ユーの戦い
戦闘らしきものあり。
ユー視点です。
ワタシは全力で走って、ゴーレムの元へと辿り着いた。
すでに騎士や冒険者、渡界人達が戦っており、時折魔法が撃たれている。だが武器がよくないのか、それともレベルが低いからか、ゴーレムに全くダメージを与えるられていない。
ワタシはアイテムボックスからお姉さまから貰った大剣を装備する。ダマスカマス鋼の剣はずっしりとした重みを伝えてくるが、ワタシには調度いい重さだ。
刀身だけでも二メートルもある剣を小柄なワタシが構えるとアンバランスだろうが、この中でこの武器を、『バスターブレイズ』を扱えるのはワタシだけ。お姉さまから頂いた宝物。手放すわけにもいかない。
「ハァァァァッ!」
地面を蹴り、加速する。狙いは足だ。跳躍し、脛の辺りを、斬り裂く!
剣はなんの抵抗もなく振り切れ、着地すると背後でズズゥンと音を立ててゴーレムが膝を着いていた。
「さすがはお姉さまの剣だ。これがあればドラゴンも倒せそうだ」
背後を見ると、切り落とした足が崩れ、再びゴーレムの足として再生してしまった。
「再生機能付きか、面倒な……」
次は魔法を試してみよう。
「混沌より出でし闇よ、我が槍となり敵を穿て! 『ダークランス』!」
まずは初級魔法で試し撃ちだ。腿の辺りを貫通したが、すぐに再生した。面倒な奴だ。このタイプは魔核と呼ばれる魔力を生み出す石を破壊しなければならない。
ワタシは魔力探知は出来ないし、片っ端から切り刻むか?
『ユー。魔核は胸の中心だからね』
お姉さまの声が頭に直接響いてきた。念話というやつだろう。
『ありがとう』
簡潔に伝え、ゴーレムを見上げる。でかいな……。
足が直ったゴーレムは、街への行進を止め、ワタシに向き直った。
「フフッ、いいだろう。来い!」
ゴーレムが拳を振り上げる。
それを剣を使って上手く受け流す。
ワタシの一族が引き継ぐのは、力に任せた剛の技ではなく、絡めとる柔の技だ。もっとも、父や兄達はゴリゴリの筋トレマニアなため、見た目で勘違いする人も多いが。
地面に激突した腕に飛び乗り、駆け上がる。そして胸を縦に斬りつけ、魔法で影を操り足場を確保し、何度も剣を振るう。
岩の中でぼんやりと光る石、魔核を発見した。これを砕けばゴーレムは止まる。そしたら、お姉さまはきっと誉めてくれて、イイコトをしてくれるに違いない。ムフフ。
剣を突き刺そうとした時、殺気を感じ飛び降りた。ワタシがいた場所を火魔法が通りすぎていった。
魔法が飛んできた方を見ると、悪魔らしき男が杖を掲げていた。
着地すると、ゴーレムはワタシを無視して街に進行を再開した。どうやらワタシの相手はこの男らしい。
「貴様、魔族だな? どうしてあのような屑共の手助けをする。我々は支配するのだ。世界を、全てを。全ては邪神様のために」
「ワタシはあの者共の味方ではない。ワタシはお姉さまの意思に従い、全てを捧げる。貴様の首、お姉さまに誉めてもらうためにもらっていくぞ!」
「我らの神はただ一人。貴様の姉も、所詮は屑と同じよ!」
「黙れ殺す。お姉さまは世界で最高のお方なのだ! それに比べれば貴様らの神など、ゴブリンのう○こだな」
「「……」」
「どうやら殺し合うしかないようだな」
「初めからそう言っている」
ワタシはそう言って剣を構える。
奴の足下から魔法陣が広がり、フルプレートアーマーが三十体ほど出てきた。しかもリビングアーマーだ。
「全てミスリルの鎧だ。精々足掻いて死ぬがいい」
「ふん。精々楽しませてもらおうか!」
ワタシはリビングアーマーの集団に突っ込んだ。
NGシーン
ユー「貴様らの神はゴブリンのう、うん、う……は、恥ずかしくて言えないっ!」




