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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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昌史の決断(柳原昌史side)

 俺の名前は柳原昌史。()()()()。今は文化祭が近づいてる頃だ。

 そんな俺には、気になる人がいる。といっても女の子ではない。

 名前を内宮広也。パッと見は陰キャだ。俺も無口のほうだが、彼もあまり喋らない、というかクラスメイトとあまり関わらない。まるで、それが()()()()のように。

 普通はクラスからハブられるのが怖くて、変なヤツに関わり、イジメに発展するケースも珍しくないと思う。

 だが彼は違う。何か不思議な雰囲気がある。

 彼なら俺の()()を解決してくれる気がする。

 そして文化祭も終わり、皆で日曜日に打ち上げをしようとなった。一応、内宮にも声がかけられたが彼は断った。妹達の面倒があるから、と。

 声をかけた女子が興味を持ち、さらに聞くと下に三人の妹弟がいて幼いから遊んであげると言った。

 それを聞いたクラスカーストを名乗る陽キャの男一人が内宮をバカにして笑いはじめ、男子と女子の何人かが追従した。笑ってないのは関わりたくなくて息を潜める男子と無関心な女子のみだ。

 普通ならそんな環境に恥ずかしくなり言い訳を言ってもいいのに、彼は平然としていた。

 そんな態度に腹が立ったのか最初に笑いはじめた男が内宮に殴りかかった。追従した男子は面白がったが女子は流石に小さな悲鳴を上げた。

 しかし次の瞬間、内宮は見事な()()()()で男を()()()()()()()のだ。

 その後、追撃で殴る事もなく、平然と教室から出ていった。クラス全員が呆気にとられていたと思う。この時に俺は確信した!彼なら俺の悩みを解決してくれると。


 休み明け、俺は内宮に悩みがあるから聞いて欲しいと相談したら彼は快く引き受けてくれた。

 学校帰りに、母親がつい最近再婚したこと、相手の連れ子との関係、新しく父親になった相手のこと、本当の父親がロクデナシで母親が苦労したこと、柔道部に今さら入部したのは憂さ晴らしのためなことなど普段の俺なら喋らない長文だった。彼は黙って聞いてくれ、アドバイスをくれた“無関係な義妹には普段から寡黙気味で嫌っていないことだけは伝えろ”と。両親に関しては高校なら寮生活。大学なら一人暮らしで離れることも可能だ、と。それにこれ以上母親に苦労させたくないなら、自分が変わらないとロクデナシな父親と同じ性格になるぞ、と一番キツイ事を言われた。


 そんな事を話し合った帰りに義妹が大学生らしき男達に絡まれている場面に遭遇した。義妹はバンド活動をしているので、小学生ながら少し大人びた印象がある。

 俺は当然助けに行くが初手で殴られた。そんな時にも冷静な内宮が助けてくれた。

「柳原君はその子のそばに居て!もし、防犯ブザーがあれば鳴らして」

 そう言って俺達の間に入る。正直無茶だと思った。俺達は中学生、相手は多分大学生、体格に差がある。義妹も恐怖で俺にしがみついている。

 だが内宮は強かった。殴る蹴るといった暴力は使わずに()()する。以前教室で見せた体さばきはかなり手加減していたのだとわかるほどに。

「こいつら大丈夫なのか?」

 内宮「ああ。二人を守るためだから軽い脳震盪(のうしんとう)になってもらってるだけさ」

 誰かが通報してくれたのか警察官が来た時には相手の男達は動けないでいた。

 当然俺達も事情聴取されたが義妹が小学生だったこともあり、軽く注意された程度だった。


 そんな事があった夜の家で、内宮の言葉とおり義妹には嫌ってないことを打ち明けた。『打ち明けてくれてありがとう。()()()()()』と言って微笑んでくれた。憂さ晴らしに始めた柔道も内宮のように大切な人を守るために打ち込んだ。2年に上がる頃には内宮とは友達になり、2年で同じクラスになった厳田とも打ち解け友達になった。そして、時は流れ俺達は同じ高校を受験し見事合格した。


 俺はまた柔道部に入ろうと体験入部させてもらったが、入部してもやっていけないと感じた。

 皆真剣で、()()()()()()の俺では追いつけないと感じたからだ。

 顧問の先生には「男の選手としては体格が小柄なので諦めます」とそれらしい事を言っておいた。


 そんな俺は今、空手同好会に所属している。部活動ではないので大会も何もない内輪のみの活動だが楽しく稽古している。

 柔道を辞めたことを内宮と厳さんに言うと残念がったが、俺の気持ちを尊重してくれた。


 俺は()()の内宮のおかげで家族ともとても良好な関係になっている。

 義妹とは好き合う仲になっていて今度の義妹の誕生日には告白を考えている。


 これから先、内宮が困る事があれば今度は俺がいくらでも手助けしてやるさ。あいつは俺の親友なのだから。

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