噂をすれば……ね?
最近アクセス見てないや……。後で見よう。
「うーん、この揺れ、もう少しなんとかならないかなぁ」
前々から思っていたのだが、馬車の揺れが気になる。地球での車が恋しくなる。
「それは仕方ないよ。皆も思ってるけどね」
アミリーの言葉を聞いて、考える。
「タイヤをゴムにしたり、サスペンションを付けたりすれば、あるいは……」
そもそもゴムを見たことがない。サスペンションぐらいなら簡単に作れるが、原料が分からない以上、無理だ。
「お姉さま、何をぶつぶつ言っているんだ?」
「ん? ちょっとね」
てか地球の技術はオーバーテクノロジーだし、あんまり出すと混乱とかの心配が……。いや、銃とか作った時点でアレか。
プレイヤーの中にも色々技術を持ち込む人もいるかもしれない。ゲームだと思っているならほとんどないと思うが、変に混乱を起こすのだけは止めて欲しい。
「して、何か案はあるのかな?」
「あるにはあるんだけど……材料や加工の問題が、少し」
バネとかこの世界の人に作れるか分からないし。腕のいいドワーフなら作れるかもしれないかな。
「世の中、そう上手くはいかんか……」
ウィルソンが一人納得したように頷いている。
それよりも、馬車での移動で一番重要なことに気付いてしまった。それは、人間を堕落させる悪魔の囁き。駄目人間を増殖させる怠惰の響き。要するに、暇なのだ。
今はもう、膝枕をしてくれているユーの太ももに、頬擦りするくらいしかすることがない。生足じゃないよ。スカートの上からだよ。
「はふぅ……癒しが欲しいなぁ……」
枕が揺れた。馬車の揺れではない。
「お、お姉さまはワタシでは癒されないのか……!?」
「んぅ? あぁ、そうじゃなくて、もふもふ成分が欲しいなぁ、と。ユーの成分はちゃんと補給出来てるよ」
「そ、そうか。ならいいんだ」
退屈って、毒だよね……。盗賊とか出てこないかなぁ。
これがフラグになればいいのに。
馬車が突然止まった。
「何事だ!?」
「盗賊です!」
え、マジっすか。噂をすればなんとやら、だね。
「俺が行く」
「私も参りましょう」
「ワタシも行くぞ」
「私も行こっかな」
アルフ、爺、ユー、私が馬車から降りた。アルフはロングソードを。爺は杖を。ユーは大剣を。私は二挺拳銃、神銃エリスを持って。
「おい! 金目の物と女を差し出せば見逃してやってもいいぜ!」
うわぁ、Theテンプレな台詞ですよ奥さん。
「殺っちゃっても?」
「構わんよ」
爺の言葉が終わってすぐ、私はコイルガンモードで引き金を引き、雑魚っぽい奴の頭に孔を開けた。
「なっ!? くそ、野郎共! やっちまえ!」
近接戦闘のために、私は神銃エリスから刀、ヤタガラスに持ち変える。
24vs4、計28の乱戦が始まる。
私は受け流しを基本に、カウンターを決めていく方針にした。
アルフは攻めの剣技で。
爺は魔法と仕込み杖で。
ユーはパワーと質量で。
結果、二分で盗賊は全滅。伏兵はなし。
なんだかんだで爺が一番倒してた。元Sランク冒険者らしく、その当時にはアーガメント家に仕えていたため、「公爵家の番犬」という名を現在まで轟かせているという。元気な爺だね。
アルフは爺から剣術を習っているみたい。筋はいいが、まだまだ剣筋が素直だ。古代武芸は教えられないね(キリッ。教える気もないけど。
古代武芸を教えるならプレイヤーかな。古代武芸は単一の武器でも、現存するあらゆる流派の上に立つものだ。というより、古代武芸というピースがバラバラに伝わった残り香が、現在の流派だ。長い年月を経て失われたピースもあり、古代武芸を完全に復元することは出来ない。師匠は普通に習得していたが、それは長命故にである。
攻めと守り。剛と柔。その全てを統べるのが古代武芸だ。
ちなみに、私と爺は返り血を浴びていなかった。ユーは少し。アルフはケチャミン状態だったので、爺が魔法で洗い流していた。
全く血糊の付いていない、ヤタガラスの漆のような刀身を血振りしてから鞘に納め、アイテムボックスに戻し、馬車に乗り込んだ。爺とウィルソンは私の実力に気付いているようだが、放置。
今夜辺りには次の村に着くようで、明日は前にアミリーと話していた遺跡見学になりそうだ。
次話の投稿と同時に、新キャラアンケートを締め切らせてもらいます。
新たな仲間は一体どちらに!?
次回、【謎の遺跡】




