来週の学校行事
さて、いよいよ連休が近づいてきた。
まあ連休明けの次の週はテスト前週間、その次の週が高校入学最初の中間テストなんすけどね。
「雪華、連休は両親の引っ越し先に行くのか?」
「まだ、わかんないな。どうして?」
「行くなら俺も行こうと思ってさ。ちゃんと顔を合わせて挨拶しておきたいしさ」
「わかった。父さんに確認してみるから待っててね」
「あいよ」
そんな会話をしておく。
登校すると教室内も中間のことは一旦忘れて連休の予定を話しあう声が多い。尚、休みはカレンダー通りとなっております。
朝のHRで来週にある一年全クラス合同のバーべキューに関する連絡事項があった。
これは新一年限定のイべントで、早い話が交流会みたいなものらしい。
午前中は普通に授業を受けてからバスで近場のバーべキューができる場所へと移動する。
尚、先日俺らがたけのこ掘りに行ったところではなかった。あそこも結構広いけどね。
ある程度の食材は学校側というか、その施設が準備してくれているそうだが、個人での持ち込みもアリとのこと。冷蔵庫保管が必要な食材は金曜までに担任か副担任まで必ず連絡しなくてはいけない。つまりは今週末に買ってからの申告は駄目ってことだな。
こういう行事ってさ、クラスカースト上位を名乗る陽キャ連中が気の弱い人達に押し付けて自分達は遊んでるイメージが強いけど、俺からしたらバカなの?と言いたくなるね。
普段家ではあまり使用することの無い炭火で肉が焼けるんだよ?お肉を育てる楽しみがあるんだよ?それを自ら放棄するとか考えられないね!
やべえ、考えただけで口の中が肉の口になっちまったじゃねえかよ。
まあ、昼の弁当は肉といえば肉だしな、問題ないだろう。うん。
班員は先日の調理実習のときより多くなるみたいだけど、追加は女子に任せたほうが無難かな?
多分だけど厳さんも昌史も同じ考えになるだろうし。そんなことを考えていた放課後に学校から離れた喫茶店にて話し合いがもたれた。
議題は打診してきた人が数名いるけどどうするかという内容。
話によると、先日の調理実習でちょっといいなと思う男子と組んだグループの女子で、その男子連中が調理は女子で自分達は食べるだけ、みたいなスタンスだったらしく一人の女子がブチ切れて男子の分の餃子とスープを用意しないという暴挙に出たそうで、会話のある雪華達に声かけしてきたそうだ。
厳さん「そういうことなら俺からもいいか?実はゲームの話をする友人(仮)みたいなやつとそいつの自称ツンデレ彼女からも打診があってな?彼女のほうから彼氏が気弱で色々と押し付けられそうだからお願いしたい、と相談されたんだよ」
ん?何だか情報量の多い話だったぞ?
「厳さんには相談あったんだな。昌史のほうはどうだった?」
「ん?ああ、俺のとこには無いな」
「そっか。俺も無いから、厳さんとその女子グループになるな。一旦、鳳来さんの意見はどう?」
鳳来「え?うち?」
「ああ。鳳来さんて他クラス含め顔広いでしょ?その立場から意見を聞きたくてさ」
鳳来「女子グループに関しては、少人数の班活動の場合は打診ないと思う。ただ、合同班や多人数の班の場合は今後も打診あると思う。その場合、男子組は全員彼女持ちであることを周知しといたほうがいいかも。あ、内宮とゆきちゃんは平気だよ熟年夫婦感あるからチョッカイかける気も起きないしね。厳田のほうは紹介してよ。ここで名前聞いてもいいけど、今後を考えるとそれだけでの判断はよくないしさ」
おお、流石だ。ん?俺と雪華が熟年夫婦?まあ当然だな!
厳さん「おう、わかった。じゃあ明日にでも俺らの班の人事部長てことで紹介するわ」
「女子グループの雪華と烏野さんの印象はどうなの?折角まとまりのある感じの班を壊したくないからさ」
雪華「あたしは今のところ平気かな。楽しくお喋りできてる相手だしね。もしかしたらブチ切れた子とは気が合うかもだし」
烏野「わたしも平気ですね。その内の一人とは昼食とかを一緒にする間柄ですし」
「とりあえず、女子グループに関しては厳さんと昌史はどうだ?」
厳さん「今の段階ではわからんな。女子との接点は無いから。まあそのためのバーべキューなんだろうけどさ」
昌史「俺も厳さんに同感だな。女子率が高くなると文句言うやつが出るだろうから、対策は必要かもしれないな」
おお。普段寡黙な昌史が長文を。
「とりあえず今日のところはこの辺にしとくか。仮に班だけ一緒に申告して近場で合同でやる感じにしてもいいし。今週中に決めればいいことだしな」
昌史「だな。これ以上は相手がいないことだしな」
鳳来「うちもそれでいいよ」
烏野「はい。わたしもです」
「じゃあ今日は解散で。また明日」
各々が注文した軽食とドリンク代を鳳来さんに渡して、鳳来さんがまとめて支払った。ここのポイントカードがあるらしく、他には誰も持っていないので否定意見はなかった。




