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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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連休初日

 ついに連休突入です。あれ?テンション低くくね?と思ったそこのあなた! 正解。

 だってさ、我ら学生はカレンダー通りなのよ。テレビで報道されるような有給を利用しての大型連休なんて存在しないの!

 まあ、5月の中旬には中間テストが控えているし、多少は自宅課題もあるから勉強から逃れることは出来ない訳でしてね?去年よりも遊ぶ時間は少しなの。


 昼飯を食べ終えて、ダイニングテーブルでまったりしているとインターホンが鳴ったので出てみると、従兄弟が来ていた。 

「それで、陽翔と裕隆は何故ウチに来たの?」

 陽翔「俺は連休になったし実家への挨拶に同行した形だよ。ほら、裕隆がこっちに住むようになっただろ?今までは四国に居たから、疎遠とまではいかなくても会う機会が少なかったからさ」

「確かにな。裕隆は陽翔がウチに来るから付いて来た感じか?」

 裕隆「そうだな。俺達の足でなら徒歩数分の距離になったから、広也とは割と頻繁に会ってるもんな」

 陽翔「へえ。どんな話ししてるんだ?」

「陽翔と一緒だよ。裕隆の彼女もクラスメイトで内宮班の一員だからな、どんな事をしてるのか?とか変な虫はいないだろうな?とか聞かれるんだよ」

 陽翔「あ〜。美人系でモテそうだもんな」

 裕隆「中学時代からモテていたみたいだからな。俺達の出会いはネトゲのオフ会だったから、実際に会うまでは男の印象だったし。逆にそれが良かったんだけどな、気さくに話せたから」

「今じゃ陽翔も裕隆もラブラブカップルだもんな。良いことだよ」

 裕隆「広也には敵わないけどな。もはや熱々の新婚さんの雰囲気があるから、目標にしたいよ」

「当然だろ!内宮の血筋は裏切りが無い限り好きな相手には一途なんだから。ってゴメン」

 裕隆「いや、気にしないでくれ。俺自身父さんの愚行には呆れているし、兄弟で同じ気持ちだからな。母さんもシングルになってイキイキしてるから、これで良かったんだよ」

「そっか」

 裕隆「ところで陽翔が好きになったのは、やっぱムネの大きさ?」

 陽翔「な、バカ、俺が好きなのは性格だよ。ダウナー系で甘えてくれるんだ、将来目指している弁当屋も手伝ってくれるみたいだし、紹介してくれた広也には感謝だよ!そりゃ、男として魅力的なのを持っているのは事実だけどさ」

 裕隆「甘えてくるって大丈夫なのか?その、お金とか……」

 陽翔「あ、ああ!甘えてくるって言っても高額な品物を要求したりとかじゃ無いから安心してくれ。デートの時には練習を兼ねて、お弁当を作って欲しいとか頭を撫でて欲しいとか、そういうのだから。物欲しそうに商品を見ることも無いし、金銭的要求は無いからさ」

 裕隆「そうなのか、安心したよ。でも、聞く内容だと周囲からはバカップルに見えてるかもな」

 陽翔「なあっ……」

「裕隆に聞きたいんだけどさ、舞原さんはこの辺住まいだろ?デートってどうしてたんだ?」

 裕隆「ビジネスホテル泊まりで、こっちでデートしてたよ。この辺はレジャー施設がほとんど無いから、遊ぶ予定の場所がある最寄り駅での待ち合わせだけどな。ちなみに待ち合わせの時は毎回ナンパ対策で帽子を被っていたよ」

 陽翔「出張のサラリーマンみたいで大変だな。出張費も出ないで自腹だし」

 裕隆「でも、ゲーム内チャットでは会話しているし、会うのも月一位だしな。今は毎週末に会えるから、こっちに引っ越すと言われた時はすげえ喜んだよ」

 陽翔と裕隆と一緒に()()で話しをする。男三人集まれば彼女に関係する話題や多少スケべな話題も多いから、そんな内容を妹弟には聞かせられません!なので、珍しく自室です。


 時間は過ぎて、晩飯があるから陽翔と裕隆も夕方には自宅へと帰って行ったよ。そして、雪華を迎えに行く時間となり、洋菓子店の事務所に入ると。

「ああああああん」

 と赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

「こんばんは。お疲れ様です」

「うちみや〜、赤ちゃんに嫌われちゃった〜」

 赤ちゃんは姉御先生の胸で「うっうっ」と言っているし、鳳来さんも涙目だ。

「どういう状況ですか、これ?」

「うちがね?いつもの仕事終わりの抱っこをしたら泣いちゃったのよ。今までそんな事無かったのに」

「あ〜。これに関して鳳来さんは悪くないから安心して。ただ、しばらくの間抱っこは無理かも」

「ひろ君、どういう事なの?」

「赤ちゃんは7か月を過ぎてるだろ?ママ以外の抱っこを拒絶する子がいる位の人見知りの時期なんだよ。今まで普通に抱っこできていても泣かれるし、父親すらも拒絶される場合があるんだ」

「流石は内宮だ、知っているんだな」

「ええ。双子も母さんと俺以外を拒絶しましたからね。父さんなんて俺が大丈夫なもんだから落ち込んでましたよ」

「じゃあ、内宮も泣かれるの?」

「多分ね」

 試しに姉御先生から赤ちゃんを受け取ると。

「あっあっ、キャッキャ」

「泣かないじゃ〜ん、このウソつき〜!」

「あれ〜?俺自身が驚いてるんだけど」

「内宮。真面目な話しで申し訳ないけど、保育士が向いてるんじゃないか?」

「いや、触れ合いは好きですけど仕事にはしたくないです。自分の子供への愛情が減りそうなので」

「なるほどな。そういう考えもあるか」


 ちょっとシリアスだから話題を変更しよう。

「話しは変わりますが、この時期が来たって事は姉御先生は待ち遠しい言葉があるんじゃないですか?」

「そうなんだよ!いつ言ってくれるか楽しみでさ」

「ひろ君、どゆこと?」

「赤ちゃんが“まま”って呼ぶ日が近いって事だよ」

「なるほどね。でもさ、内宮に懐いているから“にいに”かもよ?」

「鳳来さん?変なフラグ建築はヤメテいただけますかね?」

「内宮?そんな事になったら泣くからな」

「姉御先生も落ち着いて下さい!大丈夫ですって」


 最後は皆で笑ってから事務所から出て帰宅することに。

 ただ、帰宅中に雪華がずっと「子供かあ」と言いながら俺の肩に頭を乗せていたから落ち着かなかったよ。

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