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寝起きビックリ

「ハッ! 私寝てたっ!」

「おはよう。よく寝てたな」


眠っていた美少女のお目覚めです。


「なんかちょっと前までの記憶がないんだけど・・・誰か私にお酒盛った?」

「盛ってねぇよ」

「あれ? 拓馬と委員長は?」

「今、お菓子の買出しに行ってもらってる。予想外に食べるもんだから、話のつまみをな」

「隆達そんなに食べたの? お弁当もあったのに?」

「お前が食べたんだよ。一人で1品ずつ順番に綺麗に平らげていくんだ。あれは凄かった」

「・・・え? 私が食べたの? 記憶無いよ?」

「記憶は無くても証拠写真はバッチリあるぞ」


そう言ってケータイを開いていくつか画像を見せる隆。名波が見せられた画像には、身に覚えのないコトばかりが写っていました。お菓子の袋を開けてバリバリと食べている名波の姿。だらしなく寝転んでいる名波の姿。目を半分以上閉じて口一杯に食べ物を頬張っている名波の姿。


「これって、本当に私?」

「何が悲しくて他の奴の写真を撮るんだよ」

「えー・・・でも覚えてないよ? ってゆーか、心無しかお腹が膨れてるような・・・」

「お前なぁ・・・。弁当食べ終わったあとにファンタ飲んだろ。あれで酔ったみたいで、絡むわ食べるわ寝るわで大変だったんだぞ。しかも委員長もほろ酔いになってるし。炭酸で酔うやつって本当にいるんだな。ビックリしたわ」

「私も十分びっくりしてるんだけどなぁ」

「おっ! 眠り姫のお目覚めか」


そうこうしているうちに拓馬と一花が戻ってきました。

手にはお菓子が大量に入っていると思われるビニール袋を持っていました。


「さっき起きた。状況を説明してたんだけど、やっぱり覚えてないってさ」

「やっぱりかー」

「あら。あの時の黒木さんはとても可愛かったわよ」

「えー・・・もしかして委員長にも私なんかしちゃったの?」

「私は何もされてないわ。ただ相沢君が色々してたわ」


ハッとして隆のほうを見る名波。そしてその視線から逃げるように顔を逸らす隆。


「隆ー。私に何したのかなー?」

「いや、何もしてねぇって」

「ほら名波。証拠写真」


そう言って拓馬がケータイを開いて名波に、隆がキスした瞬間の画像を見せる。

すると名波の顔がみるみるうちに赤くなり、隆のことをポコスカと叩き始めた。


「ちょっと何してるのさ!」

「いてっ! いいじゃねぇか! 別に減るもんじゃないだろ! したかったんだからしたんだよっ!」


あっさりと隆に両手を掴まれた名波は隆と目が合ってしまい、急に挙動不審になる。


「し、したいからするって言われても困るし」

「別にからだに触ったわけじゃないんだからいいじゃん」

「触ってたら触ってたで問題よ」

「まぁ・・・あんな無防備な体勢で寝る名波が悪い」

「うっ・・・」


隆がまたケータイを開いて、名波が寝ていたときの画像を見せると、名波が言葉を失って大人しくなった。


「まぁまぁ。痴話喧嘩はそこまでにして。二次会ってことで楽しもう!」

「二次会ってことは、私の一次会はどこに行ったの?」

「あー・・・今から来たってことで」


少し不服な名波ではあったが、自分が寝ていたせいでこうなってしまったので、あまり文句は言えずに大人しく二次会に参加することにした。


「なんだよ。不服なのか?」

「うーん・・・ちょっとね」

「じゃあ私と木下君のラブラブな姿でも見て元気だして?」

「ラブラブって・・・ハハハ。なんか委員長って楽しそうだね」

「楽しいわよ。黒木さんは楽しくないの?」

「楽しくないわけじゃないけど、なんか乗り遅れた感があって・・・」

「それはいけないわね。じゃあ私が黒木さんの横に行くわ。相沢君、代わってちょうだい」


そう言って立ち上がった一花は、隆と強引に場所を代わって名波の横に座った。

そして名波を見て呟いた。


「あれね。黒木さんって近くで見ると、悔しいけどやっぱり可愛いわね」

「えぇー。委員長だって可愛いと思うよ?」

「私は可愛くないわよ。だって女の私から見てもキスしたくなる顔なんだもの。相沢君がキスしたっておかしくないわ」


話しながらも一花の顔が近づいてくるので、それを片手で押さえながら名波が言い返す。


「いやいや。ってゆーか委員長ってそんな冗談言うタイプだったっけ?」

「あら、私は結構本気よ。嘘だと思うならキスしてみる?」

「ちょっと待ったぁ!」


一花と名波の会話に、昔の恋愛番組さながらに声をあげて割り込んできた隆。

隆は、一花が少しほろ酔いなのを知っているのですが、さすがに今の状況に耐え切れなくて声をあげてしまったのです。


「何?」

「いや、その、何ってゆーか、それ以上は俺が許さん」

「何言ってるの? これは友達同士のスキンシップよ。別に問題はないでしょ? マンガとかでもよくあるじゃないの」

「マンガと比べるな」

「そうだぞー、一花。そろそろ戻ってきなさい」

「わかったわ。木下君がそういうなら戻るわね」


拓馬に呼ばれた一花はそそくさと元の位置に戻って、拓馬の腕にしがみつくだけのお仕事に戻った。

そして一花と入れ替わった隆は、名波の横に座ってお菓子の袋を一つ手にとった。


「い、委員長って何考えてるの? ちょっとキスされちゃうかと思った」

「違うんだよ。あいつ、今ちょっと酔ってるんだよ。だから拓馬以外の言うことは聞かないめんどくさい奴だから気をつけろよ」

「うん。あ、私にもお菓子ちょうだい」


袋を開けて名波に差し出す隆。

内心、少し焦っていましたが、名波の隣に来ることによって少し落ち着いたので、平常心に戻れていました。名波がいることの安心感は半端ないですね。


そして日が暮れる直前まで、お菓子をつまみにして喋り通して、前回グダグダになった花見を楽しんだ4人であった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると発狂します。


完全にラブコメですね。


次回もお楽しみに!

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