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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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釣り日和

 さて、今日は連休中で唯一の雪華がバイト休みの日だ。今月は中間テストがある影響で約2週間はバイト禁止になるから、少し多めに入れてるんだよね。

 今日は端午の節句でもあるので、朝食は赤飯とお吸い物となっている。母さんが雪華に赤飯について何やら話していたけど、雪華はまだ嫁入り前ですよ?



「今日は皆には少し大物を狙ってもらおうと思います」

 パチパチパチ

「明槻さんは少し慣れてきたと思うのでタイ釣りをしてみようか」

 明槻「えーっ?何だか難しそう」

「ウキが沈むから、それにアワセればいいから難しく考える必要は無いよ」

「鳳来さんと笹嶋さんは前回同様にサビキ釣りにするけど、メインターゲットのアジは成長しているから良型に期待出来るから」

「「おー」」

「俺と雪華は胴突き仕掛けで何が釣れるか不明」

「あはははは」

 明槻「今日はイカは狙わないの?」

「狙わない。産卵を終えて寿命になっているのも出始めるし、それに潮の干満差が少ないから動きが鈍いのもあるからね」

 鳳来「なるほどね〜」

 笹嶋「美味しいイカが食べられないのは少し残念かも」

「ま、明槻さんがタイを釣ってくれるのを期待しましょう」

 明槻「プレッシャーかけないでよ!」


 最寄り駅に集合した俺達は釣り場の防波堤へとやって来た。今回は残念ながら烏野さんはバイトなので不参加だ。烏野さんの分まで皆で釣ろうと電車内では話してある。まあ、笹嶋さんは桃瀬さんの分も釣らないといけないみたいだけどね。

 新山君と下津木さんのコンビは各地のコスプレイべントに参加して楽しんでいるみたいだし、厳さんと昌史も恋人とデート。舞原さんは釣りに興味があるのか不明だけど、裕隆とゲーム内含めてイチャイチャしている模様。

 そう考えると、内宮班釣り倶楽部のメンバーは固定な気がするね。


「釣れたー」

 最初に釣れたのは鳳来さん。中々の良型のアジを三匹釣り上げた。

「やっぱ、前回より型がいいな。きっと美味いぞ」

「前回よりブルブル感が強かったよ」

 そんな会話をしていると、笹嶋さんも釣れたんだけど。

「これはクサフグだから食べられないね」

 残念ながら、二匹はクサフグだった。ぷくっと腹を膨らませているよ、海へと即リリースだ。

「残念」


 やっぱりサビキ組は釣れるなあと思っていると。

「明槻さん!ウキが勢いよく沈んだからアワセて!」

「う、うん!」

 竿を上にあげてアワセれば、いい感じの竿のしなりだ。

「あとはゆっくりと落ち着いてリールを巻いて」

「わ、わかった」

 俺は念の為に玉網を準備する。しばらくして、水面に赤い魚影が見えたので掬い上げる。

「やったね、明槻さん。マダイだよ!この時期は桜鯛とも呼ばれていて、旬で特に美味しんだ」

 と説明したところで。

「明槻さん、スマホ出して。記念撮影するよ!」

 という事でカメラマンに名乗り出てくれた鳳来さんに様々な角度から撮影してもらい、記念撮影は終了となった。


 今日は定食屋のある防波堤に来ているんだけど、弁当を持参している。連休の場合だと店休になっていたり混雑したりしているからさ。そんな軽い食事休憩中に。

「アジはかなり釣れたから二人もタイ釣りしてみる?」

 サビキと俺らの胴突き仕掛けでアジの良型は烏野さんと桃瀬さんの分も確保済だし提案してみた。

「そうだね。やってみたいかも」

「やってみたい」

 という事でサビキからウキ釣りに仕掛けを変更する。鳳来さんと笹嶋さんは慣れていないのでチョイ投げスタイルだけど、タイ以外にもイサキとかが釣れているから楽しめるだろう。


「ひろ君。()()()()()が釣れたよ」

 雪華の仕掛けに色鮮やかな赤い魚がいた。まじか〜!嬉しいほうの大誤算なんだけど!

 仕掛けの針で口を痛めないように慎重にはずす。

「ひろ君、これは?」

「もちろん飼育行きだ。この体色はメスだから、水槽内でオスにすればハーレムになる可能性がある。群れでの行動だから、あと数匹いるかもだから頼むぞ!」

「頼まれても困るよぉ〜」

 ま、仮に釣れなくても二匹確保出来たのはデカイんだけどな。


「タイなんて釣ったの初めてだよ〜」

 と鳳来さんもマダイを釣り、今度は明槻さんがカメラマンでの撮影をしたり。

「笹嶋さんてクロダイに愛されているのかもね」

 と、笹嶋さんもハゼ釣りの時よりも少し大きめのクロダイを釣ったりと今回も大漁だぜ!


 五月となり日没の時間も長くなりつつあるけど、晩飯に今日釣った魚を食べる事を考えればそろそろ納竿の時間だ。

 鳳来「今日は色々釣れたね」

「そうだな。烏野さんと桃瀬さんのタイまで確保するとは俺も予想外だったけど」

 鳳来「流石に本格的な魚屋で見るような大きさでは無いけどね」

「あれは、養殖だったり船での漁だからだよ。防波堤からの趣味での釣りなら十分大物だって」

 鳳来「そっか。そうだよね」

 俺達は趣味の釣りだ。なら、大きさなどは気にせずに気分良く終わりたいじゃないか!とはいえ小さすぎると判断したのはリリースするけどな。え?どうせ飼育用に持ち帰るくせにだと?それを言われると魚種によっては返答に困るぜ!


 最寄り駅に着いた俺達だけど、笹嶋さんとはここでお別れ。迎えが来ているらしい場所まで発泡スチロール製のクーラーボックスを持っていってあげる。これは念の為に俺が持参したもので捨ててもらっても構わないしな。

「それじゃあ笹嶋さん。また明後日学校でね」

「うん。今日は楽しかった。皆も学校でね。バイバイ」

 軽く手を振る笹嶋さんに俺達も手を振ってバスのりばへと向かう。一応バスの車内で。

「それじゃあ、タイを捌けない場合は連絡してくれれば明日俺が捌きに行くからさ。ただ、内臓だけは取り出しておいてね」

 鳳来「ありがとね。捌くの明日だと刺身は無理だよね」

「平気、平気。内臓出して冷蔵庫の奥側に入れといてくれれば刺身で食べられるよ」

 鳳来さんにも発泡スチロール製のクーラーボックスで魚を渡して途中のバス停で別れ、明槻さんとも別れて一旦帰宅してから。


「先生、本日は良型のアジとイサキとなっております」

「いつもありがとうございます。ところで潮干狩りは行かなかったの?」

「はい。潮干狩りには不向きな干満の差ですからね。少ない砂場の取り合いで混雑するので行かなかったです」

「なるほど」

「それで、今度雪華と二人でアカニシ貝を採ってくるので入場料を負担してもらえますか?俺達が採るのは潮干狩り場なので。その他の場所では密漁扱いになりますから」

「確かにそうですね。なら、入場料は払うので言って下さい」

「ありがとうございます。では、今日はこれで。また明後日学校で」

 校門前にいるのに学校で、と言うのも変だよなと心の中で笑う。


 今日釣ったアジとイサキは早速刺身にして晩飯の食卓に並んだよ。雪華が釣ってくれたサクラダイも水合わせ中だ。

 そうそう、ウチの分のタイは無いんだよ。釣ってないからね。

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