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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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連休最終日

 大型連休といってもさ、三連休位ならたまにあるからそれと大差無いよねって感じだ。去年はもっと楽しかった印象だけど、雪華と過ごす連休だったからテンションが違ったのかもね。

 去年の連休といえば、採集してきた生き物は全部元気に生活しているぞ。野生の個体は寿命まで後どの位かわからない部分もあるから元気なのはいい事だ。ま、これは購入した個体にも言えるんだけどさ。


「サクラダイの様子はどう?」

「今のところは問題無いよ。水合わせに薬浴も無事終わって水槽に導入したしさ。心配なのは寄生虫だけ」

「そっか、そっか」

 昨日の釣りで雪華が釣ったサクラダイは合計五匹。その内体格のいいのがオスになるだろう。仮に今後サクラダイが釣れた場合はこのグループと一緒にはしない。ま、水槽の許容量としても無理だけどさ。


「昨日はクサフグが釣れたようにエサ取りが増え始めるから意外な魚の稚魚が釣れるかもな」

「楽しみだね」

「俺としてはネンブツダイとかの口内保育で繁殖が狙える魚も欲しいから頼むぜ」

「釣れたらいいね程度でお願いよ。目視で狙えるガサガサとは違うんだから」

「はいよ」

 そんな会話をしつつ雪華をバイト先へと送っていき、帰りにはホームセンターに寄って野菜苗の種類や状態を確認しておく。


 キュウリとかの一部のウリ類はタネから育てるけど、メロンやスイカは()()()苗を購入しているからね。どうやら去年育てた品種はまだ販売されていないようだ。通販での購入も可能なんだけど苗の状態が届くまでわからないのが不安なんだよね。野菜とかの収穫する植物は苗の立て直しが難しい場合があるからさ。


 昼食後。

「母さん、貰ったカブのタネまきするけど見る?彩夏達にやってもらおうと思うけど」

「じゃあ、子供達を撮影させて」

 ということで家庭菜園区画の日当たりがいい場所にカブのタネまきをしよう。日当たりのいい場所は人気区画だけど、ウリ類の連作を防ぐ為と考えることにしたよ。


「お兄ちゃんが指で穴を開けた場所にタネを()くからね。まずは、あやちゃんからやってみようか。あみちゃんとあっくんはお姉ちゃんを見ててね?」

「「うん」」

 まずは彩夏に1品種を蒔いてもらう。俺が開けた穴に三粒程蒔いたら軽く土をかけるのを繰り返していき。

「ふーっ。まき終わったー」

 やり遂げた感を出す彩夏に母さんが笑ってしまう。

 その後も愛美と朝輝にも蒔いてもらい。ジョウロで軽く水をかければタネまきは終了。その後に豆類の時と同様に野鳥からタネと発芽した芽を守る為に防鳥ネットをトンネル状に被せれば終わりだ。


「おにいちゃん。これって、かぶなの?」

「そうだぞ。あっくんが好きなお野菜だね」

「おにいちゃん。えほんみたいにおおきくなるかなぁ?」

「大きくなるといいね。その時はあみちゃんも抜くの手伝ってね?」

「うん!」

「ぼくも手伝う!」

「よーし。あっくんも頼んだぞ」

「うん!」

 今日蒔いたカブの種類には大かぶと呼ばれる品種もある。順調に生育すれば、愛美や朝輝にとっては絵本みたいな体験になるだろう。どんな反応をするか楽しみだぜ!


「広也、広也」

「どしたよ、母さん」

「カブじゃないけどさ、丸型の大きなダイコンあるじゃない。あれも蒔いとくってどうかしら?」

「母さん。お主も(わる)よのぉ」

「ふふふっ。子供達の驚く顔が見たいだけでございますよ」

「仕方の無いやつめ。タネを取り寄せてこっそりと蒔いておくわ」

「流石は広也様。楽しみでございますなぁ」

 そんな母さんと俺の時代劇ごっこを不思議そうな顔で見ている彩夏なのでした。


 父さんも今日まで休みなんだけど実家に行ってる。父さんの両親は旅行中だけど姉さんがいるから、話し相手になっているみたいだな。そんな父さんは晩飯の準備が終わってリビングのテレビを妹弟達と見ていたら帰ってきたよ。そんで、母さんと会話を始めたんだけど。

「あら、お帰りなさい」

「ただいま」

「お義姉さんとの話しは楽しかった?」

「ああ。今までは年に数回会えれば良かったけど戻ってきたからな。離婚して落ち込んでいるかと心配したけど、楽しそうにしていたよ」

「表情に出やすい人ですもんね」

「ただな、息子の裕隆君がこっちに戻るのを聞いた時に大喜びしたみたいでな?どうやらここら辺に彼女がいるらしい」

「あら、まあ」

「広也にも言えることだけど、彼女の存在がバレたら両親のことだからすぐに結婚話になりそうで悩んでいるよ」

「わたしの両親も一緒だから、困ったものよね」

「まったくだ」

 父さん、実は裕隆だけじゃなく陽翔も彼女持ちなんですよ。そんなのを知った祖父母は三日三晩の宴に突入するかもな。


「連休終わったね」

「だな。でも今月はまだ潮干狩りが残っているからさ」

「うん」

「来月もバイト多めに入れてもいいからな?」

「どうして?」

「夏休みは去年よりも出かける頻度が高いかもだからさ。内宮班釣り倶楽部としても」

「そっかー。去年は雨の印象少なかったけど梅雨の時季は出かけ無いもんね。うん、わかった」

 こうして連休は終わるのであった。

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