表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/187

クリスマスイブ

隆のプレゼント選びです

隆は明日のクリスマスで拓馬と名波と交換するプレゼントを選んでいた。

何かと面白いものが揃っているお店に来ている。本から酒からコスプレグッズまで取り揃えている謎のお店だ。

希に教えてもらって初めて来たので、隆もここに来るのは初めてだった。

とりあえず迷わずに来れたものの、こーゆー風に誰かのプレゼントを選ぶのは家族以外では初めてに近いので、どれがいいのか迷っている。

前に二人にさりげなく本を渡しているが、あれは馬鹿にするために買った本なのでノーカンである。

隆自身はプレゼントは『喜ぶか悲しむか微妙なラインの物』が最適だと考えている。

なので、この店を選んだのは隆にとってナイスなチョイスだった。

しかし種類が多過ぎた。

どう考えてもこの狭い店内に1000種類以上の大小のグッズ達が隆の頭と財布の中身を悩ませていた。

先程からあーでもないこーでもないと唸っている。


「いや、名波にこれはもったいないな。・・・おっ! なんだこれ・・・って高いし」


持ち上げたたぬきの置物の値段を見て、そっと丁寧に置き直す隆。

そんな困り果てている隆に救いの手・・・いや、悪魔の手?が差し伸べられた。


「ヒッヒッヒッ。お兄さんお困りかい?」


声をかけられた隆はそちらに顔を向ける。

そこには老魔女のような店の主と思しき女性が、腰を曲げて椅子に座って異様な雰囲気を醸し出していた。

正確には薄暗い店内なので、顔がハッキリと見えないので声で判断しているのだが、その声が異様な雰囲気を醸し出していた。

隆は女性に返事をして今の状況を説明する。


「ってわけでクリスマスプレゼントを選んでるんですけど、どれがいいのかわからなくて」

「じゃあお兄さんは彼氏と彼女のプレゼントを選んでるのかい?」

「あーまぁそんな感じですね」


微妙に違うが微妙にあってる気もしたのでとりあえず肯定しておいた。


「じゃあこれなんかどうだい?」


そう言って女性が指さしたのは、キツネのキーホルダーだった。ご丁寧に3色ある。


「いや、なんか微妙ですね」

「あら、そうかい?」


速攻で否定された女性は驚いた様子も見せずに次から次へとオススメしていく。

しかし隆の言う『喜ぶか悲しむか微妙なラインの物』には当てはまらなかった。


「じゃあこれは?」

「・・・なんだそれ?」

「おっ! やっと食いついたね!」


やっと隆のお気に召すものに行き当たり、少なからず驚いている女性は嬉しさを声に表していた。

女性的にはかなり適当に選んだものなのだが、それがヒットするとは思ってもいなかったので、嬉しい誤算というやつである。


「じゃあそれにします。あ、それとこれ」

「えっ? これで良いのかい?」

「はい。多分大喜び間違いなしです」

「最近の若者は考えることがわからないねぇ」

「いつの時代も変わりませんよ。とりあえず相手を喜ばせたもん勝ちです」

「言われてみればそうかもねぇ」

「あとこれもください」

「これ・・・いや、両親にプレゼントかな?」

「正解です」

「ならいいでしょう。バレないようにね」


隆はなんやかんやで多くなった会計を済ませた。


「ありがとうございましたー」

「こちらこそ。ってゆーかお姉さん。普通にお姉さんキャラのほうが繁盛しますよ」

「・・・バレバレだったのか」

「そーゆーの見破るの得意なんです。またなんかあったときは来ます」

「はいはい。お待ちしておりますよー」


老魔女のような雰囲気を醸し出していたお姉さんは、その綺麗な顔を上げると隆を店の中から見送った。







「はい。クリスマスプレゼント」

「あら、隆からプレゼントくれるなんて珍しいわね」

「ってこれお酒じゃないか。しかもこれ高いんじゃないか?」

「え? 2000円ぐらいだったはずだけど・・・」


家に帰ると、すでに帰宅していた両親にプレゼントを渡した。

包装を開けた父親に言われた隆は、緑のビンに貼られている紫のラベルを横から見るが全然わからない。

『TAITTINGER NOCTURNE』と書かれているが、シャンパンの価値など高校生である隆にわかるはずがない。それ以前に、読めなかった。

ちなみに相場では8000円ぐらいするシャンパンとなっております。


「まぁいいや。とりあえずこれでも飲んで雰囲気楽しんでよ」

「おう。ありがたくもらっておくよ」

「ありがとね、隆」


そう言われて機嫌を良くした隆は部屋に戻ろうと廊下へ続く扉を開けようとした。

その時父親に呼び止められた。


「隆」

「何?」

「隆はクリスマス何もしないのか?」

「いや、拓馬と名波と遊ぶ予定だけど」

「そうか。じゃあ別にいいか」

「えっ? そんだけ?」

「いや、どっかに行くならいいんだけど、明日家に誰もいないから」

「誰も居ないの?」

「希と望も出かけるんだって。あんまり遅くならないようにとは言ってるけど」

「そうなんだ・・・まぁもし家使うことになったら借りるよ」


そう言ってリビングを出ていき、双子に買ったプレゼントのシャンメリーを渡しに行くために、階段を上がる隆であった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると興奮してニヤニヤが止まりません。


いよいよ次で折り返し地点である50話となります。

早いものですねー。

内容はクリスマスパーチーです。


では次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ