新山君の相談事と土曜日の予定
「内宮君、放課後相談にのってくれますか?」
梅雨入りして、朝から雨が降ってる金曜の朝のHR前に新山君からそんな事を言われた。新山君と下津木さんにはコスプレショップに連れて行ってもらったので「もちろん」と返答する。購入したウィッグは結局使わなかったけど、下津木さんに聞いた収納方法で保管はしてある。
「それで相談ってどうしたの?」
放課後となり、高校からは少し離れた喫茶店へとやってきた。この場にいるのは新山君と下津木さん、俺と雪華の4人となっている。
「内宮君は釣りに良く行きますよね、渓流釣りにも行くんですか?」
「ごめん。渓流釣りはやらないんだよ、俺のメインは防波堤での海釣りだから」
「そうなんですね」
「何か理由でもあるの?」
「今期のアニメで渓流釣りをする作品があるじゃないですか。それで興味が出まして」
「あ〜、なるほどね。簡単そうに見えるけどあれは毛針での釣りだから難易度は高いよ、それに実際のヤマメやイワナ釣りの場合は釣り場の危険度も高いからさ」
「そうなんですか」
下津木「横からごめんなさい。爽ちゃんは本格的にやろうとはしてないのよ。雰囲気とかで十分なの」
「どゆこと?」
下津木「ここだけの話しにして欲しいんだけど、同人誌を描く取材みたいなものなの」
「あ〜、なるほどね。なら、管理釣り場に行くといいよ」
新山「管理釣り場ですか?」
俺は以前、釣り道具屋のポスターにあった管理釣り場をスマホで検索、表示させてから新山君に見せる。
「ここの管理釣り場がオススメかな。実際の渓流をイメージした作りになっているし、池タイプもあるからさ」
「いいですね、ここ」
「実際に釣りをするかどうかは任せるけど、ヤマメやイワナ、ニジマスやアユなんかも水槽展示してあるから生きた状態で見ることが出来るから参考になると思うし。デートを兼ねた取材旅行にでも行ってきたら?」
「道具もレンタル出来るから手軽に行けますね」
「注意点として、撮影しても平気かどうか係員に確認したほうがいいよ」
「なるほど、そうします」
下津木「内宮君ありがとね」
「もうすぐ夏休みだし、楽しんできなよ」
下津木「そうするわ」
新山君が同人誌の題材にしたいアニメって日常系のまったり作品と思わせといて、釣りや魚それに料理の描写がリアルなアニメなんだよね。俺達も楽しく見てるよ。
「今日は相談にのってもらってありがとうございました」
「いいって。それじゃ、週明け月曜に学校で」
「「さよ〜なら〜」」
喫茶店の前で新山君と下津木さんと別れる。
「新山君、同人誌描いてるなんて意外だね」
「ま、恋人の下津木さんがコスプレイヤーだしお似合いだよ」
「あたし達みたいに趣味趣向が同じなんだろうね」
「俺達同様、幼馴染カップルって感じだよな」
「ねー」
「さ、俺達も早く帰ろうぜ。今日の晩飯は雨で肌寒いから鍋物だぞ」
「うん!」
◇◇◇
「ひろ君、大変。明日レオパの店に行きたい!」
晩飯の鍋物を食べ、食後の片付けを終えてリビングのソファでまったりテレビを見ていると雪華が慌てた様子で俺の隣に座る。
「どうしたよ、一体?」
「これ見て、この子可愛い。買いに行きたい」
スマホの画面にはレオパの店のホームページにある新入荷情報が表示されていた。
「確かに雪華が好きな体色だな。値段は手頃と言えないけど大丈夫なのか?」
「うん! こういった時に備えてバイトしてるんだもん」
「わかった。なら開店時間に着くように出発するけどいいか?夕方前から雨予報だからレオパの店に行った後に中カブの収穫もしたいから。日曜は一日中雨予報だし」
「それでいいよ。電話やネットの購入予約はしていない店だし」
「ありがとな。それじゃあ明日の予定は、朝食後にペットショップに行って目当てのレオパを購入。昼飯はウチで食べる事にして、雪華は購入したレオパの飼育ケージ作り、俺は妹弟達と中カブの収穫」
「それでいこう」
「ところでケージはあるけど、その他の器材は大丈夫なのか?」
「大きなのは無いけど数点一緒に購入する予定」
「なら、俺はリュックを背負って行くよ」
「ありがと、ひろ君」
「それと、雨じゃない日にレオパのケージを買っておかないとな。今回ので予備無くなるだろ?」
「そうなんだよね」
「ケージ代は大丈夫なのか?」
「大丈夫だから安心して」
「わかった。キツイ場合はちゃんと言ってよ?立て替えておくから」
「うん。ありがと、ひろ君」
リビングにいたので残念ながらキスは無かったけど、寝るのに自室に入ったらキスされました。
明日は慌ただしい一日になりそうだな。




