ガサガサに行こう その2
彩夏の誕生日も終わり、お盆期間に突入した。
愛美と朝輝の保育園も休園となるので、騒がしい日々の始まりでもある。
洋菓子店はというと、一番人気のシュークリームの種類が増えている。クッキー生地も追加されて、味はそのまま。ただ、青肉メロン味は今週で終了して和梨味に変更となるし桃味も近日中に終了してブドウ味になる。
尚、ブドウ味は黒ブドウと白ブドウ両方提供するらしく、一時的に味の種類は増えるそうだ。味の変更は店内ポスターで告知済となっている。
芝生公園での夏祭りに合わせた浴衣デーは採用されてしまった。当日は浴衣で来店のお客さんに割引をするらしいけど、2品以上購入しないとダメとなっている。例えばシュークリームの同じ味を2個買えば対象になるというわけだ。これも店内ポスターで告知されている。
そんな週の水曜日、洋菓子店も店休日なのでガサガサへとやってきた。今日は大潮なので、前回よりも沖側にある潮溜りに行くのが可能だ。
「じゃあ早速、前回よりも沖側に向かうぞ」
「うん。途中のは戻りながらって感じだね?」
「おう。ただ、珍しいのがいた場合は除くけどな」
「roger että」
そんな感じで進んで行き、潜らずに採集できるところまで来た。
「よし。じゃあ始めるか!」
「うん。結局途中で珍しいのは見かけなかったね」
「だな。一応この辺の注意点として、ヒョウモンダコとかの危険なヤツや採集したら密漁になるのも生息している可能性があるから気をつけてな」
「この辺まで来るといるんだね。わかった」
危険は侵さないのが鉄則だ。ヒョウモンダコは綺麗だから飼育する人もいるけど、俺は飼育しない。
追い込みできる深さでは無いので目視で見つけていく。
「ひろ君。ウミウシいるけど、どうする?」
「ウミウシは餌の供給が難しいのがほとんどだから採集はやめよう。ただコノハミドリガイは飼育できるから、見つけた場合は採集しよう」
「わかった」
餌を食べれないのに、ただ飼育するだけのは採集しない。自分だってずっと断食させられたらイヤだろ?まあ、寿命が短いのや成虫になっての断食の場合は別だけどさ。
カメノテやショウジンガニとかの食用も採集していく。もちろん蔵持先生へのお土産と家族で食べる分だけで乱獲はしてないぞ!
「ひろ君。トゲトゲの魚を捕まえたよ」
「なんだそりゃ?」
網の中を見てみるとビックリだ。
「おいおい。マツカサウオの幼魚じゃないか!何でこんなトコにいるんだよ」
「危険なの?」
少し警戒する雪華。
「いや、毒とかは無いから安心していいよ。普段の生息場所が深いところだから、驚いただけ」
「そうなんだね。どうする?」
「もちろん飼育するさ」
これが採れただけでも今日来た価値があるぜ!
そんな感じで採集を続けているとスマホのアラームが鳴る。
「雪華。干潮時間になったからこれから潮が満ちてくる、戻りながらの採集に切り替えよう」
「は〜い」
急激に満ちることは無いけど、足場が無くなる可能性もあるから余裕のある行動をする。
海藻の場所をガサってマツカサウオ用の餌であるスジエビも確保しておく。
「ひろ君。海藻ガサったら緑色のウミウシ採れたよ」
「おっ、これがコノハミドリガイだよ。こんなトコで採れるなんてラッキーだな、持ち帰ろう」
「わかった」
ガサりながら戻り、余裕をもって終了する。
「今日は釣りもするんだね」
「サビキで少しだけな。釣れるアジのサイズが知りたいからさ」
前回と同じ定食屋で食事した俺達は防波堤へと来ている。定食屋では前回と違い旬の刺身定食を注文した、何せ魚種がイサキとクロダイだったからな注文しないとかありえないぜ!店の人には申し訳ないけど雪華のも含め、寄生虫の有無を確認させてもらったけどな。
「じゃあ、雪華はこれで。時間は次のバスまでだから一時間半位ね」
「ひろ君は?」
「俺はちょっと別なのを、ね」
釣り針はワカサギ用のでウキ釣りをする。ちなみに釣り針の返しはヤスリで削ってある。
「雪華、俺が狙っていたのが釣れたぞ」
サビキ釣りで小アジをテンポ良く釣っていた雪華に報告する。
「うわ、綺麗。狙っていたのはハナハゼだったか」
「そうそう。尾ビレが伸びて綺麗な種類だろ?だから狙ってみた」
「いいね!今日も大収穫だね」
その後もハナハゼを追加で釣り、小型サイズを5匹確保して帰宅することにした。
今回は荷物が多いので、一旦帰宅してから蔵持先生と待ち合わせをしている高校へと向かった。先生の顔は驚きと喜びといった感じだ、何せカメノテとショウジンガニだからな。美味さを知っている人ならば確実に喜ぶ食材だ!
先生と別れて帰宅して、晩飯をガッツリ食べたら眠くなったので寝ることにした。
飼育用はいつも通り薬浴中だし、雪華が釣った魚は明日来る予定の雪華の両親に振る舞う予定だ。




