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れっつぱーてぃ

隆のお祝いをしたいという拓馬と名波。

そんな3人が向かったのは、隆の家だった。

途中、スーパーで食べ物やらなんやらを買い、相沢家へと向かった。


「・・・・・・」

「いやぁ、思ったよりも買っちゃったなー」

「えぇ! 普通このぐらいは買うもんじゃないの?」

「いや、さすがの俺でもここまで買ったことはないかな」

「でもたくさんあったほうが選べるし」

「残ったら残ったで持って帰ればいいか」

「それもそうだねー」

「・・・・・・」


隆の家に向かっているはずなのだが、拓馬と名波が先頭を歩いている。

どうやら隆の家でパーティを執り行うようです。

二人が持っている袋の中身を見るところ、お菓子パーティなのは誰が見てもわかります。

何もプレゼントを用意していなかった二人は、せめて気持ちだけでもということでこのような奇行に走ったのでしょう。

隆は思っていた。

『今から食べたら夜ごはんがたべられなくなる』と。

もちろん隆は自分や拓馬や名波の心配をしているわけではなく・・・


「ただいまー!」

「おかえりー! ってなんで拓馬!? それに名波さんまで!」

「おじゃましますー」

「いらっしゃいませ」


もちろん相沢家の双子の心配をしているのです。良い兄ですね。




家に到着するなり、隆の部屋に移動した3人は、さっそく買ってきたお菓子をテーブルの上にぶちまけた。ぶちまけすぎて下に落ちたお菓子は隆が拾って、テーブルの上へと戻しています。

そしてすぐに部屋のドアが開いて、人数分のコップを持った希とカツゲンを抱えた望が部屋に乱入してきた。

その二人を見て、隆は小さくため息をついた。


「私たちも仲間に入れてー!」

「もちろんさー!」

「希ちゃんも望くんも一緒に祝おー!」

「やったー!」


そう言ってテーブルを囲むように5人が座った。

隆から時計回りに、隆、名波、希、望、拓馬と座っています。

座るなり、希からコップを受け取った望が持ってきたカツゲンをコップに注ぐ。自分の分だけ。

それを見た名波が声をあげた。


「あっ!」

「ん? なした?」

「えへへー。今回は私もさすがにわかった」

「「おぉ~」」


名波の発言に感嘆の声をあげる双子。

その意味をまるで分かっていない拓馬が頭にハテナを浮かべて首を傾げる。


「んん? なんの話?」

「だから拓馬はバカなんだよ」

「なんだとー! あっ!!」


そんなことを望に言われて、拓馬はようやく理解した。

そうです。カツゲンが好きなのは希のほうですね。つまり、


「「入れ替わってましたー!」」


ということです。

あっさりとネタばらしをした双子は特に服を入れ替えるでもなく、そのままパーティに参加した。


「今回は簡単だと思ったんだけどなー」

「あれだけヒントあげたのに、全然気づかない拓馬ってどうなの?」

「うるさい。普段からお前らのことなんて気にして見てないから気づかないんだよ」

「私はすぐわかったもんねー」

「さすが名波さん」


望に褒められて頭をかく名波。

そんな4人のやりとりを見ながら、二つ目のうまい棒の袋を開けてもそもそと食べる隆。


「あー! 乾杯するって言ったじゃん!」

「なかなか進めないから悪いんだろ」

「言ってくれればいいじゃんよ」

「まぁうまい棒の1本や2本いいじゃねぇか」

「まったく・・・では皆様、うまい棒を取ってください」


各々(おのおの)がテーブルからうまい棒を取って袋を開ける。隆だけは、食べかけのうまい棒です。

良く意味がわからないようで、とりあえず右に習えで袋を開ける名波。


「それでは! 相沢隆君の誕生日を祝って、カンパーイ!」

「「カンパーイ!」」

「えっ! か、かんぱーい」


みんなでうまい棒をぶつけ合って乾杯をする。

名波だけ意表をつかれて出遅れてしまったが、なんとか間に合ってぶつけることができた。


「あーっ! 拓馬! なんでそんなに力入れるのさ!」

「希よ。乾杯は戦争だと言わなかったか?」

「そんなこと誰も言ってねぇよ」

「くっそー。今度は負けないからな!」


乾杯の際に、勢い良くぶつけてきた拓馬のうまい棒によって、希のうまい棒が折れてしまったのです。

未だに頭にハテナを浮かべている名波に、隆が説明をした。


「あのな。俺と拓馬が誕生日を祝うときの乾杯といえば、うまい棒で乾杯が決まりなんだよ」

「そうそう。ローカルルールってやつ」

「ローカルどころか局地的すぎるけどな」

「あ、そうなんだ。てっきりカツゲンで乾杯でもするのかと思ってた」

「希がカツゲンを分けるわけないだろ」

「そうだよ名波さん。私のからだにはカツゲンが流れているのさ」

「いや、お前のからだに流れてるのは赤血球と白血球とヘモグロビンだから」

「さすがタカ兄。大阪行った上に年取ったから、さらにツッコミ上手くなったんじゃない?」

「やったな隆! 望のお墨付きだぞ!」

「全然嬉しくねぇし」


わいわいと騒ぎながらお菓子を食べながら隆の誕生日を祝う5人であった。





「希。ご飯食べ終わるまで、今日は寝れないと思いなさい」

「うぅ・・・助けて望くーん」

「・・・僕ももう食べれない」


希と望がご飯を食べきれずにうんうんと唸りながらの食卓となったのは、また別のお話であった。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とかあれば書いていただけると幸いです。


そろそろ作中でも受験勉強が始まっていきます。

隆の推薦が一番早いのかな?って感じです。

急に時間のスピードが早まってもいいように心の準備だけはしておいてください。


では次回もお楽しみに!

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