入学式と新入生歓迎会
今日は俺達が通う高校の入学式。
彩夏も今日から学校で始業式になる。彩夏の通う小学校の場合は昨日が入学式となっている。
愛美と朝輝の通う保育園では春休みは無いけど、三歳児クラスから四歳児クラスになっている。幼稚園で言えば年中さんだな。
さて、去年の俺の入学式とは違って母さんはウチに居るので、彩夏も始業式後はウチに帰宅することになっている。
「入学式かあ。去年ひろ君と再会した事を思い出すなあ」
「あのさ、ずっと疑問だったのが入学試験には来てたんだよね?」
「今更だねぇ。もちろん来たに決まってるじゃん。もし、同じ教室で試験を受ける場合だったらその時点で打ち明けてたよ」
「そうだったのか」
「ま、あたしとしては入学式まで秘密に出来て良かったけどね」
校門に到着するも新入生の姿はまだ無いな。俺達在校生はいつも通りの登校だけど、入学式出席への登校開始は約1時間後くらいだしな。
なら俺達はそれまでの間は何をしているのかと言うと教室待機という名のLHR。在校生側が式場である講堂に入るのは、入学式終わりの手前だからな。他校の場合は知らないけれど、保護者席の後ろに着席して講堂から退出する新入生を拍手で見送るのが在校生のお役目となっている。
そして、このLHR中にクラス委員やら何やらの決め事があった。まあ、クラス替えがあった訳では無いので1年と同じ人達が継続する形ですんなりと決まる。そんな少しのザワめきの中で。
「俺達なんて春休み中はずっと補講だったんだぞ!その上で自宅課題まであるなんて、ヒドイよな」
「まあまあ。新入生には俺達の悪行は知られていないんだから、お楽しみが待ってるぞ?」
「そうだぞ!俺達はイケメン組なんだから」
「可愛い子はそのまま……じゅるり」
「「「「「げへへへへへ」」」」」
「サイテー」
そんなに大きくもない女子の声が良く響いた。そりゃ教室中に聞こえるような声で話していたらそうなりますわ。1年最後の調理実習の時なんて、あいつらだけの班構成な上に多澤先生の試食評価無しだったんだから。試食したく無いレべルの物体だったとか。
そんな時間も過ぎて在校生が入学式へと参列する。そして、在校生代表の生徒会長挨拶を一緒に聞いたら式は終了。新入生が退場していくのを拍手で送り出す。拍手をしながら、去年もこんな感じだったなあと思い出していると俺達も講堂から退出する時間になった。俺達が入学式に出ていた時間なんて十数分位だったね。
「今頃新入生は担任と副担任の先生やクラスメイトの自己紹介と今後の学校生活についての話しの最中だね」
「そうだな。講堂では保護者説明会だろうし、在校生がウロウロするのも避ける意味もあっての帰宅なのかもな」
「だね〜」
現在は新入生よりも一足早く帰宅中である。この時間なら彩夏も帰宅しているかも知れないな。
今日の晩飯は焼き肉です。少しだけ豪勢に猪肉の焼き肉となっております。ほら、年始に旅行した所からの取り寄せ冷凍猪肉だよ。
◇◇◇
入学式翌日は新入生歓迎会。なんだけど、去年は午前中にLHRがあって委員会決めやら学校案内があったけど2年からは普通に授業があるんだよね。
さて、昼飯後の新入生歓迎会では何と飛び入り参加で俺達イケメン組が上半身裸で何やらポージングをしている。
「厳さん、何あれ?」
「俺に聞くなよ!」
「あれは特撮の登場ポーズですね!」
「知っているのか!新山君」
「はい。あれは結構過去の作品のポーズだと思いますよ?」
「では、ここからは解説員の新山君に説明していってもらおうと思います。よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
「おや?何やら上を見上げてウロウロしてから一人が右手首に喋りかけていますが、あれは?」
「おそらくあれは敵が巨大化したのでロボを呼んだのだと思います!」
「となると、今はロボ内ですよね?ロボ内でもポージングするんですか?」
「……みたいですね」
「ねえ、ひろ君。いつまでその解説ゴッコするの?」
「爽ちゃんもですよ!」
「どう見たらいいのか、わかんなくてさ。ところで彼らは?」
「何やら煙玉に火をつけようとしていたから強制退場になったわよ」
「何がしたかっただろうね?」
「「「「「さあ?」」」」」
近くにいた内宮班だけで無く、講堂内の全員を困惑させた謎の演目?は強制終了となった。
上半身裸になったので立派な筋肉を見せてくれるのかと思って最初は盛り上がったけど普通の男子高校生といった感じとも違い、少し腹がタルんでいたのを笑われていただけだったな。
その後は悲惨だった、俺達やらかし組の後に出場した人達は微妙な空気を変える事が出来ずに気の毒だったよ。
今年の歓迎会も最後は演劇部。演目はその昔勇者と呼ばれた者の血を引く子孫達が復活した闇の意思を討伐しに行くといった壮大な物語で盛り上がり歓迎会は終了となった。




