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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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意外な結末

「くぅ〜」

 授業が終わり、画面から目を離した俺は伸びをした後に目薬を点眼した。

「内宮にとっては珍しく苦手分野だよな」

「そういう厳さんは本格的に学ばないのか?」

「俺は作るほうよりプレイするほうだよ」

「さいですか。でも、昼飯前の授業ってのはありがたいよな、脳を使って腹の減りが早いし」

「不思議な腹だな」

 コンピューター室にてプログラミングの授業が終わった。画面を見つつの細かい作業って俺は苦手なんだよね。手元を見ながらの細工は好きなんだけどさ。

 コンピューター室の出入り口は1か所だけなので、ゾロゾロと出ていくクラスメイトを少しの間見送る。


「ひろ君戻ろっか」

「だな」

 そう言ってコンピューター室を出たら、ある人物が歩いているのが目に入る。向かっているのは生徒会室?良く見ると前方に知っている生徒会役員の女子と他二人が歩いている。

「雪華ごめん、先に戻って昼飯食べててくれ」

「どうしたの?」

「ちょっと気になるから尾行する。ほら、あそこ」

「なら、あたしも行く」

 という事で二人で尾行する為に()()がいるほうに歩き始めると。

 鳳来「ちょっと二人共、教室とは別方向に行ってどうすんのよ」

「ちょっと気になるから尾行する。何事も無ければそのまま教室に戻るから」

 俺達の視線の先を確認した鳳来さんは。

 鳳来「! なるほどね。うちも同行するわ、何かあった時の為に撮影してる人がいたほうがいいでしょ」

 という事で三人で尾行する。何だろう、不謹慎だけどテンションが上がってきたぜ。


 特に変わった様子も無く、生徒会室に続く廊下の曲がり角のタイミングでヤツが動いた!

「ちょ……す……は…て」

 言ってる事は聞き取れないけど、女子の手首を掴んでいるのは確認出来たので、走りながら。

「この曲者めーっ!」

 と声を出せば、他に人がいるとは思わなかったヤツは驚いた顔をするその間に、女子の手首を掴んでいた右手の関節をキメて痛みによって手首を離したタイミングで床に伏せさせる。


 制服のリボンで襲われていない女子二人も先輩とわかるけど、動転しているので指示を出させてもらう。

「先輩!生徒会室に他の役員がいるなら呼んできて下さい。もう一人の先輩は職員室に行って古典の実習生に襲われたと報告してきて下さい。お願いします!」

 俺の声で我に返った先輩は「「わ、わかった」」と言ってそれぞれ動いてくれた。


「う、内宮君だよね?あ、ありがとう」

「この男には警戒していたので。尾行してきて良かったですよ」

 俺と襲われた先輩がそんな話しをしていると生徒会室から会長も一緒に来てくれた。尚、雪華は警戒しながら床に座りこんだ先輩の背中をさすっていて、鳳来さんは撮影中だ。


「う、内宮君?こ、これは一体?」

「お久しぶりです会長。そこに座っている役員の先輩がこの男に襲われたんですよ!襲われた時の出来事は知らせに来た、そちらの先輩に聞いて下さい」

 会長と女子役員が会話を始める。すると別の男子役員が襲われた先輩の傍に座り。

「だ、大丈夫なのか?」

「う、うん。手首を掴まれた時に内宮君が来てくれたから」

 先輩の手首を確認するのは男子の役員。そう、この二人は球技大会の焼きおにぎり販売の時にへルプで来て帰る時に手を繋いでいた二人なのだ!だから女子のほうは知ってたんだよね。すると、生徒会の人達が来たので撮影をやめていた鳳来さんが男子役員に向けて。

「ちょっと先輩!人目はありますけど、そんなんじゃなくて抱きしめて背中をさすってあげて下さいよ!まだ震えてるんですよ?こういう時に安心させてあげるのが彼氏ってもんでしょーが!」

 と男子の先輩に説教をしたよ流石だね。


「何でお前がここにいる!」

 先生達の到着の第一声がそれであった。あれ?俺が今組み伏せている男と同じ顔だぞ?まさかの双子なのか?

「内宮君、申し訳ないけど今こちらに男子の柔道部顧問の教師も向かっています。それまで拘束してもらえますか?」

「大丈夫ですよ。何なら職員室まで連れて行きますけど」

「いや。お願いしておきながら矛盾しているけど生徒に不審者と長く一緒にいさせる訳にはいかないからね」

「わかりました」

 教頭と生徒指導の先生に言われちゃ仕方無いな。引き渡す時に楽になるように上半身を起こそうとしたら左手に何か持ってるみたいだ。


「生徒会長すみません。布手袋と透明な袋って生徒会室にありますか?」

「あるけど、どうしたんだい急に?」

「柔道部顧問の先生に引き渡しやすいように上半身を起こそうとしたら左手に何か持ってるんですよ」

「「「何だって!?」」」

 その場に緊張が走る。当然だよな、実は実習生じゃない不審者なんだから。

「刑事ドラマの見過ぎと笑われるかもしれませんが、この男以外の指紋の付着は避けるべきかと」

「いや、一理ある。会長、悪いが用意してもらえるか?」

「わかりました。すぐ取ってきます」

 そう言って会長自ら取りに行ったよ。流石は行動力があるね。

 そんなこんなで会長と柔道部顧問の先生が来たのは一緒だった。

「遅くなってすまなかった。後は俺が拘束して職員室に連れて行こう」

「その前に左手に所持しているのを回収しましょう。両手を拘束した状態で上半身を起こすのでお願いします。関節をキメた状態なので身動きは出来ないので安心して下さい」

 そう言って上半身を起こす。果たして所持している物は何だ?

「これは墨汁?」

 布手袋をした教頭が取り上げたのは墨汁の入った容器だった。その容器を透明な袋へ入れたのを確認したので不審者を立ち上がらせて、柔道部顧問の先生に引き渡す。

「では、先生お願いします」

「わかった。今までありがとう。 ほら行くぞ」

 当たり前だけど俺とは拘束方法が違う。ま、体格差があるし、長時間俺に関節をキメられてたから素早い動きは無理だろう。何せ痛みで声が出せなかったんだからな。


 残った先生と生徒会の人達からお礼を言われて教室へと戻ることにした。

「鳳来さんも雪華もごめんな、昼休憩半分以上過ぎちゃったよ」

 鳳来「大丈夫よ。それに午後の授業は自習か早めの帰宅になると思うわ」

「何で?」

 鳳来「校内でこんな事件が起きたのよ?先生達はその対処があるんだもの。いくら教員の数が多いからといっても、授業は無理よ」

「なるほどなぁ」


 教室に戻ると何故か遅い俺達を内宮班の皆が心配してくれたので事情を説明した。何とか昼飯を食べ終えると鳳来さんの予想通り、午後最初の授業は自習でその後は予定を変更してHR。そこで昼休憩中に起きた事を説明して、明日臨時の全校集会で詳しい事情説明があることを伝えて帰宅の流れとなった。HRは担任・副担任の先生のみで実習生の姿は無かった。間接的には実習生絡みの事件だったからかもしれない。実は俺が捕まえた男は本当の実習生の従兄弟で顔が瓜二つなのを利用していたそうだ。その辺の詳しい事情も明日の全校集会で説明があるとのこと。


 帰宅後、両親に今日の昼休憩中にあった事を話し、臨時の保護者説明会があるかもしれないと伝えておいた。両親は俺の心配をしつつも人助けをして偉いと褒めてくれたよ。


 こうして、高校での悪意ある視線の問題は解決したのだった。

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