提案内容
体感時間で5・6分後に席に戻る。
「どうかな?話まとまった?」
鳳来「ええ。内宮の提案を受け入れることにしたわ。うち達が購入したのを無駄にしないことと返金されるのが大きいわね」
「わかった。じゃあ具体的な提案をしたいけどいいかな?」
笹嶋「賛成」
おお!笹嶋さんの目が輝いたぞ。
「まず食材だけど海鮮系を用意したいと考えている。具体的にはヒオウギ貝だな。あ、先にアレルギーがある食材がある人は教えて欲しい」
鳳来「内宮がアレルギーを気にする人だってのは先に知らせてあるし、皆大丈夫みたい。ところで、ヒオウギ貝てのは何?」
「ああ。スマホで検索すれば出てくるけどな、貝殻が原色系のホタテみたいな貝で焼くと美味いんだよ」
烏野「本当だ。貝殻が赤や黄色、紫なんてのもあるんですね」
「そうなんだよ。で、ホタテと同様に貝柱を食べるんだけどさ旨味が濃いんだよ。だから提案しようと考えててさ。値段のほうは、折角だし自宅分も取寄せて量が多くなってるから一枚130円位だな」
明槻「以外と安い、のかな?」
「そこは人それぞれじゃないかな?これは提案だし、強制ではないしね。食べたい人もいらない人もいて当然だしね」
「次は肝心の肉だけど、これは焼き肉用の牛肉を数種類用意すればいいかなと思う」
昌史「シェアするのでは無く、個人で楽しむのはアリか?」
「もちろんアリにしようと思う。好きな部位は人それぞれだからな、個人で肉を育てていいと思う。ただ、火力の問題もあるからステーキ肉の分厚いのは避けたほうが無難かもな」
昌史「火力か…。そうだな」
「あとは定番の焼きそばだけど鉄板はあるのかな?先生に確認してみる?」
笹嶋「調理実習の時に内宮君の班が作っていたチャーハンは作れる?」
「あれ?あれはね、エビ油を使ったんだよ」
雪華以外の女性陣「何それ!」
「話しそれちゃうけどいいの?」
雪華以外の女性陣「いい!」
「エビ油はね殻付きエビを買う必要があるんだけど身の部分以外の頭を含めた殻全部を油で揚げてエビの旨味を油に移したものだね。ちなみに揚げ終わった殻も塩と胡椒で味付けすれば美味しいよ」
鳳来「だからあの美味しさだったのね。納得だわ」
明槻「そんなに美味しかったの?」
烏野「うん。パラパラじゃなくて、しっとり気味のチャーハンだったんだけどね」
「俺さ、パラパラしたチャーハンは作れないんだよ」
笹嶋「それでもいい。無理?」
「調理実習の時と同じようにごはん持参ならいいよ、野菜もあるしね。ただ、鉄板があればだけどね」
笹嶋「そっか」
「みんなは焼きおにぎりは好き?」
下津木「コンビニではお見かけしますが、買ったことはありませんわね」
左手を頬に添えながら、そんなことを言う。
何なの?ツンデレじゃないの?俺の中の混乱対象だよ、この人。
「じゃあ、鉄板が無い場合は焼きおにぎり作ってあげるよ。ゆず胡椒みそにエビ油を混ぜた、みそ焼きおにぎりをね」
笹嶋「くっ!また美味しそうなものを。恋人の石嶺さんが羨ましい」
雪華「うふふ。あげないよ? でも、同じ料理上手な人を紹介してくれるかもよ?」
笹嶋「マジ?本気にするよ?」
雪華「うん。あとで聞いてみるといいよ」
「あとは野菜類だけど、ここに書かれているもの以外で食べたいのある?キノコも含めて」
新山「ジャガイモのホイル焼き?ていうのを動画で見たんだけど、できるかな?」
「おお!ホイル焼きいいね。ただ、バターの扱いに困るかもな。小袋タイプのマーガリンでいいなら溶けても大丈夫だからできるよ」
新山「その動画では、塩と胡椒だったけど?」
「なるほどね。やってみる?ジャガイモを丸ごとアルミホイルに包むだけだし」
桃瀬「ホイル焼きなら別のもやろうよ」
「ごめん桃瀬さん。不粋なことを言うとジャガイモとサツマイモ以外は家にあるオーブントースターのほうが美味しくできるよ。個人的意見だけどね」
桃瀬「そうなの?!中学に入る前に旅行先で食べたのが美味しかったからさ。魚とキノコが入ってたよ」
「その魚は鮭だった?」
桃瀬「ううん。白かった」
「多分それ塩ダラだね。キノコと玉ねぎと胡椒とバターで作れるよ?あ、塩分は塩ダラから出るから塩はいらない」
桃瀬「作り方教えてよ」
「連休とテスト明けでよければ。烏野さんと鳳来さんにもポタージュの作り方教えるから3人一緒でいいなら教えるよ」
桃瀬「? 連休中はダメなの?」
「どこかのタイミングで潮干狩りに家族で行くからさ。俺の家、年の差兄妹だから悪いけど妹達優先なんだ」
桃瀬「へー」
さて、先生への確認事項もできたし土日もある。メッセージのグループ作って、みんなの意見を一通り聞いたら今日は解散の方向にしようかな。
〜雪華side〜
桃瀬「石嶺さん、石嶺さん」
「ん?どうかした?」
桃瀬「年の差あるとはいえ、シスコン兄貴じゃ不安にならないの?」
「あ〜。平気だよ、あたしのほうが優先度高いから。それにね、子供の扱いがわかってるからワンオペ育児にはならないし安心感のほうが強いよ」
桃瀬「なるほどね〜」
「まあ。ひろ君のスゴさを間近で見たら、付き合う男子の理想高くなるかもよ?」
桃瀬「そんなになの!?」
「そんなに、です」




