遺跡探検
「くっ、畜生!」
悪態をつきながら走り続ける。
「誰だよあんなのに破壊不能属性付けた奴! ふざけるなよ!」
口が悪くなるのも仕方がない。何故なら、現在進行形で破壊不能の巨大鉄球から逃げているのだから。
*
遺跡があるという村に着いたのは夕方だった。遺跡までは歩いて二十分ほどらしく、朝一番で一~二時間探検してから首都へと出発することになった。
翌朝、日の出から少しして起きていざ出発、かと思ったら、アミリーに微熱あるようだった。
「大丈夫?」
「うん。明日には良くなるだろうから、今日は安静にしてなさいだってさ。遺跡はユーちゃんと二人で行ってくれる?」
出発も翌朝になってしまったので、今日は一日遺跡探索だ。
「じゃあ、日没までには帰ってくるので」
「気を付けるんだぞ」
村からの一本道を歩くこと十数分。遺跡に着いた。
「思ったより新しいんだね」
古くても五百年前だろうか。日本だと戦国時代なくらい前だ。
「お姉さま。この石碑、何か文字が刻んであるぞ」
「うん? どれどれ」
なんというか、私以外には読めないんじゃないだろうか、これ。
「お姉さま、読めるか? 共通語だけでなく、魔族言語も混ざっているけど」
「他にも妖精言語、精霊言語、獣人言語、竜言語、それに……古代言語もね」
よりどりみどり過ぎて、解読に時間がかかるなぁ……。
格闘すること五分。ついに解読完了だ。
曰く、『偽りを破り、迫り来るを退けし者、その真の姿を見るだろう』だってさ。
それにしても気になるのは、文字の癖が師匠のとそっくりなんだけど……。
「中入ってみようか」
遺跡の入り口から階段を下り、地下の空間に出る。大きさ的には五メートル平米といったところか。
「何もないな……。どうするお姉さま。帰るのか?」
「いや、待って。これは……認識阻害!」
効果は『何もないと思わせること』だろう。私には真実の眼があるが、ユーはないから何も見えていない。一方、私には次の通路がハッキリと見えている。
「ユー、少し眼を閉じてて」
眼を閉じたユーの手を引き、通路に入る。
「もういいよ」
「……隠し通路か」
「罠とかには警戒しておいてね」
先導して歩いていると、いきなり壁から矢が飛び出してきたので、風魔法で逸らし、また掴み取る。
「うげ、マッドスポイラーの毒が塗ってある……」
マッドスポイラーは体内で猛毒を生成する空飛ぶ海月風のモンスターだ。その毒が体内に入れば、ドラゴンでも二十秒で逝ける。私には効かないけど、ユーならほぼ即死に近いだろう。
全く、恐ろしい遺跡だぜ……。
時折飛んでくる矢や槍を防ぎながら進んでいると、坂道にでた。
「……ねぇ、今何かカチッて音したけど、気のせいだよね?」
「お姉さま、現実逃避している暇はないぞ! 鉄球が転がってくる!」
「あぁもうそんなことだと思ったよ!」
割と全力で圧縮したかまいたちを放つが、勢いすら緩められなかった。
「なっ!?」
慌てて鑑定してみる。
◆◇◆◇
鉄球
破壊不能。
◆◇◆◇
こうして冒頭に戻る。
「ちょっ、この先足場ないし!」
とはいえ、飛び込むしかない。ユーを抱えて飛び出すと、眼下には溶岩が……。
しかも次の通路は上って……。この遺跡の製作者、完全に殺しにきてやがる。私は魔法で空を飛び、次の通路へと向かった。
その後もトラップ祭りだった。落ちてきた天井を重力魔法で押し返したり、水でも消えない炎を絶対零度で凍らせたり、アダマンタイトの檻を切り裂いたり、十八禁ばりの触手に犯されそうになったり。
数々の罠を乗り越え、私とユーは遺跡の最奥にたどり着いた。
そこには何やら扉があり、その上にはこんな文字が刻んだプレートがあった。
【ローザンハビラの秘密の研究所☆リターンズ】と。
何やってんですか師匠……。
次回、ついに新キャラ製作!
選ばれたのはどっち!?
投票して下さった方も、そうでない方も、ありがとうございました。新キャラアンケートは締め切りました!




