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カレーパーティ

電車を降りて、拓馬、隆、名波、一花の四人が向かったのは、拓馬の家の近くのスーパー。

この日も、タイムセールとかで近所のおばちゃんたちが『スーパーの中の戦争』を起こしていました。

そんな中を拓馬達はカレーの材料を買うために突き進んでいきます。


「ってすげーおばちゃんの量だな」

「そうか? いつもこんなんだぞ」

「拓馬っていつもこんなところで買い物してるの?」


『家にある材料でお母さんの手伝い』程度の料理レベルな名波が質問した。何気にお嬢様育ちの名波は、スーパーのタイムセールとかには無縁のようです。


「まぁな。この時間帯のほうが安いし。って言っても混んでるけどな」

「はい、あなた。じゃがいもよ」

「おう。ありがとう・・・ってなんだよ、それ」


急に変な呼び方になる一花に疑問と不信感と拒絶したい気持ちが一斉に芽生えた拓馬が問いかける。


「何って、将来こーゆーところに来るかもしれないでしょ? そのための予行練習よ」

「そんな練習いらねぇよ」

「この混雑の中木下君が買い忘れたっていうから『わざわざ』とってきてあげたのにどうしてこんな扱いを受けないといけないのですかー! おぉ神よ! どうしてあなたはそんなに」

「わかったから! この混雑した中で膝ついて祈るのやめろ!」

「ちなみにうちは無所属よ」

「俺んちだって無所属だ!」


じゃがいもに関しては、拓馬がいつも家族だけで食べている時の量を買ってしまったため、誰かに取ってきてもらおうと思ったのだが、隆と名波が口をそろえて『じゃがいもなんてどこにあった?』というようなことを言い出したので、仕方なく一花にお願いしたのだ。

そんなノリノリな一花と拓馬の掛け合いを後ろで見ていた隆と名波。


「委員長、楽しそうだな」

「だね」

「拓馬のツッコミもキレキレだしな」

「キレキレ?」

「冴えまくりってこと。ってゆーかお前なんか怒ってるか?」

「え? そんなことないよ。なして?」

「いや、なんとなくな」


ちょっと不機嫌に見えた名波を気にして声をかけたのだが、隆の勘違いだったようでケロッとした返事を名波に返されてしまった。


そんなこんなで買い物が終わった拓馬達四人は、その足で拓馬の家へと向かいました。


「ただいまー。って誰も帰ってねーか」

「「「おじゃまします」」」


鍵を開けて中に入った拓馬に続いて、残りの三人が順に入ってくる。


「さてと。ちょっと着替えてくるからその辺でくつろいでてー」


そう言って部屋へと向かう拓馬の後ろを背後霊のようについていく一花。


「・・・市原さん?」

「木下君の部屋でくつろいでようかと思って」

「却下だ」


一花の目の前でバタンとドアが閉まった。

リビングで拓馬が戻るのを待っていた隆は、だんだん暇になってきたので、テレビをつけてゲームをはじめてしまいました。


「あっ。このゲーム知ってるー。面白いよねー」

「マジでか。お前んちにもあるのかよ」

「ううん。うちにはゲームないけど、親戚のおばさんがゲーマーで、そこに行くといつもゲーム自慢させられたり手伝わされたりするんだー」

「スゲーな。じゃあ名波もやるか? 目標は1時間半だ」

「わかった。任せて」


勢いだけでゲームを進めていく隆と名波。

二人がプレイ中のゲームは、江戸っこ忍者、青いデブ忍者、からくり忍者、女忍者の4人が出てくる横スクロールアクションのシリーズで、それぞれのキャラに分かれたステージを攻略していき、最後に4人が集まった状態で最後のステージを攻略していくという昔のゲームだ。このゲームのおもしろいところは、ボス戦がミニゲーム方式になっており、真剣白羽どり、ふすまの隙間を何が通ったか当てるゲーム、スケート競争、パズルゲーム、そして最後が惑星飛ばしとなっている。このシリーズ特有のぶっ飛んだ内容にもかかわらず、今回はお姫様ではなく地球を救うというよくわからない設定になっている。

隆と拓馬は何回もプレイしており最近では暇つぶしに最速ラップをたたき出すことのみを目標に頑張っていた。


「お待たせー、ってまたそれやってるのかよ。よく飽きないな」

「これ面白いじゃん。俺、スケート好き」

「だから男なら白羽どりで受け止めた直後に刀折らなきゃって何回も言ってるじゃん」

「私パズルのやつー」

「名波も知ってんのかよ」


名波のゲーマー度に驚いた拓馬。


「まぁいいや。そろそろカレー作るぞー」

「俺待ってるー」

「私もちょっと忙しい」

「お前らちょっとは手伝えよな。人んちに来て電気代しか使わないとか最低だろ」


テレビの画面を見ながら返事をする隆と名波に文句を言うと、しぶしぶと言った形でゲームを中断させると、キッチンへと歩み寄ってきた。


「まぁ俺は見てるだけしかできないんだけどな」

「私も今日は見ているわ」

「じゃあ俺と名波で作るか」

「はい! 隊長!」


敬礼をする名波に拓馬も敬礼で返した。

そんなわけで拓馬と名波のクッキングタイムが始まった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると発狂します。


久々のタイトル詐欺となってしまいました。

カレーパーティまでいきませんでした。


次回もお楽しみに!

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