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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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95/202

浴衣デー

 週末土曜日。

 今日と明日は芝生公園で夏祭りが開催される。櫓が建てられて夜には盆踊りもあるし、屋台も数店ある。祖父母の話によると、昔の屋台は数十店あったらしく今よりも華やかだったそうだ。


 夕方前の時間、雪華のシフト時間に合わせて俺は洋菓子店の事務所にいる。今日は浴衣で接客するので居させてもらっている、正確には遊びにきたと言えるかもしれない。

「内宮。何かあれば連絡するぞ?」

 少し呆れた感じの姉御先生に声をかけられる。

「今日と明日は浴衣で接客ですからね、不埒なナンパ野郎が来ないか様子を見に来ました。あ、自主的なのでバイト代は不要です」

「そういうことなら、まあいいか」

 店で購入したフルーツケーキと明日で終了のシュークリームの青肉メロン味、給湯室で入れた紅茶をテーブルに置きスマホで動画を見つつ寛ぐ。


 しばらくすると、今日の接客担当の鳳来さんが事務所に入ってきて俺の様子に姉御先生同様呆れている。

「内宮の寛ぎ具合が自宅にいるのと同じように見えるんだけど?」

「半分正解。俺のことは気にせず、どうかしたの?」

「ちょっと浴衣の手直しをね。タスキ掛けしているとはいえ見た目も重要じゃん?折角の企画なんだしさ」

「なるほど!陰の努力ってやつか〜」

「その通りよ!売り子なんだから華やかさもないとね」

「確かに、外からチラ見すると浴衣での売り子は人目を引くもんな」

「でしょ」


 その後売場のほうでは鳳来さんの彼氏が来たみたいだけど雪華と花穂さんにも見惚れてしまい鳳来さんに耳をつねられていたそうだ。高校生カップルとはいえ浮気は良くないぞ?しかも二人共彼氏持ちなんだからな!


 そんな些細なトラブルもありつつ、土曜は閉店。閉店後に俺と雪華は夏祭り会場へと向かった、滞在時間は少しだけどね。店の売場では動きやすさ重視のためにスニーカーだったけど、今は草履を履いてくれているのでゆっくり歩く。

 打ち上げ花火は無いけれど祭り独特の雰囲気もあり、猛烈に雪華を意識してしまう。それは雪華も同じだったようで公園の人目が無いところでキスをした。


 帰宅がいつもより遅いこともあり愛美と朝輝はもちろん彩夏からも寂しかったと言われてグッときてしまった。

 就寝前もまだ夏祭りの雰囲気の余韻が残る俺と雪華はキスを何度かしてから寝ることに。妹達が寂しいと言っても、それはそれ、これはこれ、なのだ。


 翌日日曜日。

 今日の雪華のシフトは最初から夕方前まで。バイト全員が数時間は夏祭りに滞在できる様に調整してくれている。個人経営ならではって感じだよね。雪華のバイト終わりと同時に家族全員で夏祭りを楽しむことになっている。何かあった場合に素早く動けるように両親は普段着だけど彩夏と愛美は浴衣、朝輝は甚平を着て夏祭りに行くことになっている。ちなみ彩夏の浴衣は青地にヒマワリで、愛美は白地に紫陽花(あじさい)だ。朝輝の甚平は紺に白のストライプ柄となっている。


 実は洋菓子店で働く女子全員が自分で浴衣の着付けが出来るのが判明したんだよね。姉御先生も着付けは出来るけど、お腹のこともあり力を入れるのはしたくなかったそうだ。

 なので、雪華がいなくても浴衣の着付けは問題ないし、全員自分の浴衣を持参している。皆の女子力の高さにビックリだよ。

 これは後日聞いたんだけど、桃瀬さんと笹嶋さん、下津木さんも浴衣の着付けが出来るんだって。下津木さんはコスプレのこともあるから予想できてたけどさ、内宮班の女子スゴイな。


 雪華のバイトが終わったら芝生公園へ一緒に行き、家族と合流する。雪華の浴衣は昨日は持参していた朝顔柄で今日は俺が買った金魚柄を着ている。

 残念ながら屋台で定番の焼きそばやたこ焼きと言った食べ物系は無いので夏祭りの雰囲気を味わったら帰宅して晩ご飯を食べる。浴衣を汚すといけないから、普段着に着替えてからだけどな。


 洋菓子店も結局は不埒なナンパ野郎は来なかったし、浴衣割引効果で来店客数も多かったらしく、売り上げも伸びたらしい。

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