表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

269/289

夏休み最初の釣り倶楽部

『チィー…チッ…チィー』

 彩夏が羽化観察したニイニイゼミは現在、リビングの一角にて飼育中。オス一匹メス二匹で声量が小さい事もあり、目立たない存在ではある。何せ声量でいえば飼育部屋のキリギリスのほうが目立つしな。

 セミの成虫期間は短命なんだから逃がしてやれよ、と言われても仕方無いけど彩夏が成虫期間も観察したいと言うので、そのまま飼育することにした。飼育容器は昆虫ケースでは無くて園芸用の室内用簡易ビニール温室で飼育している。これなら高さがあるから鉢植えのサクラの木をそのまま入れられるのもあり、セミのエサに困らないからな。それにビニール製だから観察もしやすいし。


「夏休み最初の釣り倶楽部のターゲットはキスとマゴチです。仕掛けと釣り方はハゼ釣りとほぼ一緒。エサは青イソメなので、俺がつけるから安心していいから」

 水曜日。洋菓子店が休店なので内宮班釣り倶楽部は防波堤ではあるけど、海底が砂地の釣り場へとやってきた。砂浜での本格的な投げ釣りは無理だけど、この時期であれば砂地の防波堤でもキス釣りは楽しめるからな。ここでもサビキ釣りは出来るから、釣れないようなら変更する予定だ。


 明槻「くうっ。キスって白身の美味しい魚じゃん。そんなの釣って帰ったらまた何を言われるか」

 烏野「ド、ドンマイ」

 鳳来「動画だと砂浜から遠投って言うの?で釣ってるけど、釣れるの?」

「この時期なら釣れるよ。砂浜からの釣りは皆には難易度が高いからね。少し小ぶりだけど美味しさは変わらないからさ」

 砂浜からだとヒラメも釣れるよ、なんて余計な事は言わないぞ?


 笹嶋「内宮君。シマシマの変な魚が釣れたよ」

「おお?シマウシノシタじゃん。こんなとこで釣れるなんて珍しいな」

 笹嶋「食べられるの?」

「もちろん。シタビラメって聞いたことあるかな?」

「うん。食べたこともあるよ」

「あれと同じと思ってもらえればいいよ。20cm位だから中型かな?最大は30cm位の種類だから持ち帰る?」

「うん」

 本当は飼育用に欲しいだろ?と思うかもだけど、飼育用に欲しいのはムスメウシノシタかな。こいつは最大でも10cmにも満たない小型種だから飼育しやすいし。


 キスもマゴチも順調に釣れている。俺と雪華以外で珍しいのは笹嶋さんが釣ったシマウシノシタだけ。ま、俺のターゲットは別だし、雪華も最初だけは違う場所を探っていたのもあるし。

「雪華。玉網頼む」

「はいよ」

 他の皆とは違い少しだけある岩礁付近を探っていたら強く引っ張られるので玉網に入れて釣り上げると、イシガキダイだった。

「うわ〜。イシガキダイじゃん。いらないからリリースするかあ」

 小さなサイズなら持ち帰って飼育用だけど、このサイズは食べるのは()()だから逃がそうとしたら。

「そんな美味い魚を逃がすなんてもったいない。いらないならくれよ」

 と釣り上げたのを見に来た他の釣り人に言われたので「どうぞ」と渡したよ。


 仲間と合流したら「無知なやつ」とか「バカなやつ」とか聞こえてくるけど俺にはノーダメージだよ。

 鳳来「結構大きかったのに、いいの?美味い魚って言ってたよ?」

 俺がバカにされているのが聞こえてきたらしく雪華以外が俺のところに集まってきたので説明することにした。

「皆はさ、食あたりって聞いたことあるよね。耳にする機会が多い海産物だと牡蠣(かき)とかかな?」

 コクンと頷くのを確認して続ける。

「あの魚、イシガキダイって言うんだけどさ一定以上の大きさになると、食中毒のリスクが高くなる魚なんだよ」

「「「「えっ!」」」」

「もちろん全部が全部じゃないよ?でも、ウチには保育園児もいるから食べさせたくないんだよ。それにリスクを知りながら皆に渡すような事もしたくないからさ」

 明槻「加熱調理してもダメなの?」

「寄生虫とは違って加熱しようが冷凍しようが当たる時は当たるんだよ」

 烏野「何それ、怖い」

「怖がらせるつもりは無いし、どんなに注意しても体調とかによっては食あたりってあるからさ。俺があの大きさのは食べたく無いってだけ」

 鳳来「なるほどね〜」

 納得してもらえたようなので、釣りを再開する。


 ◇◇◇


 夕方となり納竿した俺達は最寄り駅へと到着。それぞれ帰路につくことに。ただ、今日の俺達は鳳来さん家経由なんだけどね。理由は先日のお礼だ。

「先日は枝豆とトウモロコシをありがとうございました。美味しくいただきました」

 鳳来母「いえいえ。美夜子と仲良くしてくれてありがとうね。これからもよろしくね」

「はい。こちら俺からのお礼のアカハタになります。一緒の場所で釣ったものになりますがお召し上がり下さい」

「あらあら。そんな、いいのに」

「いえ。美味しい魚なので是非」

「では、ありがたくいただくわね」

「はい。では、失礼いたします。 鳳来さん、またね」

 鳳来「うん。バイバイ」


 無事に枝豆とトウモロコシのお礼を言えて良かった。釣果も上々だし気分良く歩いていると。

「アカハタの値段知ったら困惑すると思うんだけど?」

「雪華が去年に続いて再び釣ったキジハタに比べれば少しは安いから大丈夫じゃないの?それに、スーパーで買った場合の枝豆とトウモロコシ位の値段で丁度いいと思うよ?」

「そうなのかな」

 そんなやり取りをしつつ帰宅する。今日の釣果は明日のおかずで本日のおかずは豚の生姜焼きでございます。


 〜鳳来side〜

 色鮮やかで南国の魚な印象のある赤い魚体のアカハタの調理方法をお母さんと一緒に検索していると、販売金額があったので確認してみる。

「お母さん。内宮に渡した枝豆とトウモロコシを買った場合って、この金額より上?それとも下?」

「買う場所にもよるけど、大体一緒くらいね。何の金額なの?」

「内宮がくれたアカハタの金額」

「何だか、すごい子ね」

「…うん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ