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うみんちゅ

テストも終わり、待ちに待った夏休みです。

毎日のように暑い暑いと言っていた隆のために、拓馬達4人は海へとやってきました。


「おぉ!」

「海なんて久しぶりに来たなぁ」

「俺もー。それでもやっぱり人は多いな」

「あぁ。ってゆーか早く入りたい」


黒いトランクスの水着を履いた隆と、濃い青の水着を履いた拓馬。

隆は草食系代表ということもあって、痩せていて無駄な肉が付いていません。

それに比べて拓馬は、やせマッチョ代表として、筋肉質であるがそれなりに細く見えるという、ちょっとしたアスリートのような体型でした。

そんなインテリ系と体育会系の二人の元に、名波と一花が水着に着替えてやってきました。


「「おぉ・・・」」


二人の姿に思わず息を漏らす拓馬と隆。

名波はオレンジのフリルのついたトップと、同じくオレンジのフリルがついたボトムの可愛らしいセパレート型の水着。

一花は、シンプルイズベストと言う名の通り、上下黒のシンプルなビキニ。

そして二人の反応を見た名波が少し照れくさそうに聞く。


「ど、どうかな?」

「すげー可愛いぞ!」

「結構似合ってるな」


親指を立てながら答える拓馬と、照れくさくなって視線を外して答える隆。

エヘヘと名波が笑うと、『次はこっちの番ね』と言わんばかりに、一花が目線だけで聞いてきた。


「なんてゆーか・・・なぁ?」

「そうだな。若干エロいな」

「なんか私の時と反応違くない?」

「ウフフ。黒木さんは可愛いからいいのよ。タイプが違うんだから」

「そうだぞ。拓馬は綺麗なお姉さん系が好きなんだから委員長みたいのはどストライクなんだよ」

「そんなことないぞ!」

「あら、そんなことないの?」

「そ、そんなことあります・・・」


持っていたビーチボールをそのまま拓馬に投げつけた一花。そんなに強く投げた訳ではないので、拓馬はあっさりとキャッチする。


「ビーチボールって・・・お前ら準備万端だな」

「海といえばビーチボールでしょ」

「いや、あんまり海とかこねーからわからん」

「まぁ私もだけどさ。でもビーチボール持ってきたのは委員長だよ」

「べ、別に相沢君達のために持ってきたんじゃないんだからね!」

「知ってるよ。どーせ拓馬のためだろ」

「残念だけど、今回は私のために持ってきたのよ」

「へぇ。一花にしては珍しいな」


拓馬から投げ返されたビーチボールを受け取った一花は、それを大事そうに抱えた。


「ほら、私って友里恵ぐらいしか友達いないから、あんまり海とか来たことないのよ。今日はちょっと楽しみたいなぁとか思ったのよ」


少し恥ずかしそうに言う一花。

しかし返ってきたのは、一花を思いやる言葉ではなかった。


「そんなの俺たちだって一緒だ」

「そうそう。高校生にもなって海に来るなんて思ってもみなかったわ」

「私なんて中学生の時に家族でいったのが最後だったから超楽しむし!」

「お前海のルールとかあるの忘れてないか?」

「えっ! そんなのあったっけ!?」

「危なかったな。去年から法律が新しくなったから、このルールを守らないと捕まるところだったな」

「うわぁ、海怖いねー。で、どんな法律?」

「一度に海に入れるのは、合計で1万人までってゆー法律。なんでも水面が高くなって危険なんだとか」

「なにさー。また私のことバカにしてるんでしょ。そんな法律あるわけないじゃん!」


一花のことをほったらかしにして、波打ち際まで歩きながら隆が名波に嘘の法律を教えていた。

そんな二人を見て、小さく笑って会話に参戦した。


「本当よ。さっき海の家のところに書いてある人数表のところに『只今、5045人』って書いてたわよ」

「えっ! 委員長まで!?」

「ほら、委員長もこう言ってるぞ? どうする?」

「どうするもこうするもないよ! 嘘に決まってるもん!」

「ですって。相沢君」

「はぁ。最近の名波はなかなか嘘に騙されてくれねぇからつまんねぇんだよな」

「つまらないって何さ」

「あらあら」

「けんかりょーせいばーい!」


そう言って3人の後ろから拓馬が走ってきて、隆に向かってドロップキックをかませて、海へとダイブさせた。


「ハハハハ。ケンカ、ダメね!」

「ブハッ! 何で外人風なんだよ! 痛いわ鼻に水入るわ大変だよ!」

「まぁまぁ。今日は楽しむために来んだ。名波をいじめるのはそのへんにしてやれよ」

「拓馬、カッコイイー!」

「だろっ!」


キラリと光る白い歯を見せて最高の決め顔を見せる拓馬。

その顔にやられた一花は、名波をお姫様抱っこした。


「あら。やっぱり軽いわね。私でも持てちゃうわ」

「えっ、ちょっ、委員長っ? 何してんの?」

「彼氏の相沢君が待ってるわよ」

「いやいやいやいや! 自分で歩けるし! やめて! やめてー!」


腕の中で叫ぶ名波を前後に揺らして、勢いをつける。

そして名波の悲鳴が絶頂になったときに、勢い良く海へと放り投げた。


「ギャァー!」


叫び声とともに海に叩きつけられた名波は顔を手で拭って、一花に抗議を開始した。


「委員長! なんでこんなことするのさ! 痛いし!」

「だってマンガでやってたのよ」

「マンガと現実を一緒にしてはいけません!」

「楽しかったでしょ?」

「じゃあ一花も海に飛び込もうなー」


そう言って一花のからだをお姫様抱っこした拓馬は、一花がやったように一花を放り投げた。

しかし一花がしっかりと首に手を回していたため、拓馬も顔から海に突っ込んでしまった。


「ぐぇぇえええ! 鼻に水入った!」

「委員長! よくやった! これで俺と同じ気持ちが味わえただろ!」

「隙ありっ!」

「ボバッ!」


一花に称賛を送っていた隆の顔面に、名波がビーチボールをぶつけた。手首のスナップが良く効いた素晴らしいアタックでした。さすが手首のスナップに定評のある名波ですね。

そのあとも、海の中でのちいさな争いが続いたり、拓馬・一花ペアVS隆・名波ペアに分かれてのビーチボール対決をしたりと、久しぶりの海水浴を思いっきり楽しんだ4人であった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


みんな大好き水着回ですよ!

やったね!


次回もお楽しみに!

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