表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふ・シンフォニー 〜最弱の「呼子(よびこ)」、聖獣たちに懐かれすぎて世界一の癒やし拠点を築いてしまう〜  作者: あめとおと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

第3話:ぷるぷるの奇跡と、街を埋め尽くす行列


ザンガさんを「もふもふの沼」に引きずり込んだ翌日。


僕は街の噴水広場で、次なる「癒やし」を探していた。


「あ、いたいた。……君、迷子?」


噴水の隅っこで、光を反射してキラキラ輝く、透き通った水色の塊を見つけた。


「水玉スライム」のルルだ。


普通のスライムはベタベタして嫌がられるけど、ルルはまるで高級なゼリーみたいにプルプルしていて、しかも、ほんのりシトラスのいい香りがする。


「キュイ!」(ポムが「新しい仲間だ!」とはしゃいでいる)


僕がそっと手を差し出すと、ルルは「ぷにんっ」と僕の腕に飛び乗ってきた。


その瞬間、視界に真っ赤な警告ログが走る。




【緊急ワールドクエスト発生!】


【内容:伝説の『清流スライム』を保護し、その機嫌を最大まで回復させよ!】


【報酬:街全体の全プレイヤーのMP回復速度が2倍になる「癒やしの加護」】




「えっ、クエスト!? ……しかも僕の腕の中の子が対象!?」


街中に鐘の音が響き渡り、何事かとプレイヤーたちが広場に集まってくる。


「なんだなんだ?」「清流スライム? どこだ!?」


殺気立ったプレイヤーたちに囲まれ、ルルは怖がって僕の服の中に潜り込んでしまった。


マズい。


このままだとルルの機嫌が悪くなって、クエスト失敗(=加護なし)になってしまう。


「……みんな、下がって! この子、怖がってるから!」


僕が叫ぶと、人混みを割ってあの男が現れた。


「道を開けろ。……この御方は『もふもふの導き手』だぞ」


黒鎧のザンガさんだ。彼は仁王立ちになり、周囲のプレイヤーを威圧……するのかと思いきや。


「……おいお前ら、並べ。順番に、このスライム様とポム様の『癒やしの光景』を遠巻きに眺める列を作るんだ。騒ぐ奴は俺が斬る」


「えええええ!?」


ザンガさんの(間違った)統率力により、広場にはあっという間に数百人のプレイヤーによる「整列」が完成した。


「……あの、ザンガさん。眺めるだけじゃクエストが進まないんです。ルルの機嫌を直さないと」


「ならばどうする?」


「……ブラッシングと、高級な天然水が必要です」


そこからはもう、お祭り騒ぎだった。


最高級の天然水を持ってきた商人、ルルのために歌を歌う吟遊詩人、そしてポムの毛並みを維持するために日傘を差し出す魔術師……。




【システム:ルルの機嫌がMAXになりました!】


【緊急クエスト成功! 街全体に『究極の癒やし』が発動します!】




広場が柔らかな光に包まれ、徹夜で狩りをしていたプレイヤーたちのクマが消え、装備の耐久値まで(なぜか)回復していく。


「……コハク。お前、やっぱりただの召喚師じゃないな」


ザンガさんが、ポムを指一本でつんつんしながら真面目な顔で言った。


僕の腕には、満足げに眠るポムと、その上で跳ねるルル。


僕はただ、もふもふとプルプルに囲まれていたいだけなのに。


僕のVR生活は、どうやらどんどん「大ごと」になっていく予感がした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ