序章
はじめまして。
和乃梓と申します!
よろしくお願いします!
どんな時代にも”都市伝説”というものはある。
そしてこの時代にもこんな都市伝説が語られています。
━━東京のある街中に、夜中大きなハサミを担いで徘徊してる
少女がいるという。
しかしその子は追いかけてもすぐ消えてしまうらしいのだ。
証拠に警察が馬鹿でかい凶器を持った幼い少女を見つけて声をかけると、いつの間にか少女が消えているという目にあっている。
しかし、その子は幼いと云っても、外見ほど年齢は幼くなくて、14歳だ。
でも、誰もわからないだろう。
年齢と比例しないその風貌と、様変わりなその馬鹿でかいハサミのせいで誰も、気味悪がって話しかけないのだから。
しかし、ある夜。
キラキラとネオンの光る
銀座の街路地でハサミ少女が座っていると酔った
男が、ハサミ少女に話しかけた。
『あれ?君何歳?どうしてここにいるの?』
しかし、ハサミ少女は男の声が全く
聞こえていないように黙っていた。
『ねーって・・・あれ?君って。』
男は、ハサミ少女の体で隠れていた
馬鹿でかいハサミに気がついて、ハサミ少女が今
話題の人(?)だということを理解してしまった。
『私の事知っているのか?』
ハサミ少女は、男に聞いた。
『あぁ。知ってるとも。隠れんぼをしようっていうんだろ?』
男は、恐る素振りも見せず、ハサミ少女を子馬鹿にしたような
口調で云った。
『わぁ!?』
すると、ハサミ少女が触れていないのにハサミが
勝手に、まるで意思を持っているように動き出した。
男は、驚きで酔いが覚めたように馬鹿でかいハサミを
前に目をぱちぱちしていた。
『私に安易に話しかけないほうがいい。』
ハサミ少女は、ハサミを宥めながら肩に担いだ。
そして、夜の闇の中に1分も経たないうちに見えなくなった。
またある夜。
原宿の、いわゆるファッションストリートと云われる、
若者のたくさん集まる場所の外れで
また命知らず若者が、ハサミ少女と知って
肝試し感覚で話しかけてきた。
『ねー!!お前、ハサミ少女とかいうやつだろ?』
ハサミ少女から返事が返ってくることはない。
『やっぱり?図星だろ?図星なんだろう?』
若者は、一番やってはいけないことをした。
それは、ハサミ少女を絶対からかってはいけない。
ハサミ少女は、からかい・馬鹿にされる・暴言を吐かれる。
これが、一番嫌いなのだ。
『ちょっ!?待って!!タンマタンマ!ゴメン!怒ったなら謝るからっっっ!』
若者の、喉にあの馬鹿でかいハサミがあと少しのところ
で止まっている。
仲間が、助けに入ろうとしたが、ハサミ少女の
足が、透けていることに気がついた一人が
これはやばいかも。とみんなに耳打ちした。
『皆!助けて!!』
若者は、涙を流して助けをこうっている。
仲間が、一生懸命足のことを教える。
しかし、ハサミ少女のほうが先にそれを読み取った。
そして、若者の喉にハサミをあてがいながらにっこり笑った。
『あら。スカート長いのによく気がついたわね。凄いわ。』
すると、ハサミ少女は何食わぬ顔で、若者の頭を
チョンっと小突いた。
『ぎゃぁぁぁぁ!やめてー!!!!』
すると、若者とその仲間達が悲鳴をあげはじめた。
そして、何度かハサミ少女の足を掴もうとして
ドサッと、崩れた。
そんな事を何回か繰り返したかと思うと
そのうち、動かなくなった。
そんな事を、何回か繰り返したハサミ少女だが、
一人も、人は殺さなかった。
だいたい、都市伝説といえば、
〈○○○と会うとこういってくるんだ。”私、綺麗?”って。
でもね、綺麗って云っても嘘だ!って云って物凄いスピードで追いかけてくるし、いいえ。って云っても追いかけてくるんだ。しかも
それに捕まると殺されちゃうんだって。〉
とか
〈ある○○高速道路を夜中○○時頃に通っていると○○が追いかけてきて、それに驚いているとカーブで曲がりきれなくてぶつかって死んじゃうんだって。〉
とか。
殺したり、結果的に殺してしまったりするのばかりなのに
ハサミ少女は、ハサミ少女となってからは人は殺していなかった。