表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/195

面白い生徒(蔵持先生side)

 教員に付いて日は浅いので日々勉強。

 そんな私は新一年の副担任を任されていて、べテランの九條先生の元で修業しているわ。

 そんな中、大学時代の先輩の多澤先生が面白い生徒がいると言ってきた。

 彼女の担当科目は家庭科。ただ、以前のような家庭内ばかりでは無く、金融や経済といった内容も含まれるために二人体制となっている。

 教師間では家庭内の項目を()()()()と呼んでいる。多澤先生はそんな家庭科目の先生になる。

「多澤先生、面白い生徒というのは?」

「あなたが副担任をしているクラスの内宮君ですよ」

 内宮君はそれほど目立つ動きはしていない。ただ、幼馴染の石嶺さんと恋人で仲は良いという印象だけ。


 多澤先生の話によると、先日の調理実習後の各班からのレポートでは女子からは男子の体たらくな愚痴ばかりなのに対し、内宮君の班では内宮君の指示のおかげでどこよりも早く調理が終わった事、女子の口臭問題に気を使ってくれた事など絶賛する内容ばかりだったそうだ。

 肝心な調理自体も()()の項目で実習には厳しい多澤先生も認める仕上がりだったらしい。


 一年のみの行事であるバーべキューが近づいてきた。

 来週に迫った金曜に内宮君が冷蔵庫使用申請に来た。申請は学年全体でも少なく、このクラスでは内宮君だけ。

「食材は何か聞いてもいいですか?」

「海鮮と肉類です」

 へえ。学校のバーべキューで肉は定番だけど海鮮ね。

「わかりました。これは個人の興味なのですが、何の海鮮か決まっていますか?」

「はい。ヒオウギ貝というホタテに似た貝です」

「! 内宮君。放課後少しだけ話いいですか?」

 思わず反応してしまった!私は海辺町の出身。市場流通が少ない魚介類も食べてきたわ。

 普通なら学校のバーべキューでは名前が出ない貝を言ってきた。しかも申請してきたという事は()()()()という事。

 私は職員室に戻るとすぐに教頭に確認した。少ない金額なら問題無しとの了承を得て内宮君と交渉する。かなりの低価格で呆気なく買うことができたのでバーべキューが楽しみになったわ。

 バーべキュー当日、ヒオウギ貝が食べられる嬉しさの私に内宮君が追い打ちをしてきた。何と手作りアイスを持参したというのよ、しかも二種類も!私は新作が出れば必ず食べる位アイスが好きなので多澤先生も誘うことにする。

 バーべキュー終盤、お言葉に甘えて内宮君の班に行く。

 アイスは蜂蜜ピンクグレープフルーツと蜂蜜ゴールドキウイ。

 どちらも甘酸っぱくて美味しい。多澤先生は市販でありそうで無いチョイスに関心しているみたいね。二人共に蜂蜜ピンクグレープフルーツをおかわりしてしまったわ。


 連休明け、内宮君が私に挑戦状を持ってきた。

 連休中に魚介類を取りに行ってきたから、とおかずを持参してきたのよ。

 お昼が待ち遠しくなるのはヤメてちょうだい!

 まずは、バター炒めを一口。これは多分アカニシ貝ね、サザエに味は似てるけど大きさが全然違うし。

 それに潮干狩りに行くような話もしていたし、でもこの貝を知ってるとはね。

 お次は天ぷら。衣もサクサクで美味しい、ってそうじゃなーい。これはアナゴ?いや、この大きさはまさかギンポ?ギンポなの?この大きさを捕まえるのは穴釣りが多分一般的よね?という事は内宮君は釣りもするということ。

 ふふふ。仲良くなって損はないようね。おっと学業はきちんと評価するから疎かにすれば九條先生のお説教よ。


 その日の放課後、私は内宮君と連絡先を交換した。美味しい魚介類を入手したら連絡して欲しいと力強く言っといたわ。あとアカニシ貝とギンポもまた取りに行ったら今度はそのまま持ってきて欲しいともね!


 こんな面白い生徒、教育実習のときにも居なかったわよ。今後も楽しませて欲しいわね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ