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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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全校集会

『えーっ、本日は臨時の全校集会を開催します。内容は昨日の昼休憩に起きた事柄となります』

 登校後、普通であればHRの時間になるけれど講堂での全校集会となっている。まあ、登校中からこの話題ばかりを耳にしていたし、少し異様なザワめきの中で進行していく。


 そんな中、()()の古典の実習生が登壇して経緯を説明するみたいだ。

『昨日は私の従兄弟が大変な事をしてしまい申し訳ありません。実は従兄弟は私に恨みがありまして……』

 実習生の話しによると家系として先生になる人が多いらしい。ただ、従兄弟は顔が似ているけど勉学に関しては劣っているらしく先生になるのは無理との事。でもそれを両親含めて言われる機会は無いみたいだけど勝手に劣等感による恨みを向けられていたみたいだ。

『そして従兄弟は実習生として来ているこの学校で事件を起こし、私のせいにして社会的失墜を目論んでいたとの事でした。本当に申し訳ありませんでした』

 深々と頭を下げる実習生に対して、生徒側は何て言葉をかけていいのかわからないみたいだ。ただ、ザワザワしているだけなのは俺も同じ。そんな頭を下げ続ける実習生を教頭が背中を支えながら壇下へと連れて行く。


 その後、当面の間保健室にカウンセラーを最終下校時刻まで常駐させる事。同様にしばらくの間は警備員を職員室に配置する事などの連絡をして集会は終了となった。


 教室へと戻ってもザワめきは収まらずって感じでいると九條先生が入ってきてHRをするみたいだ。

「内宮君と鳳来さん、それと石嶺さんは当事者なので、蔵持先生と共に職員室へと行って下さい。このHR後からは通常授業が開始されますが、授業に間に合わない場合でも欠席扱いにはなりませんのでお願いしますね」

 蔵持先生「では、職員室へと向かいましょうか」

「「「はい」」」

 この三人の場合だと普段であれば蔵持先生とは気さくな雰囲気になるんだけど、今日は全員無言で廊下を歩く。廊下を歩く生徒は俺達だけなので各教室からのザワめきが良く聞こえてくる。


 俺達三人が職員室へ入ると昨日襲われた女子の生徒会役員三人と生徒会長もいて、そこに合流する。

 教頭「君達当事者にはある程度の事を話しておこうと思います。場合によっては手首を掴まれたあなたはカウンセリングを受けたほうがいいかもしれません」

 鳳来「そんなになの?」

 おっと、鳳来さんが思わずといった感じで声を出してしまう。

 教頭「実はあの時、彼が所持していた墨汁の容器ですが中身は墨汁ではありませんでした。警察の解析によるとアオカミキリモドキの仲間を潰した物との事でした」

「「「「「???」」」」」

 生徒会長「何ですか?それは?」

 教頭「我々にも良くわからないのですが、生物の先生によると……」

「アオカミキリモドキの仲間は体内にカンタリジンという刺激性の化学物質を含んだ毒成分を持ってるんです。あやまって潰したりして体液に触れると皮膚に炎症(水ぶくれやかゆみ)を起こすヤケドのような状態になる虫として有名なんですよ。今の時期なら簡単に入手可能ですね」

 教頭の言葉を遮る形にはなったけど、生き物好きの血が騒いでしまい説明してしまった。生物の先生スマン。

 生徒会長「なんだって!」

「それと、待って下さい!彼は何故か髪を染めている生徒に執着していました。雪華は地毛ですけど、この場にいる鳳来さんや手首を掴まれた役員の先輩も髪を染めています。ただ、墨汁で髪を黒くしたかっただけと違うんですか?」

「それは私から説明します」

 そう言ったのは罪を擦り付けられそうになった実習生だ。

「私が古典を選択しているのは自分自身が面白いと感じているからですが、私の恋人は黒髪ロングなんですよ。そこで従兄弟は勝手に私が絵巻物に描かれているような女性が好きと判断し、髪を染めている方達をターゲットにしようと考えたそうなんです」

 生徒会長「なるほどな。ここからは推測になるけど選定の結果、インパクトのある生徒会役員の彼女に犯行を決めたのか」

「「「サイテー」」」

「すみません。気になったのですが授業を普通に参観してましたけど、同時に二人で参観していた時間帯もあったって事ですか?」

 俺は軽く手を上げて質問をする。

 教頭「それはありませんでした。本当の実習生を担当している教師が職員室にいる時に彼も一緒に職員室にいる事は確認済です。なので、他の古典の教師が授業中に加害者が参観をしていたようです。担当以外の授業も参観したいと言われれば教師も悪い気にはならないし、本来の担当教師に報告もしませんからね。うまく立ち回っていたようです」

 生徒会長「なぜ昨日、犯行に及んだのかは判明しているのですか?」

 教頭「昨日からは実習生が実際に授業を行いますからね。言い逃れが無理になるからでしょう」

 生徒会長「なるほど」


 その後も色々と聞かされたけれど、取り押さえた俺達側よりかは先輩に関する内容のほうが多かった。結局、話し合いは昼休憩前まで行われて解散となった。


 鳳来「うちとゆきちゃん、いる意味あったのかな?」

「俺に関する質問はあったけど現場にいた以上は聞く権利はあるんだし、いいんじゃないの?」

 鳳来「今回の事は気楽に考えたほうが良いもんね」

 俺にはどうしてあの場にいたのか問われたけどね。放課後に雪華の格好をしておびき寄せる作戦があった事は伝えてないけど、雪華に敵意のある視線を向けていたのもあって気になって尾行したのは正直に話しておいたよ。


 鳳来「うちらのクラスにも実習生いるけどさ、自分には無関係とは言え実習生を装った犯行だからやり辛いだろうね」

 雪華「同情はしちゃうよね」

 鳳来「ねー」

「ま、今週で終わりだし頑張って乗り切って欲しいよな」

 こんな事件があったんだし、他の実習生に警戒する必要は無いだろうしな。


 教室に戻れば、俺達新たに希望組がカウンセラーは若い女性かどうかで盛り上がっていたよ。お前さん達ってホントにブレないよね。

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