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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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サヨリ釣り

 学年末テストが終わった週末日曜に雪華と明槻さんと一緒に釣りに来た。今回のターゲットはサヨリ。釣る時期としては終盤だけど大型を狙うならこの時期となる。


「今までと仕掛けが全然違うんだね」

 明槻さんの竿に仕掛けを用意していると興味津々な様子で聞いてきた。

「サヨリは表層、つまりは水面直下を泳いでいるから、連続した浮きでハリが沈まないようにする必要があるからね。オモリが無いから遠くに飛ばすにはコツがあるけど、ここの防波堤は足元から近くでも釣れるから気にする必要は無し」

「わかった」

「エサは何と、蒲鉾(かまぼこ)()()()()となっております」

「えーっ!?」

 おお、ナイスリアクション!

「明槻さんはまずは釣り針に付けやすい蒲鉾で狙ってみて食い付きが悪ければ、はんぺんに変更。ただ、知っての通りはんぺんはフニャフニャで付けるのにコツがあるから、最初は俺が付けるね」

「うん。お願いします」

 という事でサヨリ釣りのやり方を明槻さんに教えている間に、雪華はすでに8匹釣っていたよ。流石だね!


 サヨリ釣りの場合、完全に浮きが沈むとかのわかりやすい変化は無いので、しばらくは明槻さんに付き添う形にはなるのは雪華に承諾済み。

「浮きの列が乱れたから軽く竿を上にあげてアワセてみて」

「うん。 何かブルッとした!」

「よし。リールを巻いて」


「銀色の魚が釣れたよ」

「これがサヨリ。大きさも中々なサイズで美味そうだな」

「何か独特だね。これはこれで面白いかも」

「さ、お喋りはそこまで。サヨリは群れで泳ぐ魚だから釣れた場合は餌付けしてすぐに投入する」

「は、はい」

 釣れた余韻に浸るのは、あと、あと。数を釣るならサクサクいこうぜ。


 明槻さんを気にしながら、俺も釣り始めて数時間が経過。明槻さんは持参した飲み物で休憩中。

「こんなに釣れたのは、ハゼ以来だね」

「サヨリは数釣りするのが楽しいからな。イワシとアジの時期も面白いぞ」

「釣りをすっかり楽しみにしている自分がいるよ」

「まあまあ。紹介予定の雪華の兄貴も釣り好きだから覚えて損はないって」

「うん。画像では顔とか見てるけど、早く会いたい」

「大学生だし、距離もあるからな。勘弁してあげてくれよ」

「そうだよね」

 雪華にも見た目は好印象と連絡来ていたみたいだし、何より雪華と仲が良いのは加点対象だろうしな。そんな事を思っていると。

「そんな千奈津ちゃんに朗報です。今月中には会えるよ」

「本当に、嬉しい」

 うんうん、よかったね。


 防波堤で持参したおにぎりを食べたら帰宅準備。この近辺は駅前を含めて飲食店は無いからね。明槻さんにも片手で手軽に食べられるおにぎりを準備してもらっていた。

 今回も運良く最寄り駅に直通の電車に乗ることが出来たぜ。最寄り駅に着いたら高校経由で明槻さん宅に向かう。

 なぜ高校経由なのかって?そんなの蔵持先生にサヨリを献上する為ですよ。今日行く予定と伝えたら、いつもの三人で飲み会ですって。


 明槻さんの自宅に到着して、母親を呼んでもらう。サヨリには、寄生虫がいるので大丈夫かどうか確認するためだ。

「あら、こんにちは。今日は釣れたの?」

「はい。ご覧の通りサヨリを釣ってきました」

「それで、私に話しというのは?」

「失礼ですが、サヨリを捌いた経験はありますか?」

「いえ。無いわね」

「では、ご迷惑で無ければ一匹だけ捌くのを見てもらえますか?ダメな場合は自分が全て捌いてから帰りますので」

「わかったわ。じゃあ、上がって頂戴」

「それでは、失礼します」

「失礼します」

 俺達のクーラーボックスを玄関に置き、上がらせてもらう。


「大丈夫か確認したいのは寄生虫のサヨリヤドリ虫を見ても平気かどうかなんです」

 サヨリは出刃包丁では無く、普通の万能包丁で捌けるのもいいところ。そして、必ずいると言っても過言じゃないのがサヨリヤドリ虫なのだ。エラに寄生する白いダンゴムシのようなウオノエ科の等脚類で、アニサキスの様に人に害を与えることは無いから安心してほしい。

 ちなみに、両側のエラに雌雄1匹ずつ寄生する面白い習性があるんだよ。


「これなんですが、平気ですか?見た目は白いダンゴムシなんですが」

 見た目がちょっとだけグロテスクだから苦手な人は苦手だろうしな。

「この位なら平気ね。下の子が小さい頃はダンゴムシがズボンのポケットから出てきたし」

「わかりました。あとはお腹を開いて内臓を取り出すと黒い膜があるので、指で擦って取り除けばいいので」

「なるほどね。食べ方のおすすめはある?」

「そうですね…天ぷらや塩焼きですかね。もちろん釣りたてなので、刺身も大丈夫ですよ」

「わかったわ。数も多いし、色々と試してみるわね」

「是非。後は鮮度落ちが早いので、今日中に食べたほうが美味しいですよ。では、これで失礼します」


「内宮君、わざわざありがとう」

「いいって。釣った魚を美味しく食べてもらえるなら、この位お安い御用だよ」

 玄関に見送りに来てくれた明槻さんに別れを告げて俺達も帰宅する。


 今日の晩飯はサヨリづくし。

 天ぷらと刺身で美味しくいただきました。もちろん、おかわりの回数もマシマシです!


 就寝前のいつもの時間に明槻さんと兄さんの顔合わせの場に出席出来ない可能性を雪華に伝えておいた。というのも保育園で愛美と朝輝の保育参観があるからだ。申し訳無いけど、ここは妹弟を優先させてもらうよ。

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