レトルトは調理実習に入りますか?
テスト前週間ではあるけれど、通常授業以外も当然あるわけで、本日は調理実習となっております。
登校した俺と雪華は教室へは向かわずにまずは職員室へ、テスト前週間なので職員室内には入れないので多澤先生を呼んでもらい調理室へと一緒に向かう。
「では、内宮君の班の食材はここの棚に置いて下さい」
「わかりました」
今日使用する食材は冷蔵保管が必要だから調理室内の冷蔵庫に保管させてもらう。
これは俺達が特別では無く、クラス全員に通達されている事なので俺達以外にも冷蔵庫に食材を保管する人達はいるはず、だよな。
調理室は常にカギをかけてあるので、食材にイタズラをするとかは出来ないので安心だ。
◇◇◇
時間は過ぎて調理実習のお時間となりました。
「では、調理を開始していきますが、本日は雪華が主導でやっていきます。では、雪華先生お願いします」
「ちょっと、やめてよ!それじゃ、野菜の下処理と肉の下処理をやっていくよ」
「「「「「おー」」」」」
「そんじゃ、俺達男連中はライ麦粉を捏ねる作業をしていくぞ」
「「おう」」「はい」
カレリアパイはライ麦粉で捏ねた生地に牛乳粥を包んでオーブンで焼く料理。ただ、牛乳粥を冷ましておく必要があるので、牛乳粥は自宅で朝に作っておいたのを持参した。そして、2時限目が体育だったこともあり、こぶし大の大きさのパイを一人三個食べる計算で作る予定だ。もちろん女子の中には三個なんて無理って人もいるだろうけど残さず食べる人達がいるのもこの班の特徴だよな。
「雪華、そっちはどうだ?」
「サーモンスープは野菜を弱火で煮ているところで、ミートボールはパン粉に牛乳が染み込んだからこれから作るところ」
「なら、何人か牛乳粥を包む作業に回せるか?ライ麦生地完成したから」
「わかった」
「ということで、これからパイ包みを開始します。見本はこの様にヒメシャコガイみたいにします」
「「「ヒメシャコガイって何?」」」
「こら、ひろ君。そんなマニアックな貝の名前を言っても伝わらないわよ」
「ごめんごめん。俺達の場合だとこの表現で一発だからさ、ついね」
「確かにそっくりだから否定出来ないのよね……」
「では、改めて。ギョウザの具材を詰め込みすぎた様な形にしていきます」
「「「なるほど」」」
パイを包みはじめて半分位出来たところで。
「先生すみません。オーブンを250℃で予熱したいのでお願いできますか?」
「わかりました」
他の班の調理風景を見ていた多澤先生に声をかけてオーブンの予熱をしておく。
「ひろ君、そっちはどんな感じ?」
「これから焼成するところだ。だから15分位で完成だな」
「こっちも出来上がるから、昼休憩には問題無く食べられるね」
「だな」
約15分後、カレリアパイが焼き終わる。後は手分けしてパイの上部の表面に溶かしバターを塗ったら完成だ。
「多澤先生、完成したのでお願いします」
女子組に盛り付けをしてもらったので先生を呼びに行き、俺達の班の場所に到着したら雪華が作った料理の説明をする。
「今回作ったのは、ライ麦粉の生地に牛乳粥を包むカレリアパイとも呼ばれるカルヤランピーラッカ。ミートボールのリハプッラ。サーモンスープのロヒケイットになります」
いつもの試食だけどカレリアパイは先生用に一口サイズのを別に作っておいたぞ。
「随分と手の込んだ料理ですね」
「カルヤランピーラッカの牛乳粥以外は下ごしらえの時間も含めて時間はそれほど必要としない手頃な料理ですよ」
「なるほど、いつも通り美味しかったです。では、皆さんは食べ始めてもいいですよ」
「「「「「ありがとうございます」」」」」
「「「「「いただきまーす」」」」」
と食べ始めるんだけど、雪華は不安からか皆の食べる様子を見ているけど。
「カレリアパイ美味しいね」
「お粥だからどうかと思ったけど、体調が悪い時に食べるお粥と違って水分はほとんど無いし焼いてるからいい感じだよね」
「おにぎり感覚で食べられるよね」
といった感じで大好評だ。
ミートボールは試食で食べているのもあって問題無いし、サーモンスープはシチュー感覚だからこれも問題無いみたいで雪華もホッとしていたよ。
結局全員カレリアパイも含めて完食していたよ。逆に足りていたかどうかのほうが心配になる位だったからね。
昼休憩も中盤となり、食事や後片付けも終わった俺達含めたクラスメイトが調理室を退室していく中で、俺達窓際組が多澤先生から注意をされていた。自分達では最初から作れないから、レトルトのレンジでチンするだけのを作って終わりにしたみたいだ。やらかしが多すぎてどこの班にも入れないから仕方無いのかもね。
しっかし調理実習をレトルトのみで終わらせるなんて、かなりの猛者だよな。




