ついに
期末テストが開始。その後は待望の夏休み!しかし、赤点保持者にはしばらくの間は補習があるので要注意だ。
前日の着衣泳の疲れも無いし、筋肉痛もなかった。あの程度で音を上げる我が筋肉では無かったようで頼もしい。
今週は弁当不要だし、父さんの行きつけの定食屋もリニューアルオープンしたらしく弁当も無しになったので、楽になった。
そういや結局、学食は利用しなかったな。弁当のおかず箱の袋に保冷剤を入れて乗り越えたし。
厳さんと昌史の話だと学食は、場所とりの戦が常に開戦している、とのこと。少ない空席を巡る終わりなき戦いが常に繰り広げられているんだってさ。
テストに関しては一応、蔵持先生に心配をかけてはいけないと思い、平均点が上がりそうな科目を重点的に勉強しておいたので大丈夫だろう。
そんな日々を過ごしている内にテスト期間も終了。土曜・日曜・祝日の連休の後にテスト返却があり夏休みに突入する。
勉強熱心な方々は塾などの夏期講習に参加するみたいで、クラス内の雰囲気は夏休みエンジョイ勢と夏期講習勢の二極化になっている。
内宮班はどちらかと言えばエンジョイ勢寄りだな。夏休み課題をやりながら塾通いを含めた自主学習で遊びも忘れずに、といった具合だ。
連休中の日曜には姉御先生の旦那さんが経営する洋菓子店がついにオープンする。
現時点では雪華達と大学生の一人を雇ったらしく、その一人が厳さんの恋人の義姉さんだ。
姉御先生経由で厳さんの義姉さんを紹介して採用された形になる。
俺の知り合いばかりだな、と思っていたら姉御先生から「内宮が仲良くしているクラスメイトなら人間性に問題は無いし、厳田の家族も問題無いから下手に募集して雇うより安心感がある」と言われ、なるほどと納得する。
でも、夏休みが終われば高校生組はフルタイムで働けないことを伝えると旦那さんから、その頃になれば色々と見えてくるから大丈夫と言われた。
流石は、パティシエとしてだけでは無く経営についても東京で学んできただけはあるなあと感心する。
連休明けから夏休みまでの数日間は義姉さん以外、日中は働けないけどどうするのかと思っていたら両家の身内で手伝うらしい。確かに定食屋やラーメン屋と違って一気に押しかけるといったイメージは無いなから大丈夫なのだろう。
雪華達は試食として、一通り提供するのを食べたらしく、雪華以外は色々な意味で悲鳴をあげたそうだ。確かに味を知っていないと説明を求められた時に困るもんな。そうなると、新作の度に悲鳴がこだましそうだね。
厳さんには不運だけど、バイト中はアクセサリー類は全部禁止。これは異物混入を恐れてのことだから当然だよな。あとは香水とかのキツイ香りも禁止。ニオイ移りや折角の甘い香りを邪魔することになるからこれも当然だな。
そして日曜。洋菓子店のオープン日を迎えた。
店の名前は《ロ・キャルモ》。フランス語で“地元で”という意味らしい。




