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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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バイト辞退と姉御先生

 雪華がバイト先に選んだのは商店街にあるローカルチェーンのドーナツ屋さんだった。

 日曜にシフトの確認のため、採用されたバイト先に烏野さんと鳳来さんの三人で向かったが、帰宅した雪華はプンスコモードだった。


「ひろ君ごめん、バイトの採用辞退してきた」

「何かあったのか?」

「店長が働くなら髪を黒く染めろって言ってきてさ、面接の時は本社のお偉いさんが一緒で髪色についての問題も無いって言ってたのに」

「随分と時代錯誤の店長だな。雪華は地毛だけど髪を染めてる人は多いだろうに、鳳来さんだって軽い茶髪にしてるだろ?」

「そうなんだよね。だから、鳳来さんも髪色を黒に戻せって言われたから同じく辞退してた。店長の言い分だと「高校生なんだから髪なんて染めてんじゃねえ」て事みたい」

「そんなところで働く必要ないよ。ブラック体質でバイトなのに無理させられるかもしれないからな!」

「うん。あたし達が辞退したから、烏野さんも辞退してた。明日三人で放課後に作戦会議するから、帰りは別々になるの。ごめんね」

「了解だ」


 そんな事があった翌日月曜。雪華は作戦会議へと向かった。夏休みの短期バイトを計画している明槻さんも一緒だそうだ。

 俺は雪華にとって因縁のある商店街に来ている。まずは目的の魚屋に。


「大将いる〜?」

「おう! おっ?内宮のあんちゃんじゃねえか!今日はどした?」

「そろそろ()()()の季節だろ?入荷予定ある?」

「そうだな。市場で養殖のアユは見かけるな、ヤマメやイワナはあんちゃんにはまだ高けえな」

「じゃあ、まずはアユのいい感じのを仕入れてよ。ウチは養殖がいいからさ」

「あいよ!なら、ここで塩焼きにしていいか?海鮮串の炭火焼きの路上販売をそろそろすっから、宣伝も兼ねさせてくれ!」

「もちろんだよ!宣伝効果があったらオマケのほうもよろしくね」

「ったく。しっかりしてるぜ!じゃあ、諸々の準備が整ったら一度連絡するな」

「了解。じゃあ、お願いね」

 そうして、魚屋を後にする。次に向かうは八百屋だな。


 八百屋で、珍しい人に遭遇する。

「姉御先生!」

「ん? おお。確か内宮か、久しぶりだな」

 声をかけたのは中学時代に担任になったこともある、通称姉御先生だ。

「お久しぶりです!あ、オメデタですか?おめでとうございます」

「ははは。ありがとうな」

「先生は確か結婚を機に東京に行きましたよね?里帰り出産ですか?」

「いや。こっちに戻ってきたんだよ、旦那が近々洋菓子店を開くからよろしくな」

「そうなんですね。旦那さんパティシエですもんね」

「ああ。元々、地元で店を開くのを目的にしていたからな。夢実現って感じだ」

「そうなんですか、おめでとうございます!お店って従業員募集とかしてますか?女子高生紹介できますよ?」

「お前、変な紹介屋やってるんじゃ無いだろうな?」

「違いますって。俺の彼女とクラスメイトの友人ですよ。ちょうどバイト先を探してるんで、どうかなって」

「そうなのか、何人いるんだ?」

「長期希望が三人で、今のところ夏休み中の短期が一人ですね」

「わかった、旦那に相談してみるよ。連絡先を交換してもいいか?」

「もちろんです」

 こうして、姉御先生と連絡先を交換する。

「では、連絡お待ちしています」

「ああ、わかった」

 よし、時間的にまだ作戦会議中かな?八百屋さんには申し訳ないけど、雪華達に合流して伝えておこう。そう思って雪華に電話する。


「もしもし、雪華。まだ作戦会議中か?」

『うん。どうかした?』

「ちょっと皆に話したいことがあってさ、合流していいか?」

『いいよ。バス通りの喫茶店にいるから』

「わかった。すぐに向かう」

 ここからなら10分程度で着くな。そう思いながら向かう。


「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

「すみません。合流になります」

「承知しました。ごゆっくりどうぞ」

 上品そうな店員さんとそんな会話をして、雪華達の元へ向かう。

「ご注文はお決まりですか?」

「ハスカップジュースをお願いします」

 先程の店員さんに注文する。この喫茶店なら必ずこれにしている。


 鳳来「んで?どしたのよ」

「ああ。鳳来さんは中学の時に姉御先生と呼ばれていた女性の先生覚えてる?」

 鳳来「もちろんよ!あの先生がキャンプ事件の時にいてくれたら、と思うもん」

「で、その姉御先生の旦那さんがパティシエなんだけど、近々ここらでお店開くんだって。だからバイト候補に皆を推薦してきた」

 鳳来「それほんとに?面接とかいつ?」

「推薦した段階だから面接があるかも不明なんだ。連絡先を交換したから、連絡来たら報告するよ。その前に推薦したことを伝えておこうと思ってさ」

「ひろ君ありがとね」

 その後は姉御先生の武勇伝を鳳来さんと一緒に語り、信用できる人物であることを伝えた。


 数日後、姉御先生から旦那が面接したいとの連絡が来るのだった。

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