒとキノ、ついでにフウコも守りたい。
室内に戻り、アサヒの寝顔を眺める。
兄だと伝える気はない。しかし、兄として、この世界の神として、守りたい。
誰のためでもなく、私のために。私はそう誓った。




