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リベンジお花見

「一花って呼んでって言ったじゃないの」

「一花」

「うふふ。木下君」

「・・・なんで俺は苗字で君付けなんだ?」

「このほうがそそるでしょ?」

「そそらねぇよ」

「うふふふ」


ただいまお花見真っ最中です。

メンバーは拓馬、隆、名波、一花の4人です。まぁいつものメンバーですね。

桜の下ということもあって、一花のテンションが少し高くなってます。

さっきから拓馬の腕にしがみついたままうっとりと微笑んでいます。

もしかしたら拓馬と付き合い始めての、初のデート(隆と名波もいますが)ということもあってハイテンションなのかもしれません。そこは一花のみぞ知る。


「お前ら幸せそうだな」


目の前のカップルを見ながら、拓馬の作った弁当をつまむ隆。


「じゃあ隆は幸せじゃないって言うのぉ!?」

「いや、そこまで言ってないだろ」


隆に食ってかかる名波でしたが、完全に酔っぱらいの目になっております。

まだ未成年なので、おいそれと外でアルコールを飲むようなことはしていないはずなのですが、少し前にファンタオレンジを飲んだ辺りから名波は少しおかしくなってきてはいました。

きっと周りで呑んだくれている大人達や雰囲気にやられたのでしょう。しかしそこは名波のみぞ知る。


「隆は名波と居れて幸せじゃないのかよ!」

「拓馬までやめろよ。人に箸を向けるな」

「なによ。木下君は私と居れても幸せじゃないって言うの?」

「何を言ってるんですか? 幸せに決まってるじゃないですか」

「そうよねぇ。うふふ」


拓馬と隆は目を合わせると、なぜかほろ酔い気味の一花となぜか泥酔気味の名波に対してため息をついた。


「にしても、天気良くて良かったなぁ」

「だな。きっと拓馬と委員長の愛の力だな」

「あー・・・市原なら」

「一花っ!」

「はいはい。一花なら天気の一つや二つ操作出来そうだもんな」

「お前、尻に敷かれそうだな」

「もうすでにちょっとめんどくさくなってきたもん」

「めんどくさいって何よっ! どうせ木下君は私のことからかってただけなんでしょ! 私知ってるんだからねっ!」

「誰に聞いたんだよ」

「もちろん・・・アレよ。私よ」

「こんなによくわからない発言をする委員長も珍しいな」


一花のよくわからない話し方に隆が感心した。

すると一花にしがみつかれている拓馬が、隆に文句を言う。


「もうこいつを引き離してくれよー」

「いいじゃん。委員長楽しそうだし」

「まぁ悪い気はしないけどさ。重いんだ」

「大丈夫だ。そのぐらいは愛の力でカバーしておやり」

「わかったよ。で、名波は大丈夫なのか?」

「まぁ大丈夫だろ」


隆の横で、目が座った状態でパクパクと拓馬が作ってきた煮豆を一人で完食しようとしている名波。

さっきからチラチラとみていた隆だったが、酔うと絡むタイプだとわかった段階で大人しくさせている。

『触らぬ神に祟りなし』状態です。


「この状況をカメラで録画しておいたら面白そうだな」

「ここにカメラならあるじゃないですかー」


そう言って拓馬がポケットから取り出したのは、ケータイでした。


「そういえば最近のケータイにはカメラが付いているとかっていう都市伝説が・・・」

「どんだけ使ってないんだよ」

「冗談だ。さて。じゃあとりあえずお前らのキスしてるところ撮りたいな」

「はぁ? そんなの人に見せるもんじゃないだろ」

「あら。私は構わないわよ」

「委員長もこう言ってることだしさ」


隆のムチャぶりに、ブーブー言っていた拓馬だったが、花見ということもあって半ばやけになって一花のほうを見た。

一花は受け入れ態勢バッチリで、目を閉じて拓馬の方へと顔を向けていた。

チュッ。


「ほら。したぞ」

「マジで? いやー、実はまだケータイのカメラってどこかなーって探してる途中だったんだけど」

「マジでっ!? そーゆーのは先に言ってもらえない?」

「いやいや、先にキスしちゃったのは拓馬達だろ?」

「ほら、木下君。もう一回だって」


そう言って、拓馬に顔を向けてまた目を閉じる一花。

拓馬がチラッと隆のほうを見ると、ケータイを向けていたので準備OKだと見て、一花に再度キスをした。


「いやん。子ども出来ちゃったらどうしよ」

「キスで子どもはできませんー」

「なんて名前にする?」

「はえーよ。色々な課程がぶっ飛んでるよ」

「いいじゃないの。先に既成事実を作っておいて、それから結婚しましょ」

「いやいや、それってできちゃった婚じゃないですか。俺はそれはゴメンだ」


拓馬と一花の夫婦漫才の様子も、バッチリとカメラに収めた隆は、横で寝息をたて始めている名波を見た。そしてケータイでパシャリと一枚撮っておく。


「・・・・・・」


拓馬と一花のキスにやられたのか、隆も少なからずムラムラしちゃったわけで、寝ている名波の顔に自分の顔を近づけてキスをした。


「・・・・・・」

「隆ー」

「っ!?」

「ちゃんと撮っておいたから安心しろ。送るか?」


そう言って隆に向かってケータイを向けている拓馬。その液晶に写っているであろう画像を横から覗き見る一花。少し顔を赤くして照れている隆。そしてぐうぐうと寝息をたてている名波。

今日はとても天気が良くてお花見日和だった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


雰囲気で酔ってますね。


次回もお楽しみに!

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