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遠慮と無計画

翌朝。

誰も寝坊することなく、予定通り11時に旅館を出発することになった。

今日は大阪城などの観光名所を見に行く予定です。

ちなみに、USJなどの超有名施設はGWだと人が多すぎて楽しめないであろうという理由から、今回はいかないことになっております。


「まずは・・・大阪城のほうでいいのか?」

「本当にいいの?」


少し不安げに一花が問いかけた。

何を隠そう、この大阪城に行きたいと言い出したのは、一花なのである。

大阪の梅田にあるとてもたかーいビルの上にある空中展望台や、少し足を伸ばした先にある京都や奈良、神戸、それこそUSJなどの有名な観光名所ではなく、大阪城で良かったのかと一花は思ってしまうのです。


「だって委員長が行きたいんでしょ?」

「委員長が行きたいって思うんだからそれでいいじゃないか」

「黒木さん。相沢君・・・」

「一花。そんなに俺たちに遠慮することないからな。意見があればじゃんじゃん言ってくれて構わん。それが友達ってもんだ」


拓馬、隆、名波の3人は、一花に向かって微笑んだ。

その顔を見てホッとしたのか、一花がクスッと笑って口を開く。


「ありがとう。あたなたちが友達で良かったわ」

「えへへ」

「じゃあ早速一つ言わせてもらうけど、相沢君。寝癖直ってないわよ」

「なにっ!」

「だから直ってないって言ったじゃーん」


一花の言葉に、驚いて髪の毛をイジる隆。

寝癖がなかなか直らなくて、ワックスでごまかしてきたのだが、一花にはバレバレだったようです。

そして一行は大阪城へと向かった。




電車を降りて、大阪城へと続く道を歩いていく4人。

途中、大阪城ホールがあったり、屋台でベビーカステラを買ったりして、ちょっとしたハイキングを楽しんでいた。


「それにしても大阪城って広いなー」

「ここはまだ大阪城公園よ。城内には入ってもいないわよ。あの橋を渡り終わったら城内ね」

「やっと城内に入れるのか。何考えてこんなに広くしてるんだか」

「広くないとすぐに敵が来ちゃうじゃないの。それに城下町とかもあるんだからまだ狭いほうじゃないかしら」

「へぇ。一花、詳しいな」

「前からここのお城には興味があったのよ」

「へぇ。じゃあ誰が住んでたんだ?」

「みんな大好き豊臣秀吉が作って、一回壊れてしまったのを、徳川政権が作り直したと言われているわ」

「へぇ」


聞かれるとすぐに答えてくれる一花は、『市原ペディア』と化していた。


「まぁそんな感じで、お城が建てられた訳なんだけど・・・ってそろそろ頂上ね」

「え? まだ上あるんじゃないの?」

「あの中に入るのにはまたお金がかかるのよ。私は天守閣内にはあまり興味が無いから、ここまでで十分だわ」


そう言って近くの4人がけのベンチに腰をかけて、うっとりした目で城を見る一花。

3人も同じベンチに腰をかけて一息ついた。


「委員長、楽しそうだね」

「だな。放っておいたらずっといそうな感じだもんな」

「なんか城とか寺とかそーゆー古い日本の建物が好きらしいぞ」

「はぁ。意外な趣味をお持ちだな」

「まぁそれを含めて一花だからな。なんかそのへん見てこいよ。しばらくはここから離れないだろうし」


一花の意外な趣味を知った隆と名波は、近くにある売店でお土産を見たりしてから、焼きそばとホットドックとたこ焼きを買ってから拓馬達の元へと戻ってきた。


「はいよ。昼飯がわりだ」

「おっ。サンキュー」

「はい。委員長」

「ありがたくいただくわ」


4人でホットドックを食べながら大阪城を見ていた。


「このあとどうするか」

「何も決めてないの?」

「まぁな。俺たちって予定決めてから出かけるタイプじゃないし」

「だよねー。どうせ予定通りに行かないだろうから立てるだけ無駄ーみたいなところあるしね」

「で、どうするか」


うーんと言いながらホットドックを食べている3人を見ていた一花が口を開く。


「じゃあ天王寺に動物園があるんだけど、そこ行ってみない?」

「なんでそんなこと知ってるんだ?」

「旅館にあったパンフレットみたいなやつに書いてたのよ」

「ほうほう。さすが委員長だな。情報量が半端無いな」

「何言ってるのよ。私はもともと予定を立ててから行動する派なのよ」

「にしては、今回の旅行は俺たちに任せっきりな感じでしたが?」

「それは、あれよ。今回の旅行って、黒木さんのお父さんが旅費を持ってくれるって言うから、私はそれにくっついていく形になるわけなじゃない? だから私があーだこーだ口出すのは変かなーって思ってたのよ」


少し顔を赤くしながらホットドックを食べ終わり、たこ焼きへと手を伸ばす一花。

そんな一花を見ながら、隆が拓馬に声をかける。


「お前の彼女スゲー大人だな」

「だろ? イイ女捕まえちゃったぜ」


そして2人揃って名波のほうを見ると、美味しそうに焼きそばを食べているところだった名波と目が合う。


「ん?」

「いや、なんでもない」

「お前はお前で可愛いよ」

「んんん?」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると発狂します。


ホント無計画な三人で困りますね。


次回もお楽しみに!

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