班決め
まだ眠いが起きる時間だ。
夕べは俺にとっては、熱烈な感じのキスをしたからなあ。結局あの後は賢者タイムに突入してから寝たよ。そういうことをするのが意外だって?俺だって健全な男なんだよ!
今の俺にとっては安らぎの空間である飼育部屋に異変があった。
ヒョッヒョッヒョッヒョッと何かが鳴いてるので場所を突き止めると何とジュウシマツの雛でした。ちょっとテンションが上がり眠気が覚めたぜ。カナリヤの時に雛用の餌を購入した時の未開封があったから、いつものエサ入れとは別のに分けてカゴの中に入れておく。
いつも通り、しっかりと朝食を食べたら登校です。
昨日の約束通り指輪は無しだけど、雪華との距離感がいつも以上だったらしく、雪華は質問攻めされてたよ。
一線を越えたのか、とか俺が近くにいるんだから聞こえる声で言わないでよ。
今、雪華のまわりに集まっていない女子は派閥が違うから仲良くはしないだろうとのことを今日の帰宅時に聞いた。
クラスの男子連中に関しては、俺と雪華が同居している事、友達の昌史と厳さんが雪華のことを嫁さん、俺のことを旦那さんで呼んでいるために諦めを通り越した状態であるらしい。
俺と雪華の関係がクラス公認状態なのは良いこと。雪華は明るいキャラだけど辛辣な面もあるからな、彼氏がいると知りながら言いよる男に対しては何を言いだすかわからんからな。
今日は家庭科授業があったけど、その中で次の授業で調理実習をやるとのこと。科目書の前半は裁縫関係だったので意外だ。まあ、裁縫にしろ調理にしろウチでやっていることだし問題ない。
班は5〜6人で、できれば男女混合がいいらしい。
俺達は4人は決まってるから女子を入れようか、となった結果雪華が2人入れたいとの事で男子3人、女子3人の班が決まった。
班長:内宮広也
班員:石嶺雪華、厳田泰蔵、柳原昌史
烏野眞代、鳳来美夜子
「烏野です。石嶺さんと鳳来さん以外は、初めましてになるのかな?クラスメイトではあるけど、まだ会話したこと無いしね。別クラスに好きな人がいます。仲良くしてくれると嬉しいです」
「鳳来でえす。内宮、厳田、柳原とは同中出身。残念ながら別クラスだから、接点はなかったけどね。別の高校に彼氏がいるんでよろしくね」
(昌史)「それって、高幡のことだろ?同じ柔道部だったから知ってるぞ」
(鳳来)「そかそか。てか何で知ってんの?」
(昌史)「あいつ先輩後輩関係なく、部員全員にスマホの写真見せて自慢してたぞ?」
(鳳来)「マジか〜」
そう言って両肘を机につけ、頭を抱える鳳来さん。
(雪華)「まあでも、中学は卒業しちゃったし、いいんじゃない?」
ゆきちゃ〜ん、と言って横に抱きつく鳳来さん。
(雪華)「まあでも?別の高校なら部活以外のクラスメイトにも言ってまわってそうだけどね」
ゆきちゃん!?と今度は驚愕の表情で雪華を見る鳳来さん。ムードメーカー的な人になりそうだな。
「というかさ、何で俺が班長なんだよ」
「何言ってるのよ。自宅でも料理してるんだし、一番上手いの確実にひろ君でしょ?烏野さんと鳳来さんも納得してるわよ?」
(厳さん)「別に全部押し付けるなんてこと俺達はしないよ。ただ、適任なのは事実だからな。何度か俺も内宮の料理に助けられてるしさ」
(昌史)「だな。ただの頭ってだけだ」
(鳳来)「あ、うちも押し付けるなんてしないよ?寧ろ内宮君から料理の仕方を学びたい気持ちのほうが強いからさ」
(烏野)「わ、わたしも鳳来さんと同じ気持ちなんで、雑用とか言ってくれればと思います」
「わかったよ。別に烏野さんと鳳来さんを責める気持ちは一切ないから、気にしないでいいから」
内輪ノリみたいなもん、とフォローしておく。
そんな感じで班員は決まった。
全員、好きな人がいるから逆に気兼ねなく行動できるかもね。
実習班が一緒で折角だからと、女子2人とも連絡先交換しておいた。彼氏さんは大丈夫?と不安になったが、この程度は問題ないとのこと。
グループ名は鳳来さん提案で〘カップル連盟〙となっている。




