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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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先生達からの要望料理

 長く感じたテスト週間も終わった金曜日の放課後に内宮班は調理室に集合している。

「これが、今日食べる先生方が用意した食材よ。炊飯器でご飯は炊いているけど後はお願いしていいの?」

「はい。購入する食材の量は伝えてありますから大丈夫だと思います。足りない場合は近くのスーパーに買いに行きますから」

「わかりました。職員室への入室はまだ無理ですが、何かあれば呼んで下さいね」

「わかりました」

 そんな多澤先生とのやり取りでわかるように主に女性の先生達に振る舞う料理を作ることになった。

 教頭をはじめとした上の方達も圧には逆らえなかったようだ。ただし、現状ではこの一回限りとなっている。それは俺にとってもありがたいことで、これからの季節は食中毒に気をつけないといけないからな。加熱調理するとはいえ学校の調理室でそんな事になれば大変な事態になるからさ。


「本当ならテストが終わった解放感を早く味わいたいと思うのに集まってくれてありがとう。では、これから作るメニューを伝えます」

「「「「「おー!」」」」」

 パチパチパチ

「まずメインは豚カツ。これは近場に豚カツ屋が無いのと、油ものは調理が面倒臭いのが理由と思われます」

「「「あー」」」

「豚カツをするなら一緒にコロッケを作りたいと思うので、ジャガイモとそら豆のコロッケを作ります」

「お肉は入れるの?」

「入れない代わりにそら豆を使う感じかな。だからポテトコロッケだと思って」

「わかりました」

「ちなみに豚カツとコロッケの揚げる作業は、舞原さんと雪華、それと俺と鳳来さんがやります」

 鳳来「大丈夫かな?」

「大丈夫!一番最後に揚げる予定だし、俺が常にいるから安心して。コンロに温度制御装置があるとはいえ油の使用は怖いからね」

 鳳来「うん」

「最後に今回の切っ掛けになったリハマカロニラーティッコだね。これは雪華が中心で頼むよ」

「まかせて」

「後は残り野菜でスープを作る感じかな。何か質問ある?」

「出来上がりの時間はどの位かな?」

「1時間位を目安にしているよ」

「意外と時間かかるね」

「実はリハマカロニラーティッコの焼き時間があるからさ。それと、意外にもポテトコロッケのジャガイモの加工時間なんだよね。たからこそ自宅で少量作るのは面倒臭いと思うから選んだのもあるからさ」

「「「「「なるほどね〜」」」」」

「他になければ、早速調理に取りかかろう!」

「「「「「おーー!」」」」」


 まずは俺と雪華でリハマカロニラーティッコの焼き作業の準備まで進める。その間に男子組には冷凍そら豆を茹でる作業と薄皮むき。女子全員でジャガイモの皮むきと芽とり。ジャガイモの芽には毒があるから、実は責任ある作業になる。その事を伝えると不安な人ばかりになったので、皮むきだけしてもらい俺が芽とりをすることになった。

 芽とりまで大丈夫なのは、舞原さんと笹嶋さんだ。笹嶋さんは意外だろうけど両親が調理の仕事をしているから知ってるみたいだね。本人は省エネモードが好きだけどさ。陽翔には省エネモード中の笹嶋さんがたまらなく可愛いと惚気られたよ。


 ワイワイと楽しく調理をしていると時間はあっという間に過ぎていき。

「よし、最後に豚カツを揚げたら調理終了だな。俺はキャべツの千切りをするから三人共頼むね」

「「「うん」」」

 千切りキャべツはキャべツを細かく切るだけと思うだろうけど、繊維を断ち切るように切ればふわふわに、繊維にそって切ればシャキシャキにキャベツの食感が変わるんだよ。だから意外と時間がかかるから出来上がったのは豚カツが揚げ終わるのとほぼ一緒。


「全部完成したから、みんなで盛り付けを頼むよ。俺は多澤先生に5分後位に来てもらえば温かい状態で食べられるって伝えてくるから」

「「「「「はーい」」」」」


 職員室へ来た俺はノックした後にドア付近の先生に多澤先生を呼んでもらおうと思ったのだけど「多澤先生、内宮君が来ましたよ」と速攻で呼びに行ったよ。あの先生も依頼組なのかな?

「内宮君、完成したのですか?」

「はい。今、盛り付け中なので5分後位に来て下さい」

 俺がそう言うと「わあっ」と盛り上がった声が聞こえてきた。お待たせしてしまいましたかね?


 調理室に戻った俺は。

「やべえぞ!腹を空かせた先生達が目の色を変えてここに来るぞ」

「「「「「ええ〜、本当に?」」」」」

 と疑われるも、実際に先生達が到着したらその光景に驚いていたよ。


「内宮君、今日はありがとうね」

「いえいえ、汚い言い方になりますが食材が先生持ちのタダ飯が食べられたので大丈夫ですよ」

「ふふっ、そうですか。後の片付け作業は先生達でやっておきますから、帰宅しても平気ですよ」

「え?いいんですか?」

「はい。それを含めての食事会なので」

「わかりました。では、お言葉に甘えて帰らせていただきます」

「はい」


 内宮班全員に後片付けは先生達がやるから帰っていい事を伝えて、皆して帰路につくことに。

 帰ってる途中に昌史から「義妹(いもうと)とその友達の分までありがとな」と言われるも「5人分位増えるのは問題無いさ。逆に皆にジュースを奢ったから昼飯代以上になっちまっただろ?誰も文句は無いさ」と伝えておく。昌史も律儀な性格だよな。


 後日、多澤先生から教頭を筆頭に上の先生方が次回の食事会に前向きと聞かされるのであった。

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