中間テスト前の土日
今週の土日は中間テストがある関係で雪華のバイトは休み。普段ならばデートに行きたいところだけれどテストも大事なので、一緒にお勉強です。
「ひろ君?言ってる事とやってる事が全然違うんだけど?」
「しょうがないじゃん。流木の譲渡会があるんだから。こっちも重要よ?それに午後からはお勉強タイムだもん」
「はい、はい」
土曜日に梅雨入り前の清掃活動で出たであろう流木の譲渡会が開催されるので、朝食後に父さんに車を出してもらい雪華と一緒に会場へとやってきた。前回は雪華は参加出来なかったから、今回は連れてきたんだよ。
「ところでさ前回のがまだ使わずにあるよね?」
「あるけどさ、形の良い流木は確保しておきたいじゃん」
「うん、まあ、確かに」
釣りやガサガサは海でやるけど、淡水の魚や水生昆虫とかももちろん飼育しているからな。見映えはもちろんだけど、隠れ家としての役割もある流木はありがたいんだよ。それに、前にも言ったけど購入すると意外とお高いのよ?
譲渡開始時間となり雪華と一緒に物色していく。
「色々言いはしたけどさ」
「ん?」
「こういう物色って楽しいよね」
「だろ?ウインドウショッピングに通じるところがあるよな!」
「う〜ん。それはどうだろう」
「あれ〜?」
「ま、ひろ君とあたしの関係なら同じかもね」
そんな話しをしつつも流木の選定は続いて、今回も折り畳みコンテナボックス2個分満載にして帰宅するのであった。
昼飯を食べたら宣言通りにお勉強のお時間です。和室にローテーブルを出して、雪華と二人で勉強タイムだ。ちなみにこのローテーブルは漫画やギャルゲーとかで良く見る天板がガラス製では無いからな?雪華の生脚や下着の一部が見えるといったドキドキハプニングは起こりません!まあ、雪華の場合は「生脚見せて」と言えば見せてくれそうだけどそれ以上の要求もありそうなので怖くて言えませんが。それ以前に雪華の格好はロングスカートだから無駄なんだけどね。
「もしもし、厳さん?今、通話大丈夫か?」
『おう大丈夫だぞ!どした?』
「実は数学の問題集でイマイチ理解出来ないところがあってさ、一緒に同じ問題集買っただろ?ちょいと花穂さんの解説聞きたいんだよ」
『そういう事なら今、一緒にいるから……』
そう厳さんが言ったところで『あ〜ん』と艶かしい声が聞こえてきた。
「もしもし泰蔵さん?あなた、俺との通話中にも関わらずナニをしてるんですかね?」
『おい待て!何か誤解してるな?姉ちゃんは今、レトロゲームをやっていて残機が減ったから嘆きの声を出しただけだかんな!』
「………」
『おい、コラ無言になる『あ〜ん。次、たいちゃん早く〜』姉ちゃんも誤解を招くような声での言い方はやめてくれねぇか?』
俺は無言で通話終了のマークをタップしたよ。
「あれ?厳田君のお義姉さんに聞くんじゃなかったの?」
「ああ。現在お取り込み中みたいでな、悪いことをしたよ」
「? ふ〜ん」
そうか厳さん。お前さんは大人の階段を登り終えているのだな。するってぇと、昌史も?昌史もなのか?
二人とも俺と同じく恋人と同居してるんだもんな、そうなるのは必然か。俺?俺の場合は自制が必要なのよ。両親もその親も現代にしては子沢山だからさ、そっちの欲求が強いのを自覚しているんだよ、だから一度雪華を求めたら歯止めが効かないのはわかっているから時が来るまでシないと決意しているの。
「ひろ君?どうしたの?大丈夫?少し休もうか?」
「そうだな、少し休もう。ちょっと飼育部屋でリフレッシュしてくるよ」
「はーい。あたしもほうじ茶飲もうっと」
厳さんからの着信が止まる気配が無いので仕方無く出たら「本当に誤解だから」と言うので、今回はそういう事にしておいてあげたよ。
結局、数学の問題は雪華が解き方を知っていたから教えてもらって無事に解決しているので安心して欲しい。
翌日の日曜の午前中は家庭菜園の色々をしてたんだよね。ウリ類はもちろんだけど、トマトやトウモロコシといった夏野菜のタネ蒔きや植え付け作業があるから下準備をしていたんだよ。
キュウリも今までは雪華の味噌汁用のみだったけど、店で売られているような太さのも収穫するから去年よりも植える数はかなり増える予定だ。
妹弟達と蒔いたカブも順調に成長しているし、母さんとの悪巧みの丸型ダイコンも育っているから、この区画も楽しみだな。
昼飯には雪華がアサリを使ったパスタを作ってくれたので、これでアカニシ貝を含めて潮干狩りで収穫してきたのは全部使ってしまったよ。
午後は晩飯の時間まで昨日同様テスト勉強をして土日は終了。雪華も昨日と今日でガッツリ勉強したから今日はもう寝るみたいだ。
さ、明日からのテスト頑張りますか!ってそう言えば金曜日の先生達への料理ってどうなったんざましょ?




