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ほんの挨拶代わりだ

大学受験も終了し、あとは合格発表を待つだけとなった拓馬と隆は、卒業式の練習があるからということで、制服を着ていつものように学校に来ていた。

しかし登校時間はいつもと違い、8時半までの登校ではなく、9時半までに登校すればいいというものだった。

そのことをすっかり忘れていた二人は、いつものように登校してしまったのですが、二人のようにいつも通りの時間に登校している生徒も少なからずいました。

そして拓馬は、一花の席に座り、隆と並んで雑談をしていました。


「いよーっす! これはこれは相沢君に木下君ではないですか!」

「おう。久しぶりだな」

「やっほー」


隆のクラスメイトの来兎がやってきました。


「もしかして相沢達も卒業が名残惜しくて早く来ちゃった系男子?」

「そんな馬鹿な」

「俺たちはただ単に間違っていつも通りに来ちゃっただけだよ」

「なーんだ。ま、そりゃそうだわな。黒木さんと市原がいるんだから名残惜しいとかないもんな。もしも名残惜しいとか言うなら、それは男子生徒全員を敵に回してるようなもんだからな」

「じゃあ椿は名残惜しくて早く来ちゃった系なのか?」

「その通り! 女子と会話するためにちょっとでも早く来て・・・」


そこまで言って、急に周りをキョロキョロとしだす来兎。

何事かと思って拓馬と隆も周りを見渡したが、教室内には本を読んでいる生徒が一人いるだけだった。


「どうかしたのか?」

「こんなセリフを竹中さんに聞かれたら困るだろがっ!」


二人に顔を近づけて小声で叫ぶ来兎。


「お前、まだ諦めてないのかよ」

「もちろんだっ!」

「告白とかすんの?」

「それは・・・しないっ!」

「「なんでだよっ!」」


思わずツッコミを入れてしまった拓馬と隆。

ツッコミだけでは物足りなかったのか、ここぞとばかりに隆が来兎に暴言を浴びせかける。暴言ラッシュです。


「このチキン野郎!うじ虫!ヘタレ!ドM!変態!」

「ちょ、待って」

「どうせ竹中に踏まれたいとか思ってんだろ?」

「そんなこと思ってないから!」

「私がどうかした?」


ふと来兎の背後から声がして、3人でそちらを見ると、そこには噂の有紀が立っていました。


「竹中さん!?」

「なんで竹中がここにいるんだよ」

「教室に行こうかと思って歩いてたら、ちょうど私の名前が聞こえてきたら気になるもんでしょ?」

「まだ名波は来てないぞ」

「知ってるわ」

「そういや、あのファンクラブはどうするんだ?」

「なっ、なんで相沢君がそのこと知ってるのよ!?」


ひどく驚いたらしく、血相を変えて隆に詰め寄る有紀。


「なんでって言われても、去年の生徒会長から聞いたんだよ」

「どうして先輩はなんでも教えちゃうかなぁ・・・」

「後輩を大事にするのが先輩の勤めだって言ってたぞ。メールだけど」


その言葉を聞いて力が抜けたのか、近づきすぎていたので隆から少し距離をとる有紀。

そしてため息をついてから話し始めた。


「今度こそ解散したわ。だって名波ちゃんがいないんじゃ続ける意味ないもの」

「そりゃそうだわな」

「はぁ、私は名波ちゃんと同じ高校で過ごせただけで満足よ。もう思い残すことはないわ」

「そうか・・・じゃあ俺からプレゼントでもやろうか?」

「相沢君から? いらないわよ。どうせろくでもないものなんでしょ?」

「でももう本人は渡す気満々みたいだから受け取ってやってくれ」

「えっ?」

「クワガタスペシャルッ!」

「ひゃっ!!」


突然、背後から技名が聞こえ、有紀の両脇腹に何者かの手が食い込んだ。

急に脇腹を掴まれた有紀は飛び上がって、前方に派手に転んだ。

その瞬間にスカートの中身が見えたらしく、来兎がとても幸せそうな顔をしていた。

有紀が攻撃してきた相手を確認しようとして、自分が立っていた場所を見ると、そこには困った様子の名波が立っていた。


「えっ!? 名波ちゃん!? なんで!?」


とても困惑している有紀。


「あれ? 広瀬さんが『これは挨拶だから誰にやっても喜ばれるよ』って言うからやったんだけど・・・有紀ちゃん、大丈夫?」


そう言って手を差しのべる名波。

その様子を見ている隆と拓馬は終始笑いを堪えており、居室の入口で名波に指示を出していた圭子はその場で笑い転げていた。

どういう状況なのか全く理解できていない有紀は、その差し出された手を掴む場面なのか、それとも怒る場面なのかわからずに目をぐるぐるとさせていた。


「有紀ちゃん?」


そんな有紀を心配したのか、名波の手が有紀の顔に触れた。

その瞬間、有紀の思考回路は爆発してしまい、頭から湯気を出して仰向けに倒れてしまった。

その瞬間、拓馬と隆が堪えきれなくなって大笑いを始めた。

その瞬間、圭子は腹を抱えて苦しそうに悶えていた。

その瞬間、来兎はさっき見たスカートの中を思い出してまたニヤけた。

その瞬間、名波だけは倒れてしまった有紀の心配をしていましたとさ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とかあれば書いていただけると嬉しいです。


久々にクワガタスペシャルが繰り出されました。

みんなも学校や職場でやってみよう!


次回もお楽しみに!

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