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拓馬と勉強

木下拓馬のテスト勉強は、表向きは一夜漬けとなっているが、裏ではきちんとテスト勉強を積み重ねているという努力家である。

そんな拓馬は前回に引き続き、隆先生からの授業を受けることが出来ていなかった。

大きな原因としては、名波の存在が一番大きい。

別に邪魔とか思っているわけではないのだが、拓馬としては内緒で教えてもらいたいので、名波が一緒だと勉強しにくいのだ。小さなプライドである。

今回こそはと隆に教えてもらいたいのだが、名波も一緒だとやはり聞きづらい。

朝学校に登校しているときにも隆に心配された。


「拓馬。勉強大丈夫か?」

「あー・・・うん」

「大丈夫じゃねぇんだな。今日勉強教えるか?」

「いや、前もなんとかなったし今回もなんとかなるかも」

「学年末だから今までの総まとめだし、範囲広いぞ? それにもう1週間切ってるし・・・」

「名波だっにだって教えてるんだろ。隆だって勉強しないといけないし」


なかなか『うん』と言ってくれない拓馬に痺れを切らした隆がムッとして言う。


「何遠慮してんだよ」

「だって名波の前で勉強出来る気がしねーもん」

「ちっさいプライドなんて捨てちまえ」

「むー」

「名波みたいに唸るな。じゃあ今日の放課後お前ん家行くからな。待ってろよ」

「名波連れてくるなよ?」

「当たり前だ」


そう言って教室に着くと、それぞれの席へと荷物を置きに別れた。




そして放課後。

駅まで名波と拓馬と隆の三人で帰り、電車の中で名波と別れた。

一旦それぞれの家に帰ってから拓馬の家に集合と言うことで、拓馬と隆はそれぞれの家へと帰る。

20分後に拓馬の家に隆がやってきた。


「おじゃましまーす」

「いらっしゃいませー」


拓馬の部屋に直行すると、勉強机代わりのこたつの上に勉強道具を出して早速授業開始する。


「俊哉がいるから静かにな」

「勉強しにきてるんだからうるさくはならねぇよ」

「それもそうだな」


とりあえず拓馬の苦手な数学を中心に進めていく。

暗記系は努力あるのみなのであまり深くはやらずに、数学や化学を中心にやっていき、国語や英語などの文法系はわからないところだけ隆に聞くというやり方で進めている。

基本は黙々と例題を解いていったり、互いに問題を出し合って答え合ったりしている。互いに問題を出し合うというのはとても効率がいいことで、問題を考えることで理解力が高まり、問題に答えていくことで口頭ではあるが一問一答ができるのである。目で覚えて耳でも覚えるというやつである。

隆はそのことを知っているので、名波にもその方法で教えているし、希と望の勉強に付き合うときにもそのやり方で付き合うようにしている。

もちろんずっと勉強していても飽きるので休憩をはさむことも忘れない。

そしてその休憩中に拓馬が隆に質問した。


「最近どうよ」

「どうって?」

「名波とに決まってるじゃん」

「まぁぼちぼちかな」

「ぼちぼちって?」

「ぼちぼちだよ。特に進展はない」

「まだ何もしてないのか?」

「何もする気はねぇよ。友達の延長みたいなもんだしな」


そう言ってコップに入ったお茶に口を付ける隆。

そんな隆をまじまじと見て拓馬は言う。


「なんか隆って変わってるよなー」

「お前に言われたくないな」

「俺だったらあの黒タイツの足に触ってみたいと思うもん」

「それはお前の性癖の問題だろ」

「まぁ隆と名波の問題だからあんまり言わないけどさ」

「別に気にしてねぇよ。むしろ気にしすぎるな。名波だって拓馬と三人で遊んでるのも楽しいって言ってるしさ」

「じゃあテスト終わったらな」

「あー・・・テスト終わったらデートの約束してるんだよなー」

「デ、デートですか」


隆から放たれた違和感全開の言葉に驚く拓馬。まさか隆の口からそんな言葉が出てくるとは思いませんでした。

様相以上に驚いている拓馬少し照れて頭をポリポリとかきながら隆は答える。


「まぁな。名波と約束したし。せっかく付き合うことになったから、恋人っぽいことしてみようと思ってさ」

「手が早いんだか遅いんだか・・・」

「そーゆーのは気にしないことにしてるんだ。だから周りとは比べないの。周りは周り。俺達は俺達」

「ふーん。付き合い出すと変わるもんなのかねぇ?」

「少なくとも俺は変わったかな」

「へー。どんな風に?」


身を乗り出して聞く拓馬。


「どんな風って言われてもよくわからんけど、とりあえず名波のことは彼女として見るようになったかな」

「へー彼女かぁ。俺も出来るのかなぁ」

「委員長でもいいと思うぞ?」


ハァ、と短くため息をついて拓馬が言う。


「隆さぁ。やたらと市原と俺をくっつけたがってるけど、結局は委員長の困った顔を見てるのが楽しいだけなんだろ?」

「おっ? バレてたか」


ニシシと笑う隆。根っこは相変わらずでした。

拓馬は後ろにバタリと倒れて、仰向けに寝転がる。


「何年友達やってると思ってるんだ。市原はそーゆー目じゃ見れないからあんまり押し付けないでくれよ?」

「委員長はまんざらでもないけどな」

「もう勘弁してくれよ」

「まぁ気がむいたらな。さてと、そろそろ勉強再開するとしますか」

「はいはい。隆先生がそう言うならそうしますか」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


ど、どうしよう。コメディっぽくない・・・ww


次回もお楽しみに!

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