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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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保育参観と顔合わせ

 ホワイトデーが終われば春休みは目前となる。俺達はまだ進級するだけだからか、クラス内の雰囲気は休みが楽しみといった空気だ。二年になってもクラス替えは無いので、クラスメイトは同じなのがいいよね。三年になると、文系理系での進学コースクラスがあるため変更あり。ま、それは少し先の話だし置いておこうか。

 俺達玉砕組は、おネエさん達と何やらイべントがあったらしく「たくましい大胸筋は女子の胸と同等だよな」とすごく遠い目をしていたよ。


 そんなホワイトデーのあった週末日曜日に明槻さんと雪華の兄さんの顔合わせが決まった。ただ、残念ながらその日は愛美と朝輝の保育参観の日でもあるので、俺は行けない。

「雪華ごめんな。やっぱ妹弟優先させてもらうから、幼いこの時期だけの時間を大切にしたいから」

「うん、大丈夫。ファミレスで食事した後に、あたし達が行くジムで千奈津ちゃんが兄さんの筋肉チェックするだけだから」

「そうか。もし、合流できるようならしたいから顔合わせが終わった場合連絡もらえるか?」

「あいよ」

 明槻さんの筋肉チェックってなんぞ?今晩雪華に聞いてみよう。


 さて、そんな訳で雪華は最寄り駅へ、俺と母さんは保育園へ、父さんと彩夏は有料のアスレチックがある場所へと向かった。

 アスレチックは体を動かしたいという彩夏の希望だ。父さんは筋肉痛になるかもしれないけど頑張ってくれ。

 ちなみに、去年の保育参観は父さんと母さんが出席して、俺と彩夏は芝生公園で彩夏の友達も一緒に遊んでいたよ。


 保育園に到着すると参観希望の人達がいた。今日は、三歳児クラスは愛美と朝輝の所属するクラスのみ。その他にも数クラスの参観がある模様だ。

 母さんは先日の俺からのお返しクッキーのお礼を言われている。ここで、男の子の保護者がうちは貰ってない等と声を上げればたちまち非難の的になるだろうよ。


 教室内に入ると、いつもと違い大人がゾロゾロといるものだから泣き出す子もいる。そんな中、愛美と朝輝は兄である俺がいるものだから。

「「おにいちゃんだー」」

 と言って駆け寄ってくる。隣では母さんが「お母さんもいるんだけどなー」と呟いたのに笑ってしまった。俺もしゃがんで二人を迎えてやる。


 先生達が落ち着かせたあとは園児達はイス取りゲームを始めた。イス取りゲームと言っても普段使いしている木製のイスでは無くてクッションなので柔らかく安全面にも考慮されているから安心して欲しい。イス取りゲームの勝者が決まり、次はだるまさんが転んだを始める。お絵かきやブロック遊びとかは自宅でもやっているだろうし体を動かす系を中心に見せているようだな。


 保育参観のプログラムには一緒にお昼ご飯を食べるのも含まれているので、同じメニューを一緒に食べる。

「おいしいね」

 と隣に座る朝輝に言うと。

「おにいちゃんがつくったほうがおいしいよ」

 と言ってくれる。嬉しいんだけど、他の保護者の注目を集めるような発言はヤメテ。


「「ごちそーさまでした」」

 両手を合わせて食べ終わりの挨拶をする愛美と朝輝。二人とも残さず完食している。

 これには母さんと二人で顔を見合わせて驚いた。二人の食事ペースは他の子に比べてかなり早いのだ。こういうのは家族だけだと、わからない部分だよなあ。


 昼食が終われば食休みのまったり時間で保護者と一緒に絵本を読んだりして過ごして保育参観は終了となった。

 小学校と違い参観後の保護者会のようなのは無く、子供と一緒に帰宅する。仲良しの子供同士でバイバイする様子を見ながら俺達も先生に挨拶をして自宅へと向かう。


 帰宅すると、緊張のせいもあったのか二人ともあくびをして眠そうにしたので、和室にお昼寝布団を敷いてあげると寝てしまった。

 俺は先生の許可を得てスマホで参観の様子を撮影していたので家族共用のタブレットに動画を移行しつつ、母さんと参観の様子を話し合っていたらスマホにメッセージが来たので見ると、明槻さんと雪華の兄さんの顔合わせは無事に終了したようだった。両者笑顔で明槻さんをお姫様抱っこする上半身裸の兄さんの画像も一緒に送られてきた。どうやら上手くいったみたいで、よきよき。


 就寝前のいつもの時間に明槻さんとの顔合わせの様子を雪華に聞くと、兄さんは魅せる筋肉を意識していないから食事に関してのこだわりは無くて好き嫌いは無いことを一緒に食事しながら伝えていた事。ジムの見学を理由に明槻さんに上半身の筋肉を見せていた事。お互い連絡先を交換してデートの約束をしていた事などを話してくれた。


「明槻さんの筋肉チェックって何したの?」

「言葉通りよ。兄さんの筋肉の張りや硬さをペタぺタ触りながらチェックしていたわね。くすぐりにも似た光景だったわよ」

「なるほどなあ〜」

「そして、千奈津ちゃんてば兄さんの事を相当気に入ったらしくて、途中からは女の目で兄さんを見てたわよ」

「へえ〜」

「あれは、相当なバカップルになるわね」

「俺らみたいに?」

「あたし達のようなラブラブになるにはまだまだ甘いわよ!」

 そう言って胸を張る雪華のおムネに視線が行ってしまうのは、ここ最近の出来事を考えれば仕方の無いことだと思うんだよ、うん。


 翌日の朝、父さんが(つら)そうに起きてきた。どうやら彩夏の付き添いで筋肉痛になったようだ。「翌日の筋肉痛なら、まだ若い証拠なんじゃないの?」と言ったら苦笑していた。

 彩夏が父さんが痛そうにしているのを心配していたので「大丈夫だよ」と言って頭を撫でておいた。

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