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しょんぼり名波

9月。

夏も終わりに近づいてきて、暑さの全盛期に比べるとだいぶ過ごしやすくなってきた。

そんな涼しい季節、受験生である拓馬と隆は勉強漬けの毎日を送っていた。

学校で勉強、帰ってきて勉強、寝て起きて、学校で勉強という勉強サイクルをこなしていた。

もともと国立大学である北海道大学の法学部を狙っていた隆は、普段の授業ではペースが遅すぎるので、放課後に行われていた特別講習を受けながらの受験勉強となっていた。

そして拓馬は、結局自分がやりたいことが見つからずに、とりあえず大学に行くという選択を取り、自分のレベルよりもちょっと上の大学を目指していた。毎日がテスト勉強のような勢いで、隆と一花から勉強を教わりながらの受験勉強となっていた。大学は、もしかしたら料理の道に進むかもしれないということもあり、将来自分の店をもったときに経営できるようにと、隆が適当に言ったことを拓馬がまに受けてしまったということもあり、札幌大学の経営学部へと進路を決めました。

ちなみに、名波は北海道教育大学札幌校の教育学部へと、一花は拓馬と同じ経営学部だが、北海学園大学の経営学部へと決めています。

そんな受験勉強ばかりの学校の帰り道、拓馬と名波と一花が仲良く歩いていました。

隆は放課後講習で居残りです。


「隆もよくやるよなー」

「仕方ないわよ。毎日勉強しても受かるかどうかわからないんだから」

「偏差値60だっけ?」

「65ぐらいよ」

「うわー。俺、定期テストでもそこまでいったことねーわ」

「私は調子が良くてそのぐらいね」

「隆って前のテストはどのぐらいだったんだっけ?」

「さぁ?」

「名波は知ってるか?」


拓馬が名波に問いかけたが、うつむき加減で歩いたまま返事はなかった。

拓馬は一花と目を合わせると、肩をすくめた。


「名波?」


拓馬が名波の肩を叩いて呼びかけた。

はっとして拓馬のほうを向いた名波が二人の心配そうな顔を見て、申し訳なさそうにまたうつむいた。


「どうかしたのか?」

「我慢は良くないわよ」

「うーん・・・」


言おうか言わまいか考えていたようだったが、名波の重い口がゆっくりと開いた。


「あのね、最近隆に会ってないんだ」

「あー・・・」

「隆は毎日のように講習だし、土日は勉強ばっかりしてるみたいだし、隆が講習無い日に限って私が講習だったりで・・・」


はぁ、とため息をつく名波。

そんな名波を見て、かわいそうにと思った一花が励ました。


「大丈夫よ。相沢君の黒木さんへの気持ちはそう簡単に変わらないわよ」

「おぉ。一花が励ました」

「それはわかってるんだけど、でもこう何日もまともに会話してないと、ちょっとつらいかなぁ・・・」

「なら黒木さんのほうから会いにくればいいじゃない」

「そうなんだけど、勉強の邪魔したくないし」


また小さくため息をつく名波。

休み時間も勉強をしている隆だが、今が一番大事な時期だと本人も自覚しているため、必死に勉強をしていた。正直、隆ぐらいのレベルの学力ならほぼ9割の確立で合格できるのだが、隆は、それを100%にするまでは気を抜かないと宣言していた。

そんな勉強の邪魔を誰ができるでしょうか。


「たしかに相沢君はちょっと勉強しすぎね」

「よしっ! これからうちで作戦会議をしよう!」

「え?」

「そうね。こんな黒木さんを放っておけないわ」

「そうと決まれば俺んちへゴー!」


というわけで、ここまで落ち込んでしまっている名波をなんとかしようと、拓馬の家で勉強を教えるはずだった一花を含めた3人で作戦会議をすることになった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とかあれば書いていただけると大変嬉しく思います。


今回、とても短いです。ごめんなさい。

しかし今後のストーリーにとって大事なポイントなので、ここで区切っております。

さてはて隆と名波はどうなってしまうのやら。


次回もお楽しみに!

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