力試しにエリアボス
修行を終えたのが昨日で、寝る前に気付いたのだが、半年修行したのに数十分しかたっていなかった。これは地球では一分に満たない時間となる計算である。
今日はリアちゃんの修行でどれほどの力が付いたか確かめるために、エリアボスというものに挑んでみようと思っている。
リアちゃん製の装備である鋼の神剣が二本と、流水の名を持つ防具一式は、どれもトッププレイヤーのそれを凌駕する。片手剣のくせに両手用重量級並の攻撃力を持ち、軽装備のくせに重装備より防御力が高いとか、何これチート? って言いたくなる。
とりあえず街で必要な物を買い、東の門をくぐり外に出る。
広範囲に広がる草原を心地よい風が吹き抜け、髪をふわりと撫でる中、私は伸びをする。
一度体の力を抜き、森を目指して歩き出す。
森の中に入ると索敵スキルを発動し、気配を探りながら進んでいく。途中、ゴブリンやウルフ、グリーンキャタピラーなどを倒していく。この程度ならまだ二本目を抜く必要もない。
街を出てから二時間強が過ぎた頃、ボス手前のセーフティエリアに着いた。そこには既にいくつかのパーティーがたむろしており、戦術を練っているのか談笑していた。
「やぁ、君、ソロ? ここに来るのは初めてか?」
男が話し掛けてくる。
「えぇ、まぁ」
「そうか。一応、君が四番目だな。来た順に挑んでいくのがルールだからな」
「そうなんですか」
「おうよ。ちなみに俺らのパーティー、枠が一人分余ってるんだけど、どう?」
「ごめんなさい。一人でどこまでやれるか試してみたいから」
「そうか。なら仕方ないか。っと、次俺らだわ。頑張れよ」
「そちらこそ」
男を見送ってから、一度剣をアイテムボックスに入れ、座る。
キノからの情報によると、ボスの名前はグレーウルフ。その取り巻きとしてウルフが三体。ウルフは一度倒すともう現れないので、まずはウルフから狙うのが常識らしい。私もそうしようと思う。
待ってる間に水分補給と軽食を済ませ、私の番を待つ。
そして、ついに私の番がやってくる。剣を背中に装備し、ボスエリアに入る。
取り巻きのウルフが三体。ボスであるグレー……グレー? いや、なんか白い。ホワイトだ。グレーじゃなくてホワイトだ。
こちらの様子を窺うように低い唸り声を上げている。
私は『気』を全身に巡らせ、背負っている二本の剣の柄に手を掛ける。それと同時に、ウルフが走り出す。
私も素早く抜剣し、走り出す。
跳び掛かってきたウルフを避け、通り抜け様に剣を振るう。それだけでウルフのHPバーは消し飛んだ。
二体目は跳び掛かってきたところを剣で突き刺し、三体目はホワイトウルフの攻撃をかわしながら一撃で仕留める。
これで残るホワイトウルフとの一騎討ち。さすが獣型の魔物と言うべきか、かなり動きが速い。しかし、リアちゃんの修行を越えた私にとって、対応出来ない速さではない。
突進、噛みつき、爪などの攻撃を避け、いなし、交い潜りながら剣を振るっていく。
戦闘開始から僅か三分。ホワイトウルフのHPがゼロになった。
「倒せちゃったなぁ……。あれ、ホワイトウルフが消えてない?」
その時、私の目の前にウィンドウが現れた。
『ホワイトウルフ が服従の意思を示しています。受け入れますか?』
YESかNOか。答えはもちろん。
『ホワイトウルフの服従を受け入れました。名前を設定して下さい』
「名前……名前……白いから、シロ……さすがに安直過ぎるか。うーん……よし、じゃあ雪にしよう!」
名前を付けると、甘えるように頭を擦り寄せてくる。
「よし、じゃあ帰ろうか」
雪が私の横を着いてくる。
数時間後、雪を連れて歩く私のことが掲示板を賑わせるのだが、掲示板を見ない私が知る余地はなかった。
さらに、この時点で私が戦闘力的に全プレイヤートップに立っているという事実を知るのも、まだ先のことだった。
◆◇◆◇
名前:アサヒ
性別:女
種族:ヒューマン
Lv.23
HP:130
MP:60
Str:120
Vit:12
Agi:135
Int:10
Min:14
Luc:41
称号
【努力家】
【神剣使い】
【テイマー】
スキル
・古代武芸二刀流
・気功術
・索敵
etc……
◆◇◆◇
名前:雪
性別:♀
種族:ホワイトウルフ(突然変異)
Lv.1
HP:265
MP:7
Str:92
Vit:37
Agi:243
Int:5
Min:4
Luc:24
称号
【突然変異体】
【テイムモンスター】
◆◇◆◇
今までのステータスをほとんど修正しました。DFOの取得ステータスポイントに合わせて計算し直した結果、リアのステータスが馬鹿みたいに上がったよ………




