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ショーコ先生

 双子のお迎えに来た俺はいろんな意味で()()をかけた保育園時代の先生に似た人を見つけた。


「そういう事でしたら少しだけ」

 ありがたいことに呼んでもらえる事になった。

「おにいちゃん、どうしたの?」

 少しだけ不安げに見上げてくる愛美。

「大丈夫だよ。少しだけ先生とおはなしするだけだから」

 そう言って軽く頭を撫でる。


「お待たせしました。どちら様でしょうか?」

 近くで見て確信した。抱っこされた時にいつも目に入る右側のホクロがある(当時はホクロと知らず黒い点との認識)。念の為か双子の副担任の先生も一緒だ。

「覚えてませんかね?隣県の坂ノ上保育園でお世話になった内宮広也ですけど」

「えっと?」

「ショーコ先生ですよね?いつも銀髪の女の子と手を繋いでいて、梅雨の時季にカタツムリを毎日必ず捕まえて登園してた“ひろくん”ですよ」

 これで思い出してくれたようだ!

「えええ!あの“ひろくん”なの?随分と立派になって!」

「今日、高校生になりました!」

「先生、やはりお知り合いですか?」

「長い保育士生活で印象深い、筆頭候補ですよ」

「そうなんですか」


 双子は少し前に3歳児クラスになったが、この保育園自体は同じ。

 だから、顔見知りの先生も多い中で今まで見なかった先生に気付いた訳だ。

「つい最近、この園の先生になってくれたんですよ」

 双子の副担任の先生が教えてくれる。


「改めて、双子の愛美と朝輝の兄です。お迎えに来ることも多いので、よろしくお願いします」

 愛美と朝輝の頭を撫でながら伝える。

「こちらこそ、よろしくね。ところで朝輝君もあなたに性格似ているの?」

「フフフ。それはどうでしょうか?楽しみが減りますよ」

 そうニヤリと言う。実際は愛美のほうが保育園時代なら似てるかもね。

「そ、そうですか。では仕事がありますから失礼しますね」

 相当不敵な笑みだったらしく、顔を引きつらせていた。

「あ、先生。また今度自分がお迎えの時に少しだけ話せますか」

「わかりました」

 職員室に戻っていった。


「長々とすみませんでした。それと先程話しに出た銀髪の女の子を連れてきてあの先生に会わせたいのですがいいですか?」

「そうですね…。上と確認してみます」

「わかりました。あの先生には内密にお願いします。驚かせたいので」

「仕方ないですね。出来る限り秘密で」

 呆れた口調で言ってくるけど、この先生結構ノリがいいんだよね。

「さて、待たせてごめんね。帰るから最後に先生に挨拶しようね」

 俺のそばで興味深そうにしてた二人に声をかける。まだ、保育園内とはいえちゃんと手は繋いでたぞ。

「「せんせいさようなら」」

 勢いよく頭を下げた後に元気に手を振る愛美と朝輝。

「はい、さようなら。また明日ね」

 先生も手を振ってくれる。

「では、失礼します」

 俺もペコリと頭を下げて園の外に出る。


(こりゃあ先生も雪ちゃんも驚くぞー)

 そう思ってニヤリとした不敵な笑みを愛美と朝輝が不思議そうな顔で見上げているのには気付かなかった。

明日の朝、内宮家の家族設定を投稿します。

明日の昼頃、雪華視点を投稿するので続きが気になるかたは昼までお待ち下さい。

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