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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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ケサケイット

 ついに春休み最後の週末です。

 水曜日の釣りは反響が大きかったね。特にアオリイカの値段という意味で。最初連絡をもらった時には、味じゃないんかーいとツッコんだけど、どうやら鳳来さんが鮮直市場に行ったらしく売られていたアオリイカの値段に驚愕したらしい。

 皆には黙っていたけど買えば高級イカだもんな、そりゃビックリするだろうよ。値段を黙っていた理由?そんなの受け取らないと思ったからだよ。それに、買えば高額な味を楽しんで欲しかったのもあるし、釣りでは思いがけない高級魚が釣れる事もあるのを知って欲しかったしね。

 この辺のアオリイカの産卵期までまだ少しだけ時間があるから、もう一度位は皆で行きたいね。とはいえ、イカのルアー釣りは難しいから俺と雪華が狙って他の人達には、サビキや胴突き仕掛けで別なのを狙ってもらうけどね。


 さて、土曜日の晩飯に雪華が野菜スープのケサケイット(Kesäkeitto)を作りたいと言ってきた。フィンランド語でKesäは夏、Keittoはスープを意味するらしい。つまりは夏に採れる様々な野菜を使った牛乳スープ、とのこと。今はまだ春だぞ!と思うだろうけど、ちょっとだけ待って欲しい。実はフィンランドの夏は新鮮な野菜が収穫できる季節でスープに使われる定番の野菜は、人参・カリフラワー・エンドウ豆・新ジャガイモみたいで日本でいえば春野菜なんだよ。だからこその雪華の提案ってわけ。なら去年も同居開始してるんだから作ればいいじゃんと思うだろうけど、最初に雪華がウチで料理をしたのは、最初の調理実習前。雪華の性格上いくら幼馴染の家族のキッチンとはいえ遠慮せずに料理する、というほうが無理だったんだよ。

 ま、今では料理を作ってくれる回数も増えているけどな。


「夏の牛乳スープか。日本では春野菜だから丁度いいし美味そうだな!頼むよ」

「まかせといて!日本風にアレンジしてあるレシピだから大丈夫…なはず。ただね、野菜()()のスープだから、お肉は別で用意しないとダメなの」

「なるほどな。なら、サイコロステーキみたいな感じのゴロッとお肉にするか」

「いいかも」

「ところで雪華。そのスープにマカロニは入れてもよろしいので?」

「好きだね〜マカロニ。アレンジしている時点で今更だし、入れますか」

「ありがとな雪華。愛してる」

「安い愛はお断り、深い愛をお願い」

 という事でキスしましたよ。


「それじゃあ買い物に行ってくるよ。サイコロステーキの予定だからタレ作りを頼んでもいい?」

「もちろんよ!行ってらっしゃい」

「そうだ!タレの材料はある?」

「大丈夫よ」

「わかった。行ってきま〜す」

「行ってきます」

 母さんにステーキの時のタレ作りを頼み、いざ出発!今日は愛美と朝輝は父さんの実家に父さんと一緒に遊びに行っているし、彩夏は友達と遊びに出かけているので一緒に行きたいと言う人はいない。


 スーパーに到着した俺達は早速野菜を購入していく。

「カリフラワーとブロッコリーだとブロッコリーのほうが少しだけ安いね」

「両方入れちゃおうぜ!野菜嫌いな子供はウチには居ないんだし」

「いいの? じゃああとは…と」

「人参とエンドウ豆だな。ジャガイモはあるから」

sain sen(わかった)

「シチューみたいに玉ネギは入れないの?」

「野菜スープだし入れよっか」

「キノコ類は?」

「今回は無しで。評判が良ければ内宮家流という事で入れようかな」

「あいよ」

 といった感じで買い物は進み、レジで精算したらスーパーを出る。


 煮込み料理の雰囲気があるから帰宅後には作り始めるのかと思っていたけど、手軽に簡単なのがいい所らしく野菜に火が通ればそれでいいらしい。


 今日は雪華と母さんが晩飯の準備をしてくれているので、俺は食事の時間まで飼育部屋で作業をしております。

 そうそう、先日のカクレエビも俺が採集してきた二枚貝に寄生しているぞ。エビ達にとっては仕方無くといった感じなのかも知れないけどね。観察をしていた彩夏が「居なくなったよ!おにいちゃん」と騒いだ時には死んだのかと思ったけど、貝の中で動くエビを見た時は「おお〜」と思わず声を出してしまったよ。ちなみに、生きている貝に寄生が確認されたので隠れ家として入れていた貝殻は撤去しました。


「ひろ君、ご飯だよ〜」

「あいよ」

 雪華が晩飯を知らせに来てくれたので、手洗いしたらリビングに行くと美味そうな料理が並んでいる。

 全員で「いただきます」をしたら食べ始めるんだけど、まずはスープから。

「夏のスープだから本当は冷やした冷製スープなんだけど、温かいまま出したから」

「すげー美味いよ!肉は入ってないのに味が濃いめなんだな」

 両親は「うんうん」と、妹弟達は「おいしー」といいながら食べてるし。

「多分だけど偉大なるコンソメ様の力だよ」

「いやいや、本当に美味いって。夏には冷製スープも作ってくれよ」

「もちろんよ!」

 カーリカーリュレートの時にはしょんぼりさせてしまったけど、今回は笑顔が眩しいぜ!それに肉料理との相性もバッチリなので、ごはんがとても進んだよ。


 就寝前の時間の雪華は嬉しさから俺に甘えてきて大変だったよ。そして、その時間が終われば彩夏と一緒に寝る時間です。あの〜ところで彩夏さん?いつまで兄と一緒に寝るおつもりで?

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