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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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来客はお嬢様

 夏休み開始となり、今日は雪華がバイトだから俺は家庭菜園作業をして夕方に雷雨が無ければ彩夏を連れてセミの幼虫を探しに行く予定だ。夏休み開始直後の土日は勉強はしないで、月曜からは彩夏も一緒に午前中勉強する。高校2年だけど大学受験をしない俺にとって、今年の夏休みも色々と満喫する予定だ。


「あやちゃん、お友達が来たわよ」

「あれ?お外で遊ぶ予定なんだけどな」

 昼飯後の食休み中に彩夏の友達が来たようで、母さんが彩夏を呼びに来た。そして、トテトテと玄関へと向かい、しばらくしたらナゼか俺を呼びに来た。

「おにいちゃん、おじょうさまが泣いてるの。一緒に来てくれる?」


 おじょうさまって確か彩夏があげたアゲハの幼虫を持ち帰った女の子だよな。

「はい。何の用事でしょうか?」

「突然申し訳ありません。こちらの幼虫をお返しに来ました」

 そう言って昆虫ケースを渡してくる初老の男性。

「イヤよ!わたしが育てるの!」

 そして、泣きながらイヤイヤしているお嬢様。

「ワガママを言わないで下さい。旦那様も奥様もイモムシは苦手なのですから」

「じいやはわたしの味方じゃないの?」

 じいやって、この子ガチのお嬢様なの?

「あの、この幼虫はもうすぐ蛹になって蝶になりますけど駄目なんですか?」

「はい。蝶であれば苦手とはいえ幾分マシなのですが、毛虫やツルンとしたイモムシはかなりの苦手でして。ただ、お嬢様はお転婆でこういったのが大好きなもので」

 泣き続けるお嬢様が可哀想だ。

「あの!ご両親はカブトムシは大丈夫でしょうか?」

「え?」

「もし、カブトムシが大丈夫ならばイモムシの代わりにカブトムシを差し上げますけど」

「よろしいのですか?成虫を買うとなればそこそこの値段はしますけど」

「大丈夫です。ウチで繁殖したやつですから」

「では、お願いしてもよろしいでしょうか?カブトムシなら見るだけなら問題ありませんので」

「わかりました」

 俺は屈んでお嬢様の目線になり。

「代わりにカブトムシをあげるから泣かないで、ね」

「ほんと?」

「今、持ってくるから待ってて」

「うん」

 グスグスしているけど、とりあえず泣きやんで良かった。


「それじゃあ、好きなの選んでいいよ」

「こんなにたくさん。すごい」

 飼育部屋からカブトムシの入ったコンテナボックスを2個持ってきた。オスとメスを別々に飼育しているから2個なんだよ。持ってきたカブトムシはこの辺で採集した個体の子孫だから万が一放虫されても遺伝子上は問題ない。本当は飼育個体の放虫はしてはいけないんだけど、昆虫飼育に詳しくない人にアレコレ言っても伝わらないだろうしな。


「好きなの選んでいいよ」

「じゃあ、この赤っぽいのとこの黒いのがいいです」

「わかった。メスはどうする?」

 すると、じいや?さんが。

「あの、折角のご厚意に申し訳ないのですが卵を産んで幼虫になると、その、よろしくないので」

「土の中でもダメなんですか?」

「……はい」

「じゃあ、このオス二匹を差し上げます」

「ありがとうございます」

 俺は準備していた昆虫ケースに選んだ二匹を入れてお嬢様に渡す。

「はい。どうぞ」

「あやかさんのお兄さん、ありがとうございます」

「夏休みが終わる頃までは生きているから、大切に育ててあげてね」

「はい!」

「これ数日分の昆虫ゼリーです。後は申し訳ないですが、ホームセンターで購入して下さい」

「ありがとうございます。 では、お嬢様。帰りましょうか」

「あやかさん、お兄さん、またね〜」

 そう言って笑顔でブンブンと手を振りながら車に乗るお嬢様を彩夏と一緒に見送る。


「おにいちゃん、ありがとね」

「あやちゃんの大切なお友達だからね。アゲハの幼虫はウチでチョウチョにしてあげようね」

「うん!」


 お嬢様が帰った後、彩夏は外に遊びに行った。そして、俺は飼育部屋と家庭菜園の作業をしながら彩夏が帰ってくるのを待っていようと思ったんだけど、父さんと一緒に父さんの実家から帰ってきた愛美と朝輝の遊んで攻撃を受けたので、外は暑いからリビングで一緒に遊ぶことにする。


 彩夏が帰ってきたのは晩飯前。

「あやちゃん?セミの幼虫を捕まえに行くから5時の音楽が鳴ったら帰るように言ったよね?」

「おにいちゃん、ごめんなさ〜い」

 俺だけならこの時間から捕まえに行くのも可能だし、羽化は夜中に行われるから現地での観察も可能。ただ、彩夏にはまだ危険だから夕方に捕まえて和室で羽化させる予定なのだ。

「他のセミはまだ大丈夫だけど、ニイニイゼミはそろそろ終わりだから羽化の観察をしたいなら明日は探しに行くからね」

「はーい」


「じゃあ、結局セミの幼虫は捕まえに行かなかったんだ」

「そうなんだよ。俺だけならこの時間でも探しに行くんだけどさ」

「公園内でも暗いと足元危ないもんね」

「ああ。色々と注意をしつつ幼虫を探すからな」

「でも、あたしにとってはラッキーかも。明日はバイトが休みだし、一緒に探しに行けるもん」

「捕獲対象はニイニイゼミだからよろしくな」

「なら行くのは登校ルートから少し外れた神社の境内?」

「だな。あそこで鳴いてるのを確認してるから」

 雪華のバイト帰りにそんな話しをしながら帰宅する。


 明日は捕まえに行きたいから頼むぜ彩夏さん。あと、雷雨も勘弁していただけると助かります。

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