同居開始?
雪ちゃんには悪いが部屋着に着替えた俺が一階のダイニングに行けば、何やらキッチンとのカウンター越しに母さんと雪ちゃんが会話していた。
「おまたせ。何の話ししてたの?」
「ラーメンの量の話よ。夜はお寿司の出前だけど、どの位食べる?」
「何人前茹でてるの?」
「替え玉含めて6人前」
「じゃあ俺も2人前でいいよ」
どうやら昼にラーメンを食べるのはここにいる3人だけみたいだな。
え?量がおかしいって?全員2人前ずつ食べるわけだし。変なところなんてないだろ。
そんな訳で、一度にはドンブリに入らないから我が家では替え玉方式を採用している。
「あやちゃんは?今日は始業式だし、もう終わってるよね」
俺には下に妹弟が3人いる。あやちゃんというのは小学2年生になった妹の事だ。保育園に通う妹と弟の3歳の双子もいるけどまた改めて紹介するよ。
「高校の入学式との時間差がわからなかったから、今は私の実家に行ってる。お昼も向こうで甥っ子と一緒に食べて、今はゲームしてるって」
俺は聞いてなかったが、直接母さんの実家に行くように言っていたみたいだな。
尚、両親の実家も徒歩数分のご近所さんだ。何せ両親は2歳差の幼馴染結婚だからな。
少し長くなるけど、ここに引っ越した経緯を語ろうと思う。
前は父さんの仕事場近くのマンションに暮らしていたけど、雪ちゃんが引っ越したすぐ後に母さんの双子の妊娠が判明。賃貸からマンションか戸建てを購入しようという話は前から出ていたらしく、双子なら広い戸建てのほうがいいという事に、そんな中で互いの両親に双子の妊娠を報告した際に戸建てを購入するという話になったら、元々家庭菜園だったこの土地が安く売られているというので購入し、注文住宅で建てたのがこの家だ。
つまり、両親にしてみれば地元に帰ってきたという事だね。
☆☆☆
さてと、ラーメンも食べ終わったしどうすっかな…と。
「雪ちゃんこの後どうする?帰るなら送るよ?」
「じゃあ、お願いしようかな」
何やら母さんと目配せしてるんだが…?
「広也、あやちゃんの隣の部屋、この前片付けたでしょ?その部屋に雪華ちゃんを連れていってあげて」
「何言ってんだよ母さん。これから雪ちゃん帰るんだよ」
「ひろ君、今日からあたしね、ここに住むのよ。これからずっとよろしくね♪」
「はい?」