表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の軌跡  作者: 糸田シエン
プロローグ
2/81

プロローグ.2

 ウルカヌ霊峰と呼ばれる秘境に、その竜はいた。白銀の鱗に覆われた体に、全てを見通すような黄金の瞳は、神々しさすら感じさせる。

 その正面に、一人の女性が浮いていた。服装はいたってシンプルな黒のワンピース。同じく黒い髪は、雑に纏めてあるにも関わらず、その美しさは一切揺るがない。


「よぉ、まだ生きてたのかローザンハビラ」

「残念ながらな。で、なんの用だオリナー」

「いや何、面白い物を拾ってな」

 そう言って、オリナーと呼ばれた女性は空間を裂き、中に腕を突っ込んだ。


「えーっと待てよ、確かこの辺りに……あった」

 ドヤ顔で取り出したのは、一人の少女だった。見た目から、10には届かない年齢であることは間違いない。

「ただの人間の小娘じゃないか」

「まぁ、よく『その眼』で見てみなって」

 ローザンハビラは目を細める。

 彼の眼にはいくつかの魔眼が宿っている。その中の一つ、"真実の眼"を使う。この眼には、言葉の真偽を見抜くだけでなく、対象のステータスや潜在能力まで見ることが出来るのだ。

 そしてそれによって見えてきたステータスはこれだ。


◆◇◆◇


名前:ーーーー

性別:女

種族:人間

Lv:1


HP:19(SSS)

MP:8(SSS)

Str:4(SSS)

Vit:2(SSS)

Agi:3(SSS)

Int:50(SSS)

Min:13(SSS)

Luc:35


称号

【才能の塊】

【努力の天才】

【転生者】


スキル

・なし


◆◇◆◇


「ほぅ、確かに面白い。だがお前がこの娘を見せに来ただけではあるまい。オリナー、この娘を連れてきた理由はなんだ?」

「……、……お前の後継者にするためだよ、ローザンハビラ。お前ももう歳だ。そのくせ後継者の用意もしない。だから、ただのお節介だよ。少しは神としての自覚を持て」

「その言葉、そっくりそのまま返すぞ」

「うるさい」

「だが、ありがたい」

 急に感謝され、むず痒い気分になったオリナーだったが、少女を地面に寝かせると、やがて悲しそうな顔で口を開く。


「なぁ、ローザンハビラ。あとどれぐらい保ちそうだ?」

「ふむ……保ってあと7年といったところか。だが、この娘なら5年で我を越えるだろうな」

「……そうか……」


 オリナーは背を向ける。

「じゃあな、ローザンハビラ。今まで楽しかったぜ」

 空間が歪み、オリナーの姿が消える。その場所から、一粒の雫が落ちていった。

次の投稿時期は未定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ