表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/187

美少女と委員長

隆と拓馬が二人で遊びたいということで、特に反対しなかった名波と反対意見を受け取ってもらえなかった一花が二人で帰り道を歩いていた。


「黒木さんと二人きりって珍しいわね」

「そうだねー。いつもは隆か拓馬がいるもんね」


この二人は特に仲が悪いというわけではなく、むしろ良いほうだと言えた。

変な空気は漂っていません。


「私と二人だと気まずい?」

「えー? そんなことないよ? 私、委員長のこと好きだもん」

「残念だけど、私はそっちに興味はないわよ」

「友達としてってこと!」

「そーゆーことね。でもなんで私のこと好きなの?」

「なんでって言われても・・・。一緒に話してて楽しいから? それに友達でしょ?」

「えっ?」


とても驚いたような顔をする一花。その表情を見て名波はハッとする。


「もしかして私勘違いしてた? 委員長と私って友達じゃなかった?」


以前、隆と友達に『友達でしょ?』と問いかけたときも似たようなリアクションをされたのを思い出した名波は、慎重に一花の顔色を伺っていた。

しかし一花は基本、ポーカーフェイスなので何を考えているかよくわかりませんでした。


「いえ。別にそーゆー意味じゃないわ。私も友達って言われてうれしいわ。黒木さん」

「だよねー。よかったー」

「でも少し驚いたわ。まさか黒木さんが私のことを友達だと思っていてくれたなんて思わなかったから」

「だって隆と拓馬とは仲良くしてて、私とも仲良くしてるんだから友達でしょ?」

「そうね。相沢君には友達だって言われたし、木下君にも友達だと思われてるみたいだから、黒木さんと友達でもおかしくはないわ」


少し照れたのか、エヘヘーと笑う名波につられて一花も少し笑顔になった。

その顔を見た名波が一花に言う。


「やっぱり委員長って笑うと可愛いよねー」

「そうよ。別に悪い顔だとは思わないわ」

「自信満々だ。笑ったら可愛いし」

「それなのにどうして木下君は振り向いてくれないのかしら?」


いつも思うんですが、この自信ってどこから来るんですかね?


「そうだよねー。私が拓馬なら委員長に告白されたらイチコロ・・・あ、そっか」

「どうしたの?」

「あ、いや、なんでもない」


あきらかに歯切れの悪い返事の名波を一花が見逃すはずがなかった。


「どうしたの? 黒木さん?」

「なんでもないって」

「どうしたの? 黒木さん?」

「えっ? だからなんでもないってば」

「どうしたの? 黒木さん?」

「ちょっと何? 委員長、壊れた?」

「どうしたの? 黒木さん?」

「なになに? ちょっと怖いんだけど・・・」

「どうしたの? 黒木さん?」


一花の全く同じ質問の連続に、名波は少し恐怖心を覚えたので、隆と覗きに行った拓馬と一花の告白現場の話をした。

すると顔を真っ赤にした一花が名波のことをチラチラと見た。


「えっと・・・その・・・全部見てたってことでいいのよね?」

「いやいや、私は隆に押さえつけられててあんまり見てないよ。でも押し倒してるところは見ちゃった」


恥ずかし過ぎたのか、顔を押さえてその場にしゃがみこむ一花。


「うおー・・・なんだこの委員長・・・」


手をワナワナと動かして一花のことを見ている名波。

落ち着いたのか、顔から手を離して名波のことを下から見上げる一花。その目にはうっすらと涙が溜まっていた。


「く、黒木さん」

「なに?」

「あのことは忘れて欲しいかなー・・・なんて」

「まぁ委員長にとって忘れたい過去だもんねー。忘れるのは無理だけど、思い出さないようにしてあげるっ」

「・・・私、黒木さんが相沢君と付き合ったのがなんかわかった気がするわ」

「えっ!? ホントっ?」

「えっ? どういうこと?」


思ったことを言っただけなのに、予想以上の食いつきに驚く一花。


「いやー、私ってば、隆のことは好きなんだけど、どうして好きになったかわからないんだよね。あっ、でも嫌いってわけじゃないからね。いくら委員長でも隆のこと狙ったりしたら私怒るからね」

「大丈夫よ。私は木下君一筋だから相沢君には興味無いわ」

「それはなにより」


名波がしゃがみこんだままだった一花に手を伸ばすと、その手をとって立ち上がる一花。

そしてその手を握ったまま名波に言った。


「さて、私があんなに恥ずかしい話をさせられたんだから、次は黒木さんの番ね」

「私?」

「そうよ。相沢君との恋の馴れ初め(なれそめ)でも聞こうかしら」

「えー、すごい恥ずかしいんだけど・・・」

「拒否権は無いわよ。ほら、せっかく出来た友達に何も話さないのは酷いんじゃない?」


名波がハッとして一花の方を見ると、笑顔でこちらを見ている一花と目があった。

笑顔に笑顔を返した名波は、隣にいる友達に隆との『恋の馴れ初め』というの名のノロケ話をした。

その友達のノロケ話を特に嫌がる素振りも見せずに、『いつか私も木下君と・・・』と思いながら楽しそうに聞いている一花であった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると発狂します。


一花さんが可愛いです。

名波が手をワナワナしているのは「委員長が可愛すぎる!」とか思っています。


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ