下津木さん宅へ
意外な人からの提案。それは男子組もなのか?
「下津木さん、提案は嬉しいけど生モノがあるから俺は遠慮しておこうかな。肉の仕込みもあるしさ」
鳳来「仕込み?何かするの?」
「ああ。聞いたことない?果物の汁なんかに一晩漬けておくと肉が柔らくなるってヤツ。明日はクーラーボックス持参の俺が今買った食材を持っていくだろ?だったら、ひと手間加えておこうかなって。心配なら提案してくれてる下津木さんの家でやるよ?保冷バッグもあるしね」
そう言って銀色のバッグを軽くたたく。
烏野「聞いたことあるかも。パインやキウイに漬けるといいって。ちなみに内宮君は何に漬けるのかな?」
「コーラだね。炭酸も加わるからいい感じになるんだ」
笹嶋「楽しみが増えた♪」
下津木「じゃあ、その仕込みをうちでやんなさいよ。別にどうやるのか興味津々なわけじゃないんだからね!勘違いしないでよ」
おや?今日はツンデレ風なのか?厳さんがいるからなのかな?
「わかった。じゃあ、お邪魔させてもらうよ。雪華は当然行くけど他の皆はどうする?」
そう聞けば、みんなも行くとのことで下津木さん宅に向かう。
下津木さん宅に向かう道中で…
厳さん「内宮、お前指輪なんてするヤツだったか?」
昌史「俺も思った。違和感あるぞ?」
「これはペアリングだよ。雪華も右手薬指に着けてるだろ?恋人がいる証の指輪なだけだから、洒落っ気が出たわけじゃない。厳さんも義姉さんにプレゼントすればいいし、昌史も義妹ちゃんに告白のタイミングで渡してもいいじゃんか」
厳さん「そういう事か。お前が遠くに行ったかと思ったぜ!ちなみにお値段はいかほどで?」
「一番シンプルなやつだから安いよ。だけど、厳さんの場合は大学生だろ?ちょっと値段がお高めだけど細工が施されたもののほうがいいんじゃないか?」
昌史「買った場所は?」
「二駅先のショッピングモールだよ」
厳さん「お前って行動派だよな」
「雪華がバイトするって言うからさ、牽制の意味もあるんだよ」
厳さん「なるほどな。今度、値段の下調べに行ってみるか。昌史も行くか?」
昌史「そうだな、一緒に行こう」
「男同士でペアリング見て、薄い本の題材になるような行動はするなよ?」
「「おまっ」」
そんな他愛もない話を三人でしていた。新山君?彼なら下津木さんと一緒だよ。
下津木さん宅に到着。こんな大人数で大丈夫か?と思ったが、なるほど大きなお家だ。
下津木「さ。入って」
「「「「「おじゃまします」」」」」
みんなで挨拶した後、上がる。
下津木「ただいま。ちょっと友達連れてきたからって。あー、水まんじゅう食べてる!あたしの分は?」
「「無いわよ」」
そんなやり取りが始まった。俺達どうすんの?
下津木「ごめんなさい。取り乱したわ」
「突然すみません。下津木さんのクラスメイトで内宮といいます。明日の買い出しをしていたのですが、下津木さんに誘われてお邪魔しました」
みんなが呆然としているので代表して挨拶した。頼りになると思われた新山君はいつものやり取りなのか笑っているだけだ。今、ハッとしても遅いよ。
「あらあら、ごめんなさい。茜の母です。ご覧のとおり中だけは広いから、ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます。少しキッチンをお借りしますがよろしいですか?」
「いいわよ。さっきこの子からメッセージ来てたから」
そう言うのは母親とは別の人だ。
笹嶋「下津木さんも水まんじゅう好きなの?」
下津木「うん。半透明な皮?の部分が好きでさ」
笹嶋「わかる」
「下津木さん。キッチン借りるお礼に水まんじゅうの皮の部分作ってあげようか?」
下津木「作れるの?ならお願いしようかな」
こうして、まずは水まんじゅう作りから開始するのだった。下津木さんが家に招いた理由は何だろね?
今週は投稿時間が少し遅くなります。




